ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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私、ざまぁ系ヒロインに転生してしまったかも……!?

ざまぁにはまだ早いのですが?

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 ざわざわと。

 陛下の臨席前の社交の前哨戦に勤しむ貴族達の雑談の声のさざめきで満たされていたホールで、二人の大精霊が目立つ私がその視線と話題の中心にいて。
 そんな中で騒ぎ立てた殿下達と、彼らの傍らに居ざるを得なかったご令嬢達も共に目立ち、格好の噂のタネとなり。
 そろそろさざめきの域を越えざわめきに変わりつつあった。

 「なんと……、大精霊様を二属性も! その上精霊ながら三属性持ち……!?」
 「どちらのお嬢様かしら?」
 「ロジーネ侯爵令嬢を姉と呼ぶからにはコルネリウス侯爵家のご令嬢なのでは?」
 「けれどあのお家は長女のロジーネ様と下に弟君がいらしただけで……、次女が生まれたという噂はとんと聞きませんでしたよ?」

「ロジーネ様とあまり似ていらっしゃらないところを見ると、侯爵様が外でお作りになったお子さんでは……?
 コルネリウス侯爵様も、シュレッダー伯爵様と懇意にされているとか……?」
 「それは……、我が家の旦那様も他人の事ばかりは言えないのですけれど。
 余所に何人子供が出来ているのか……知りたくありませんわ」
 「あら、貴女も? ……家もなのですよ……」
 「ですが……、大精霊や精霊と契約出来る素養を持つような子供であれば家の繁栄に役立てられるでしょう?
 まぁ、その様な子供、実の……貴族家の血を引き貴族としての教養を与えた子でさえ難しいのに、よそで適当に育った子供に……というのも複雑ですけれど」

 「それにしても……、第二王子殿下は少々幼い……と言うよりうかつな方なのかしらね?」
 「教会の偉い方はまだ入場していらっしゃらないのかしら?
 王になるにも、王太子になるにも教会のお赦しが必要ですのに……、教会の方のお怒りに触れそうな事を不用意に仰るなんて」
 「王太子殿下はご聡明だそうですから、次代も我が国は安泰ですわよ」

 「……」
 始めこそひそひそ、だったものが段々と声が高くなり、興奮する殿下の耳にも届き始める。
 お義姉様の指摘と相まって、ようやく自分の行いのマズさに気付いたらしい。

 「……っ、私は! 決して精霊様を無下にするつもりは! た、ただ精霊様がエスコート役、それも一度に二人も! 普通ならありえないだろう、例え精霊様でなく人間の男だったとしても何事かと思うだろう!」

 う、そこを指摘されると痛いですね……。そこは私も重々承知だし。

 「そこは、我らの我儘だ。ご主人を責めるな」
 「……我らも望んだ契約を他に先んじて得られた喜びに少々はしゃいでしまった。
 その点は詫びよう」

 だが、それにも精霊様が応えてしまう。
 パートナーの令嬢相手には強気に言い返せても、精霊相手にそれは出来ない様で。

 「〰〰ぐ、と、とにかく、あまり目立とうとするんじゃないぞ!」

 捨て台詞を残し、『エスコート』の言葉について、彼の辞書にどう記されているのか疑問に思える様な乱暴な振る舞いでジークリンデ様を引っ張って行く。
 それについて慌ててブルーノ様とトビアス様もマルグリット様とロジーネお義姉様を連れてその場を離れていく。

 あ、ちょっと! 私の保護者お義姉様を連れて行かないで、私を一人にしないで~!

 その時。
 幸か不幸かラッパの音が高々と鳴り響き、夜会会場であるホールへの扉が大きく開かれる。

 その瞬間を待ちわびていた貴族たちは早速本番のためにそちらへ意識を向け、続々とホールへ雪崩込んでいく。

 奥の王族席は勿論まだ空だ。
 第二王子はその辺にまだ居ると思うんだけど。

 あの奥の扉が開いて王族が着席したその瞬間、正式に夜会が開始される。
 その後、爵位の順に陛下に挨拶をしたらいよいよ本格的に社交の火花が散る様になる。

 「早く、せめてお義母様と合流しなきゃ……!」
 たとえ義父が一緒だとしても。
 狐狸妖怪と戦える武器もろくに無いままこんな戦場の真ん中にいたらどうなるか……。

 うん、火を見るよりも明らかだもんね!
 精霊たちは武力的な守りにはなっても、貴族の社交的攻撃に何処まで対応出来るか分からないし!
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