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第一章
21話 逃走
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□□
あの後俺が見つけることが出来たのは、どういうわけか俺に付いて回っている、この銀色の子犬だけだ。
結局ヤカン坊魔神は見つけることが出来ずじまい。
勢い込んで槍に魔力をつぎ込んだのに、失った魔力は魔障壁分しか戻ってこなかった。
消滅を免れただけでも良かったかもしれないし、ヤツに相当なダメージも与えたはずだが、砕かれたジルの仕返しとしては足りない気がした。
「これじゃ脱出したところでナダにだって勝てねえ」
俺を天界送りにした魔界王の一人『ナダ』
いや、そもそもの元凶はあの人間だ。
思い出すと怒りが再燃してきた。
俺の名前の由来。
〈エリヤ〉
仲間らしき人間から、そう呼ばれていた剣使いの男。
最初の獲物に選んだ俺を返り討ちにした。
「ここでこうしていても仕方がない」
力を手に入れるためのヒントが無いか、もう一度武器を保管していた宝物庫へ戻ろうと立ち上がった。
すると、遠くに俺を呼ぶ声が聞こえる。
『エリヤーーー!』“エリヤ!”“いたいた!エリヤ見っけ”
声のする方を見上げると、ヤカン坊魔神に砕かれたはずのエメラルド色の精霊ジルと、他の精霊たちが一緒に飛んできた。
「ジル!」
精霊たちが助けを求めて、どうにかジルを復活させるのに成功したらしい。
さらに周囲からサルティエラの住人たちが、声をあげながら集まってきた。
『こっちだ!』『落ちたのはこの辺だ』
魔神の姿が見えなくなった後、戦いの音も止んだので様子を見に来たらしい。
『宴会の準備だ!』
良く聞こえないが、気の早い連中が宴会だと騒いでいる。
『……様のご帰還…!』
(ああ、なるほど。ジルを復活させた偉いヤツも来てるんだな)
急に騒がしくなって来て、俺が場から逃げ出そうとすると、犬とジル、精霊たちに囲まれてしまった。
『エリヤ!逃がさないよ!キミも宴会に参加しなくっちゃ』
「なんで俺が」
『暴走しちゃったハテナさんを止めたのはキミだし、それに』
ジルが他にも何か言おうとしたとき、サルティエラの住人が俺たちを見つけた。
『いたぞ!』
「冗談はやめてくれ!」
(魔界生まれの俺に天界の住人たちに囲まれる宴会に参加しろなんて、どんな拷問だ!)
俺は慌てて上空へ飛び上がり、ジルたちを振り切って逃走することにした。
あの後俺が見つけることが出来たのは、どういうわけか俺に付いて回っている、この銀色の子犬だけだ。
結局ヤカン坊魔神は見つけることが出来ずじまい。
勢い込んで槍に魔力をつぎ込んだのに、失った魔力は魔障壁分しか戻ってこなかった。
消滅を免れただけでも良かったかもしれないし、ヤツに相当なダメージも与えたはずだが、砕かれたジルの仕返しとしては足りない気がした。
「これじゃ脱出したところでナダにだって勝てねえ」
俺を天界送りにした魔界王の一人『ナダ』
いや、そもそもの元凶はあの人間だ。
思い出すと怒りが再燃してきた。
俺の名前の由来。
〈エリヤ〉
仲間らしき人間から、そう呼ばれていた剣使いの男。
最初の獲物に選んだ俺を返り討ちにした。
「ここでこうしていても仕方がない」
力を手に入れるためのヒントが無いか、もう一度武器を保管していた宝物庫へ戻ろうと立ち上がった。
すると、遠くに俺を呼ぶ声が聞こえる。
『エリヤーーー!』“エリヤ!”“いたいた!エリヤ見っけ”
声のする方を見上げると、ヤカン坊魔神に砕かれたはずのエメラルド色の精霊ジルと、他の精霊たちが一緒に飛んできた。
「ジル!」
精霊たちが助けを求めて、どうにかジルを復活させるのに成功したらしい。
さらに周囲からサルティエラの住人たちが、声をあげながら集まってきた。
『こっちだ!』『落ちたのはこの辺だ』
魔神の姿が見えなくなった後、戦いの音も止んだので様子を見に来たらしい。
『宴会の準備だ!』
良く聞こえないが、気の早い連中が宴会だと騒いでいる。
『……様のご帰還…!』
(ああ、なるほど。ジルを復活させた偉いヤツも来てるんだな)
急に騒がしくなって来て、俺が場から逃げ出そうとすると、犬とジル、精霊たちに囲まれてしまった。
『エリヤ!逃がさないよ!キミも宴会に参加しなくっちゃ』
「なんで俺が」
『暴走しちゃったハテナさんを止めたのはキミだし、それに』
ジルが他にも何か言おうとしたとき、サルティエラの住人が俺たちを見つけた。
『いたぞ!』
「冗談はやめてくれ!」
(魔界生まれの俺に天界の住人たちに囲まれる宴会に参加しろなんて、どんな拷問だ!)
俺は慌てて上空へ飛び上がり、ジルたちを振り切って逃走することにした。
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