ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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就活成功させて亡命しよう!

衝突

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 フライハイト王国に来て、学校に入学しておよそ半年程が経過した。

 進路の悩みとか、教科の得意不得意やらテストの点やら、そんな学生生活に付き物の些細な問題はあれど、おおよそ平和なキャンパスライフを私――フィリーネ過ごしていた。

 そう、今日。ついさっきまでは。

 「いい加減にして下さい!
 フィリーネさんな何したって言うんですか!
 フィリーネさんは貴女に失礼があったなら謝ると言ってくれています。
 なのに貴女は何も言わないまま悪態をつくだけ。
 見ていて不快です!」

 愛らしく、普段は穏やかな兎獣人のヘレナが起こっている。
 ……いや、普段は穏やかな人程怒ると怖いって言うけど……うん、その言葉を今ひしひしと実感している。

 「……ふん」

 しかし、その怒りを受けてもなおそっぽを向いて素直なリアクションを取らないのは、入学当初から変わらず私にあまり良い感情を持っていないらしいイェニーだ。

 私も万人と理解し合えるとかとか友達百人出来るかな、なんてお花畑思考はしていないから、馬の合わないクラスメイトが居るくらいは気にしない。
 互いに接触を極力減らして不快にならない距離感を保とうとしてきた。

 しかし彼女は。
 やたらと私の視界の中に入り込んではあえて悪態をついて回る。

 まるで、構って欲しくて拗ねている幼い子供のように。

 しかし、前世のある私程ではないにしろ、この学校に通う生徒は皆高等教育を受けるに相応しい精神年齢の者達なのだ。

 その中でも商売人としてコミュニケーション能力高めなヘレナが度々取りなしてくれていたのだけれど、ついに彼女の許容量も限界に達し、堪忍袋の緒が切れた。

 そのきっかけとなったのが……

 「ねぇ、こないだの講義について質問したいんだけど、今いいかしら?」

 例のダイエット講座の人気は未だ衰えず。
 授業の合間の休み時間等に先輩方や果ては先生たちにもたまに声をかけられるようになっていた。
 今日もまた一人、質問に来た女子が一人。
 最近では珍しい事ではなかったのだけど……

 その日はたまたまイェニーと選択の被った選択科目の一つの行われる教室への移動中に呼び止められ。

 偶々傍にイェニーとヘレナが居た。
 ……と言うかヘレナとは普通に友達として付き合っていて、一緒に教室移動している最中だった。
 イェニーがその時すぐ前に居たのは偶然の事。

 同じ場所に向かっている最中の事だから近くに居るのは必然でも、すぐ前を歩いていたのは……偶然、と思いたい。

 「あの、タンパク質の話なんだけど……」

 教室移動の最中なのは彼女も理解していて、「手短に済ませるから」と言うので質問を受け付けたのだけど。

 「……ふん、下らない」

 ポソリと小さく、でも確実に私達の耳に届く音量でイェニーが呟いた。
 それに質問者もヘレナもムッとはしたけれど、その程度なら彼女らも大人の対応として聞かなかったふりをして質問を続けた。

 「必死すぎて可哀想になる。
 見た目しか価値の無い女だって、自ら宣伝する様なお馬鹿さんに有難がられて舞い上がる女は心底憎らしいけど」

 それが気に入らなかったのか、イェニーは声量を上げてそう宣った。

 このセリフにキレたのがヘレナ。
 そして冒頭のイザコザに繋がる。

 「ふん、見た目が何だ。
 無論、これが装飾品や美術品であれば見た目の良し悪しは職人次第、その優劣で価値が変わるのも納得できる。
 しかし、親から受け継ぎ自ら後天的に弄ろうにも限度のあるそれのみで価値を判断し持て囃すなど具の極みと思うのだけど?」
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