真実の愛を見つけたから婚約破棄をしたい?どうぞご自由になさってください。ところで公爵様、どうして私にかまうんですか?

ルー

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本日2話目です。
することがないので今日は更新頑張ります。


―――――――――――――――――――――――



「うふふ、これで認めてくれるかしら?」

どこかの大きな街の大きなお屋敷、領主の屋敷だろうか、そこの一室で、可愛らしいドレスに身を包んだ女性が壊れた笑みを浮かべていた。

「うふふ!!」

壊れたように笑い続ける女性はそのままキングサイズのベットに寝転がる。

「お嬢様、失礼します。」

トントンと扉が叩かれ、外から侍女が声をかける。

部屋の主の返事を聞かず、侍女は部屋の中に入って来た。

「お嬢様、はしたないですよ。そんなんだからいつになっても婚約話が上がってこないのですよ。」

「っ!!」

息をつまらせた女性は身を起こすと怒鳴りつけた。

「何よ!!この私の魅力が分からないとでも!?」

「いいえ、普通の貴族令息には理解できない領域の魅力なのですね。」
(普通の貴族令息には理解不能なほどの魅力にすらならない魅力ですね)

侍女は笑顔で毒を吐く。

しかし女性はそれに気づかず、気分がよさそうに笑った。

「うふふ、あなたにもわかるかしら?ああ、早く振り向いてくれないかしら?」

侍女はどこか呆れたように礼をして、そのまま何も言わずに部屋から出て行った。











「お嬢様は相変わらず?」

控室に戻った侍女に同僚の侍女が声をかける。

「相も変わらずね。ほんとあんなんでよく自分に魅力があるとか思っているわよね。頭の中大丈夫かしら?」

本人のいないところで侍女たちは主人の娘の悪口を言う。

「大丈夫じゃないんじゃないかしら?」

「あれでも学園は卒業しているのでしょう?」

「下の下の成績でね。」

「あれで釣り合うとでも思ってるのかしら?」

侍女たちはクスクスと笑いながら話す。

「旦那様にばれたら怒られるだけでは済まなさそうね。」

「修道院行きなんじゃない?」

「それは軽すぎでしょう?いろんなものを偽っていたそうでしょ?」

「私、もし捜査の人とかが来たら全部話すわ。帝国を敵に回したくないもの。」

「私も。ここまでお嬢様について行ったんだからもう勘弁してほしい。」

侍女たちは顔を顰める。

「そういえばお嬢様、まだ何か考えているみたいよ。今度はあの女を殺してやるって息巻いてるみたい。」

一人の侍女の言葉に会話に火が付く。

「あの女って・・・。どっち?」

「決まってるじゃない。お嬢様にとって邪魔なのはリリアナ殿下じゃないでしょ?」

「確かに・・・。ということは、お嬢様、まさか第三王子殿下の庇護を受けているビビアン男爵家のルシアさんを殺すっていうの!?」

「ちょっと、声が大きいわ。まあ、そういうことなんでしょうね。もしお嬢様がそれを実行するのだとしたら、この家はもう終わりね。」

「そんなときに旦那様は紹介状なんて書いてくれなさそうだし、今のうちにやめておくのが吉かな。」

「そうよねー。もう私お嬢様に振り回されたくないのよ。」

「そこはお嬢様のいうこと聞きたくないってガツンと言っちゃいなよー!」

侍女たちはおしゃべりに花を咲かせる。

「あ、あのー。お姉様方、一体何の話をされているのですか?」

そこにあらわれたのは侍女服を着た可愛らしい少女。

おどおどとしているが仕事は完璧で、先輩である侍女たちをお姉様と呼び慕っている。

「あらリイナ。もう終わったの?」

「はい!」

リイナは大きくうなづく。

「仕事が速いわね。さ、リイナ。扉を閉めてちょうだい。」

「え?扉ですか?わかりました。」

リイナは控室の扉を閉める。

「なんの話をしていたのかだよね?お嬢様のことよ。」

「ええと、エニシャお嬢様ですか?」

「それしかないでしょう?今この家に残ってるアマリモノは。」

「ちょっとー、お嬢様にばれたらとんでもないわよ。」

なかまの侍女を窘めながらも他の侍女たちは笑っている。

「え?親の力がなければ何一つまともなことができないのに?お嬢様を市井に放り出したら次の日には死んでいるんじゃない?」

「それは言いすぎでしょ。野垂れ死ぬにしても二日ぐらいは生きてるでしょ?いうならやばい男に拾われてやばい所でやばいことさせられてるでしょ。」

「やばいって何よ?」

「ええ?リイナちゃんのいるところで話す話じゃないでしょ?下世話な話よ。」

「ああ、あれね。」

その一連の話を聞きながら、リイナは唖然とした顔をせず、ただ無言で空中を見つめていた。

「まあ、とりあえず、お嬢様が実行するって言いだしたら私は逃げるわ。」

「私も。リイナは?」

リイナに話がふられ、首を傾げたままリイナは答えた。

「ええと、お姉様方が逃げるのでしたら私もついていきます。」






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