天界送りのサルティエラ

いわみね

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第一章

14話 報復

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 □□
 
 宝物庫で武具を手に入れ、もと来た道を戻る。
 先ほどまでヤカン魔神が暴れて震動していた通路は静まり返っていた。
 (カミルがうまくヤカンを誘導して行ったようだな。まあ、その先の住人には気の毒だが、俺にとっては好都合だ)
 天井が崩落した場所から先へは、完全に崩れ落ちて、もう容易に進んでいけそうになかったが、代わりに空が見えている。
 (階段まで行く必要はない)
 エリヤは宝物庫から持ち出した武器や防具を風の魔術で台車ごと浮かせて上空に飛ばし、
 魔力で見えない布を敷き、自分自身を布ごと持ち上げた。
 (軽い)

 つい先刻までろくに魔術も使えなかったのがウソのように、魔力が自在に扱える。
 カミルとの対峙が予想以上にエリヤを成長させていた。
 (散々な目にあわされたが、訓練の一環だったと考えれば悪くなかった。仕返しリストからはずしてやっても良い)
 目下仕返しリストにはエリヤが天界送りになる原因になった人間と、天界送りにした魔界王ナダは外されずに残っている。
 浮かび上がって通路から出ると、ヤカン魔神ハテナが破壊した建物の瓦礫があるばかりで、周囲に住人は見当たらない。

 (ヤツは何処まで行ったんだ?)
 エリヤがヤカン魔神ハテナを探す。
 (ヤツは天界からの脱出方法を知っている。どうにかして吐かせてやる)
 崩落した通路を空から辿る。
 (ヤツはカミルを追っていった。上空からなら見つけやすい)
 地下通路が集中的に崩落しているのは、カミルを捕まえようと魔神が追いかけたからと、エリヤは当たりをつけた。

 さらに上へ跳ぶ。
 するとエリヤの目に住人がかたまって避難しているのが映った。
 表情まではわからない。
 その先で住人と交戦中のヤカン魔神を見つける。

 (見つけた、あれだ!)

 □□

 カミルを食らうため追って暴れていたヤカン魔神の背後から、突如無数の剣や槍が突き刺さる。
『ぎゃああああ!』

 上がった悲鳴に、交戦中だった住民たちからどよめきが沸き上がる。

 エリヤが、その場で宝物庫で手に入れた武器を魔神に向かって投擲したのだ。
 武器の中にはエリヤの魔術も雑ざっている。

 住人たちの歓声の中、悲鳴をあげながら振り返るヤカン魔神ハテナの視界にエリヤが入った。

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