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第一章
26話 クラリス
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□□
『ごめんね』
話を聞き終えて沸き上がった俺の怒りの感情をジルは自分に向けられたものだと思っているのか。
あらかた事情を聞き終え再開された宴会で、会場が再び賑わっているなかジルが殊勝な表情で謝る。
これまでと違うジルの表情に俺は戸惑った。
ルビー色とサファイア色の精霊は、住人たちと夢中で遊んでいる。トパーズ色の精霊だけしばらくこちらを気にするのが見えていたが、直に住人たちと宴会に紛れて見えなくなっていた。
しょんぼりとした表情のまま、ジルが言った。
『キミがいない間、ボクらじゃハテナさんの中に募る不満を消してあげることが出来なかった』
ジルに俺を責めるつもりはない。
だがイルミナ。
あの女神は違う。
ハテナの暴走に気づいていたイルミナは、俺にヤツの始末をつけさせるために受け入れた。
(あの女神なら自分でどうとでも始末をつけれたはずだ)
俺にはここでの記憶がないにも関わらず、イルミナがあえてハテナの暴走に今日まで目を瞑り続けたことが容易に想像できた。
「どうしてイルミナの言いなりになったんだ!」
俺は無性に腹が立って、ジルを怒鳴り付けた。
『ここにキミを連れ帰りたかった』
ジルが泣きそうになって顔を歪めた瞬間、トパーズ色の精霊が俺の鳩尾めがけて頭から猛スピードで突っ込んできた。
“ゼリュースーーー!!”
突然のことで避けきれなかった俺は、思いの外強い力に吹っ飛ばされてそのまま、宴会場の壁に派手にぶつけられた。
ドカッ!!
「なぁっ?!」
(ウソだろ。このトパーズ、ちびのクセになんてパワーだよ!)
“クラリスたち頑張った!ジルも頑張った!ゼリュース感謝しろ”
痛かったのか別の理由なのか、目に涙をためてトパーズ色の精霊、クラリスが言い放った。
どうやらジルを庇いに来たらしい。
宴会場の賑やかな音でほとんどの住人は気づかず宴会は続いている。
それでも数人が気づいて寄ってきた。
『ゼリュース様!大丈夫ですか』
『クラリス様!一体何を?』
俺は立ち上がるのを手助けしようとする住人の手を断った。
「頑張ったからなんだ!砕かれて消滅させられるとこだったんだぞ!」
“それは!母様が……”
「その『母様』は、こんなまどろっこしい仕掛けなんかしなくてもハテナの暴走をどうにか出来たのに、しなかったんだ」
俺は自分が天界から去って、サルティエラがどうなっていくのか考えなかったことを棚にあげている。
だが仕方ないだろう?
俺にはゼリュースとしての記憶も、責任感も無いのだから。
それと、これも言っておく必要があるだろう。
「ジル!ヤカン野郎の暴走を止められなかった原因が自分たちにあるなんて、とんでもない勘違いだからな!」
これにジルではなくクラリスの方が反応した。
何かしら思うところがあった可能性が高い。
「ハテナは魔界の王に自分が取って変わろうっていう野望を持ってたからな。あれは暴走なんかじゃない、元々そういう奴らが、魔界の王に罰として天界に跳ばされてるっていう前提を忘れるな!」
そう、ここにイルミナの介入が見え隠れしてやがる。
ジルは言った。
良いも悪いも関係なく、魔界と天界は価値基準が違うのだと。
魔界での悪が天界でも悪とは限らない。
だから『天界都市サルティエラ』はイルミナの慈悲で創られた。
だが、あの魔神ハテナは果たしてそれに適合していたか?
俺の答えはノーだ。
『ごめんね』
話を聞き終えて沸き上がった俺の怒りの感情をジルは自分に向けられたものだと思っているのか。
あらかた事情を聞き終え再開された宴会で、会場が再び賑わっているなかジルが殊勝な表情で謝る。
これまでと違うジルの表情に俺は戸惑った。
ルビー色とサファイア色の精霊は、住人たちと夢中で遊んでいる。トパーズ色の精霊だけしばらくこちらを気にするのが見えていたが、直に住人たちと宴会に紛れて見えなくなっていた。
しょんぼりとした表情のまま、ジルが言った。
『キミがいない間、ボクらじゃハテナさんの中に募る不満を消してあげることが出来なかった』
ジルに俺を責めるつもりはない。
だがイルミナ。
あの女神は違う。
ハテナの暴走に気づいていたイルミナは、俺にヤツの始末をつけさせるために受け入れた。
(あの女神なら自分でどうとでも始末をつけれたはずだ)
俺にはここでの記憶がないにも関わらず、イルミナがあえてハテナの暴走に今日まで目を瞑り続けたことが容易に想像できた。
「どうしてイルミナの言いなりになったんだ!」
俺は無性に腹が立って、ジルを怒鳴り付けた。
『ここにキミを連れ帰りたかった』
ジルが泣きそうになって顔を歪めた瞬間、トパーズ色の精霊が俺の鳩尾めがけて頭から猛スピードで突っ込んできた。
“ゼリュースーーー!!”
突然のことで避けきれなかった俺は、思いの外強い力に吹っ飛ばされてそのまま、宴会場の壁に派手にぶつけられた。
ドカッ!!
「なぁっ?!」
(ウソだろ。このトパーズ、ちびのクセになんてパワーだよ!)
“クラリスたち頑張った!ジルも頑張った!ゼリュース感謝しろ”
痛かったのか別の理由なのか、目に涙をためてトパーズ色の精霊、クラリスが言い放った。
どうやらジルを庇いに来たらしい。
宴会場の賑やかな音でほとんどの住人は気づかず宴会は続いている。
それでも数人が気づいて寄ってきた。
『ゼリュース様!大丈夫ですか』
『クラリス様!一体何を?』
俺は立ち上がるのを手助けしようとする住人の手を断った。
「頑張ったからなんだ!砕かれて消滅させられるとこだったんだぞ!」
“それは!母様が……”
「その『母様』は、こんなまどろっこしい仕掛けなんかしなくてもハテナの暴走をどうにか出来たのに、しなかったんだ」
俺は自分が天界から去って、サルティエラがどうなっていくのか考えなかったことを棚にあげている。
だが仕方ないだろう?
俺にはゼリュースとしての記憶も、責任感も無いのだから。
それと、これも言っておく必要があるだろう。
「ジル!ヤカン野郎の暴走を止められなかった原因が自分たちにあるなんて、とんでもない勘違いだからな!」
これにジルではなくクラリスの方が反応した。
何かしら思うところがあった可能性が高い。
「ハテナは魔界の王に自分が取って変わろうっていう野望を持ってたからな。あれは暴走なんかじゃない、元々そういう奴らが、魔界の王に罰として天界に跳ばされてるっていう前提を忘れるな!」
そう、ここにイルミナの介入が見え隠れしてやがる。
ジルは言った。
良いも悪いも関係なく、魔界と天界は価値基準が違うのだと。
魔界での悪が天界でも悪とは限らない。
だから『天界都市サルティエラ』はイルミナの慈悲で創られた。
だが、あの魔神ハテナは果たしてそれに適合していたか?
俺の答えはノーだ。
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