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第一章
23話 逃がさない
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□□
『ハッサク!こんなところにいたんだね』“ハッサク、さっき何か食べてた”
しばらくしてジルと精霊たちが銀色の子犬を連れて俺のところにやって来た。
「寿司だろ。住人の誰かから貰ったんだ」
チビで弱そうに見えたが、腹が満腹になったんだろう。
元気一杯に尾をバタバタさせている。
いつの間にか〈ハッサク〉と、名前までつけられている。
そんなことより、俺にとって重要なのは天界からの脱出だ。
魔神ハテナはどうやって天界から出るつもりだったのか。
ヤツが出口を知っていたなら、なぜすぐ出なかったのか。
力をつけるなら脱出してからでも良かったはずだ。
答えは簡単。
出口はサルティエラの外にあるからだ。
俺たちのような魔界生まれにとって天界の空気は毒だ。
だが魔力が大きければ、消滅までいくらかは時間が稼げる。
ヤツは魔界王を倒すための力と、脱出のために必要な力、両方を獲得する一石二鳥を狙っていたに違いない。
(ジルからせしめた液体の効果が、街の外でも十分にあるのが確認できれば、天界からの脱出は難しくないはずだ)
俺は記憶を手繰り、北にある出口を探すことに決め、ゆっくりと立ち上がった。
(ジルたちが子犬に気を取られている今のうちに出よう)
『エリヤ!街の外に行きたいのならボクたちも一緒に行くよ』
“一緒一緒!”“そうそう!一緒”
てっきり止められると思っていた俺は驚いた。
「良いのか?街の外に出ても」
『キミに逃げられるよりはいいよ』
“そうそう!”“今度は逃がさないの!”
どうやら俺を見張るために付いてくる気らしい!
俺はどうやってそれを断り一人で街の外に出れるか考えを巡らせる。
するとそれを見透かしたジルが
『キミはどうしてそんなにここを出ようとするの』
「決まってるだろ!たとえサルティエラの空気の毒が天界の中ではマシだとしても、いずれは毒にやられて俺は消滅する」
『キミ、それ本気で言ってるの?』
ジルに言われて俺は困惑する。
天界の空気は俺にとって毒なんだ。
それはこの天界都市サルティエラでも同じだ。
『本当に?』
ジル、お前は何が言いたいんだ。
俺に何を言わせたいんだ。
確かに少しばかり今は楽だが、それは戦っている時に比べればってヤツだ。
俺は話題を変えるためもあって、気になっていたことを聞いてみることにした。
「そういえばジル!お前が復活できたのは創造神イルミナや天使長とかのおかげなのか?」
住民たちが敬称をつけて呼ぶ声も聞こえていたしな。
『やだなー、キミのおかげに決まってるじゃないか!イルミナ様はそんなに暇じゃないんだよ』
「俺?」
(なんのことだ)
『ゼリュース様』
住民が親しげな表情で近づいてきた。
俺はゼリュース様とやらが近くにいることに気がついて振り返った。
(なんだ?誰もいないぞ)
『お疲れとは思いますが、宴の主役なのですから、ささこちらへ!皆が待っておりますよ!ゼリュース様』
そう言うと住人の男がぐいっと俺の手を引いた。
『ハッサク!こんなところにいたんだね』“ハッサク、さっき何か食べてた”
しばらくしてジルと精霊たちが銀色の子犬を連れて俺のところにやって来た。
「寿司だろ。住人の誰かから貰ったんだ」
チビで弱そうに見えたが、腹が満腹になったんだろう。
元気一杯に尾をバタバタさせている。
いつの間にか〈ハッサク〉と、名前までつけられている。
そんなことより、俺にとって重要なのは天界からの脱出だ。
魔神ハテナはどうやって天界から出るつもりだったのか。
ヤツが出口を知っていたなら、なぜすぐ出なかったのか。
力をつけるなら脱出してからでも良かったはずだ。
答えは簡単。
出口はサルティエラの外にあるからだ。
俺たちのような魔界生まれにとって天界の空気は毒だ。
だが魔力が大きければ、消滅までいくらかは時間が稼げる。
ヤツは魔界王を倒すための力と、脱出のために必要な力、両方を獲得する一石二鳥を狙っていたに違いない。
(ジルからせしめた液体の効果が、街の外でも十分にあるのが確認できれば、天界からの脱出は難しくないはずだ)
俺は記憶を手繰り、北にある出口を探すことに決め、ゆっくりと立ち上がった。
(ジルたちが子犬に気を取られている今のうちに出よう)
『エリヤ!街の外に行きたいのならボクたちも一緒に行くよ』
“一緒一緒!”“そうそう!一緒”
てっきり止められると思っていた俺は驚いた。
「良いのか?街の外に出ても」
『キミに逃げられるよりはいいよ』
“そうそう!”“今度は逃がさないの!”
どうやら俺を見張るために付いてくる気らしい!
俺はどうやってそれを断り一人で街の外に出れるか考えを巡らせる。
するとそれを見透かしたジルが
『キミはどうしてそんなにここを出ようとするの』
「決まってるだろ!たとえサルティエラの空気の毒が天界の中ではマシだとしても、いずれは毒にやられて俺は消滅する」
『キミ、それ本気で言ってるの?』
ジルに言われて俺は困惑する。
天界の空気は俺にとって毒なんだ。
それはこの天界都市サルティエラでも同じだ。
『本当に?』
ジル、お前は何が言いたいんだ。
俺に何を言わせたいんだ。
確かに少しばかり今は楽だが、それは戦っている時に比べればってヤツだ。
俺は話題を変えるためもあって、気になっていたことを聞いてみることにした。
「そういえばジル!お前が復活できたのは創造神イルミナや天使長とかのおかげなのか?」
住民たちが敬称をつけて呼ぶ声も聞こえていたしな。
『やだなー、キミのおかげに決まってるじゃないか!イルミナ様はそんなに暇じゃないんだよ』
「俺?」
(なんのことだ)
『ゼリュース様』
住民が親しげな表情で近づいてきた。
俺はゼリュース様とやらが近くにいることに気がついて振り返った。
(なんだ?誰もいないぞ)
『お疲れとは思いますが、宴の主役なのですから、ささこちらへ!皆が待っておりますよ!ゼリュース様』
そう言うと住人の男がぐいっと俺の手を引いた。
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