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私、ざまぁ系ヒロインに転生してしまったかも……!?
有能美女の付き人もやっぱり有能な件。
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「留学、か……。今までそんな選択肢があるとも感がえた事が無かったからな。目から鱗が落ちた気分だ。
ああ、勿論私も父が許可を出すならぜひその話に乗らせてもらいたいね」
そう朗らかに笑うマルグリット様の頬は紫色に腫れた頬を隠すガーゼが跡を隠しきれておらず痛々しいが。
「こんなのよくある事さ。打撲で済んで、むしろ今回は軽症な方だよね」
と軽く笑うマルグリット様。
「笑い事じゃありません……!」
彼女の後ろで、マルグリット様の執事、カイが悔しげに拳を握りしめている。
「あの男、騎士を志す身でありながら、淑女に対し、平気で暴力を振るうなど……!
いくら我が国が女性より男性が優位とされる国とて、男性が女性に対し、力に任せて理不尽に暴力を振るう事が許される筈がない。
まして、善良な市民を守る剣であるはずの騎士が……!
我が辺境伯家の所属の者であればとっくに反省房行きですし、それでも尚反省が見られなければ除隊にしているのに……!」
「そんな、辺境伯様はギレッセン伯爵家に抗議なさらなかったの……?」
「無論致しましたとも、ジークリンデ様。
ですが、その抗議が届いてようやく、見舞いと称した菓子折りが一つ、付け届けとして送りつけられて来たのみで。
怪我が治るまで、右腕を吊られてきたお嬢様に対し、ブルーノ様は『見苦しい、これではエスコート出来ないではないか』と言い放ち、完治するまでお嬢様の事は放置されました。
まぁ、その方がお嬢様周りはお静かで平穏だったのでそういう意味では悪くありませんでしたが、それは怪我をさせた側のセリフではないだろうと……」
「まぁ、ギレッセン伯爵も……? 我々の所は王家と公爵家という身分差がありまして、抗議を控えた事もありましたけど。
伯爵家と辺境伯家では身分的には辺境伯家の方が上ですのに。
何より、騎士団長であるなら、辺境伯との関係は良好に保つ努力をすべきではありませんの?」
ジークリンデ様の侍女の一人、リーゼロッテが憤る。
「おそらく。騎士団は王家の物だから。
その配下の貴族であれば無条件に従うと、今の王家は思ってらっしゃるのでしょう。
だからこそフリードリヒ様もあの振る舞いなのでしょうから。
そしてその考えに当然下の者も倣う……そう、騎士団長ギレッセン伯爵の様に」
「……言えばブルーノ様が機嫌を悪くするのは必至だし、父上も良い顔はしないだろうから言わなかったけど。
領地にいて、他国と交流する度に思うんだ。
彼らが思う程にこの国は本当に良い国なのか、ってね」
「……それは、聖都に居ても感じますわ。
確かに聖都の街並みは、歴史も威厳もあって美しいですわ。
ですが、それはあくまで表面だけ。
聖都の中であってさえ、貧民街は酷い有様と聞きますし、聖都の外では――それこそシュレッター伯爵領等は地獄絵図。
貴族の生活は豊かですが、平民は一部を除き余り余裕のない生活を余儀なくされ、貧民に堕ちる者も後を絶たない……」
「でも、国の上層部にそれを危機と感じる方はほぼ居ない。
日々の贅沢を安易に享受する事しか考えない方ばかりで……」
「マルグリットお嬢様、貴女様がフライハイト王国に留学されるおつもりなら、勿論私もお連れ下さいますよね?」
「ただの従者としては連れて行けるかどうかは不明だぞ?
確実に付いてくるなら、少なくとも試験には合格して貰わないと」
「……ミヒャエル殿の勉強会、私も参加させていただいてもよろしいでしょうか、フィリーネ様」
マルグリットの言葉にすかさずカイが私に頭を下げる。
……カイは執事という使用人だけど、これでも子爵子息の身分を持つ。
元の私の身分を思えば、この国の人間は大抵頭を下げることを屈辱と考える、のに。
「あ、カイ殿が参加して良いなら私達も参加したいです! フィリーネ様、ジークリンデ様、お願いします!」
と、ジークリンデ様の侍女二人も手を挙げた。
「それを言うなら私も、この国の学園に入るつもりの勉強はしていたが、留学となると試験レベルが分からないからな。
どうせなんだし、皆で勉強会をしても良いんじゃないか?」
「なら、場所はフィリーネの図書館がベストかしら?」
……ロジーネお義姉様が場所の貸出を言い出して。
いつの間にか、受験勉強会が定期開催される事が決定したのだった。
ああ、勿論私も父が許可を出すならぜひその話に乗らせてもらいたいね」
そう朗らかに笑うマルグリット様の頬は紫色に腫れた頬を隠すガーゼが跡を隠しきれておらず痛々しいが。
「こんなのよくある事さ。打撲で済んで、むしろ今回は軽症な方だよね」
と軽く笑うマルグリット様。
「笑い事じゃありません……!」
彼女の後ろで、マルグリット様の執事、カイが悔しげに拳を握りしめている。
「あの男、騎士を志す身でありながら、淑女に対し、平気で暴力を振るうなど……!
いくら我が国が女性より男性が優位とされる国とて、男性が女性に対し、力に任せて理不尽に暴力を振るう事が許される筈がない。
まして、善良な市民を守る剣であるはずの騎士が……!
我が辺境伯家の所属の者であればとっくに反省房行きですし、それでも尚反省が見られなければ除隊にしているのに……!」
「そんな、辺境伯様はギレッセン伯爵家に抗議なさらなかったの……?」
「無論致しましたとも、ジークリンデ様。
ですが、その抗議が届いてようやく、見舞いと称した菓子折りが一つ、付け届けとして送りつけられて来たのみで。
怪我が治るまで、右腕を吊られてきたお嬢様に対し、ブルーノ様は『見苦しい、これではエスコート出来ないではないか』と言い放ち、完治するまでお嬢様の事は放置されました。
まぁ、その方がお嬢様周りはお静かで平穏だったのでそういう意味では悪くありませんでしたが、それは怪我をさせた側のセリフではないだろうと……」
「まぁ、ギレッセン伯爵も……? 我々の所は王家と公爵家という身分差がありまして、抗議を控えた事もありましたけど。
伯爵家と辺境伯家では身分的には辺境伯家の方が上ですのに。
何より、騎士団長であるなら、辺境伯との関係は良好に保つ努力をすべきではありませんの?」
ジークリンデ様の侍女の一人、リーゼロッテが憤る。
「おそらく。騎士団は王家の物だから。
その配下の貴族であれば無条件に従うと、今の王家は思ってらっしゃるのでしょう。
だからこそフリードリヒ様もあの振る舞いなのでしょうから。
そしてその考えに当然下の者も倣う……そう、騎士団長ギレッセン伯爵の様に」
「……言えばブルーノ様が機嫌を悪くするのは必至だし、父上も良い顔はしないだろうから言わなかったけど。
領地にいて、他国と交流する度に思うんだ。
彼らが思う程にこの国は本当に良い国なのか、ってね」
「……それは、聖都に居ても感じますわ。
確かに聖都の街並みは、歴史も威厳もあって美しいですわ。
ですが、それはあくまで表面だけ。
聖都の中であってさえ、貧民街は酷い有様と聞きますし、聖都の外では――それこそシュレッター伯爵領等は地獄絵図。
貴族の生活は豊かですが、平民は一部を除き余り余裕のない生活を余儀なくされ、貧民に堕ちる者も後を絶たない……」
「でも、国の上層部にそれを危機と感じる方はほぼ居ない。
日々の贅沢を安易に享受する事しか考えない方ばかりで……」
「マルグリットお嬢様、貴女様がフライハイト王国に留学されるおつもりなら、勿論私もお連れ下さいますよね?」
「ただの従者としては連れて行けるかどうかは不明だぞ?
確実に付いてくるなら、少なくとも試験には合格して貰わないと」
「……ミヒャエル殿の勉強会、私も参加させていただいてもよろしいでしょうか、フィリーネ様」
マルグリットの言葉にすかさずカイが私に頭を下げる。
……カイは執事という使用人だけど、これでも子爵子息の身分を持つ。
元の私の身分を思えば、この国の人間は大抵頭を下げることを屈辱と考える、のに。
「あ、カイ殿が参加して良いなら私達も参加したいです! フィリーネ様、ジークリンデ様、お願いします!」
と、ジークリンデ様の侍女二人も手を挙げた。
「それを言うなら私も、この国の学園に入るつもりの勉強はしていたが、留学となると試験レベルが分からないからな。
どうせなんだし、皆で勉強会をしても良いんじゃないか?」
「なら、場所はフィリーネの図書館がベストかしら?」
……ロジーネお義姉様が場所の貸出を言い出して。
いつの間にか、受験勉強会が定期開催される事が決定したのだった。
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