ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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乙女ゲームからエスケープ! 留学します!

ついに到着!

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 「これは……」
 開口一番、言葉に詰まるお嬢様方。

 ……まぁ無理もない。

 列車が駅に到着するだいぶ前から、車窓から見える景色はやたらと高い壁と呼ぶか塀と呼ぶべきか迷うそれが延々と続いていた。
 それ自体はお洒落な色合いで彫刻が施されていたり、緑が趣味良く配置されていたりと目を楽しませてくれはしたのだけれど。

 駅の真ん前にある巨大な門は、まるで城の正門の様な佇まいで、門の脇にはしっかり警備員が配置されている。
 立番の警備員は、愛想よくニコニコと挨拶をしながら門を通る人を眺めているが、その奥の控室には武装した兵士の姿もある。
 ……流石に甲冑等の完全武装ではないが、セイントランド聖国の城に居そうな槍持ちの近衛兵の様な出で立ちの彼らは、ここでトラブルがあれば即座に出てくるのだろう。

 「学園都市の中には騎士学校なんかもあるけど、基本的には机に向かう事の方が得意な、若い人が多い街だからね。
 変な人を入れて厄介事を起こされたらたまらないから。
 ここで100%弾けるかって言ったらそりゃ無理だけど、少なくとも他の街よりは安全な街だよ」

 ほう。かつて日本でも学校で悲惨な事件も起きた事がある。
 街をぐるりと高い塀で囲い、学園都市と言うより城塞都市と呼びたくなるような外観は、威圧感すら覚える程だけど。

 門の受付で入学許可証を見せれば、すんなり通して貰えた。
 そして、街中に一歩足を踏み入れれば。

 「ここは……。まるで聖都の様な賑わいですわ……。聖都に比べれば若い方が大半で、ご年配の方を殆ど見かけないのですけれど。
 あの正面の高い建物は……病院、ですの? あれ全部? 隣は警邏隊の駐屯地の様ですが、その裏は公園と……市場でしょうか?」

 「奥の突き当たり、あの大きな建物は何でしょう?
 道の両脇にあるのは全て店かしら?」

 「あの正面にあるのは大図書館。各学校にもそれぞれ専門書を揃えた図書室は大概あるけど、あそこの蔵書量はその比じゃない。
 自習室も充実しているから、街中の学生や、先生方もよく利用しているよ。
 道の両脇は文具店や衣料品店みたいな商店と、軽食から定食、打ち上げに使えるような店まで揃う飲食店街だね。
 病院は、この街の学生なら誰でも気軽に使えるよ。
 風邪や突き指なんかでもね。
 何かトラブルがあれば警ら隊がすぐに駆けつける。
 自炊するにも市場で安く食材がそろうし、公園で日向ぼっこもたまのリフレッシュには良いんじゃないかな?」
 
 そう、門扉を潜ってまず目に入るのが、ロータリーの様な円形広場。
 その円は四つ割りに区切られ、手前右手にセイントランド聖国ではまず技術的に不可能と思われる十階建てのビルがあり、これが病院。
 その隣には日本で言う交番的な警邏隊の駐屯地。
 そのすぐ裏にはテント群が所狭しと並び、様々な物を売っている。
らそして残る一区画は芝生の緑の眩しい公園となっており、学生さん達が思い思いに過ごしている。

 その奥に、まるでヨーロッパのゴシック調の教会の様にも見える大きな建物が見え、ミヒャエルによると図書館らしい。
 そこへ続く直線道路の両脇には店舗が並び、賑わいを見せている。

 振り返れば門から横に伸びる塀に沿ってまるで団地のような作りの建物が並んでいる。

 「ああ、あれは教員や研究員さん用の住宅だね。一応単身者用とファミリー用があるらしいよ。
 彼らの家族が通う初等学校や中等学校もある」

 その団地の前の通りを左へ進む。

 
 「あら、ここも病院?」
 すると通りを挟んだ団地の向かいにまたも大きな病院が見えてくる。

 「ここは医者や薬師、看護師の卵が通う医療学校付属の病院だよ。
 さっきの病院はクリニック――軽症患者が気軽に受診できるタイプの病院だけど、こっちは難しい病気で入院や長期通院が必要な患者さんを診るのが主で、学生さんの研修所にもなっている。
 研究中の最先端の医療が安く受けられる代わりに、治療実験や学生さんの見学に付き合わなきゃならない」

 そして、その隣りにあるのが……

 「ここが、君らが通う予定の国際高等学院だよ」
 通りからは煉瓦造り塀と樹木ばかりが目に入るが、お洒落な佇まいだ。

 その更に奥。通りの突き当りが――

 「ここが、僕たちの当分の住処になる学生寮だよ」
 
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