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あの日ーアイザックが皇族を全員集めた日ーから一週間が経ち、その日皇帝アイザック・フィルア・ルディスラは第一皇女ハル・フィルア・ルディスラと面会していた。
「何かみつかったか?」
「ルース家に侍女として潜入させた者からの報告ですが、エニシャ・ルースは犯人であることに間違いはありません。」
迷うことなく言い切るハルにアイザックは顔を顰めた。
「断定できるのか?」
「はい、これを。」
ハルは持っていた小包を渡す。
箱を開けたアイザックは中身を見て瞠目した。
「いつ、こんなものを手に入れた?」
「総帥の権限で作らせました。」
「これは録音機か?盗聴器か?」
「盗聴器は違法ですので録音機です。」
アイザックは録音機を起動させる。
『でも、お嬢様も昔はあんな性格じゃなかったのにね。』
『ほんとに。あんなことを命令してくるなんて正気の沙汰じゃないわ。』
『ええ?お嬢様、なにやらかしたんですか?』
『なんかねぇ、第三王子殿下のために名前を偽ってとある宿に泊まって、お金を払わないで帰って来たらしいのよ。』
『それがどうして第三王子殿下のためになるんですか?』
『第三王子殿下のためっていうよりは国のためなのかしら?なんか偽った名前がリリアナ・フィルア・ルディスラ殿下、つまりルディスラ帝国の愛され姫だったのよね。帝国のお姫様が泥棒しましたなんて汚点でしかないから、国がそこをつけるようになのかしらね?つまりあれよ、同盟破棄だけはさせたくないからその布石じゃないの?』
『あんな馬鹿がそこまで考えてる?』
『え?それって国王様のこと?お嬢様のこと?』
『お嬢様に決まってるでしょ。国王様にそんなこと言えないわよ。不敬罪で捕まるわ。』
録音はそこまでだった。
「これは・・・。間違いないな。いらないところは加工して・・・。」
「加工はしない方が良いと思いますよ。なんせ国王に話すときはその侍女たちにも来てもらうことにしてますので。証言、言質をとるためですので、加工してしまえば意図的に加工して、都合のよくないところをカットしたとみられ信用してもらえなくなりますからね。」
ハルの正論にアイザックはうなづいた。
「その通りだな。この録音機はハルが持っていてくれ。」
「わかりました。」
アイザックは小包に包みなおすと、ハルに渡した。
「ところで、いつ頃その説明とやらをするのですか?それまでにあちらの侍女たちに話を通しておきたいのです。」
「そうだな・・・国王と話し合って決めるから、まだわからないが・・・。会場はどちらがいい?」
「皇宮か王宮か、ですよね。当然王宮です。その方が誘い出しやすいですから。その代わり会場には専用テレポートの魔道具をつけさせていただきます。何かあったときにすぐに兵を送り込めるようにするためです。」
「いいだろう。」
皇帝の部下として接するハルにアイザックは目を細めた。
「それでは失礼いたしました。」
ハルは頭を下げると退室した。
ハルを見送ったあとアイザックは自らがペンを持ち、ヴァイン王国国王宛の手紙を書き始めた。
「何かみつかったか?」
「ルース家に侍女として潜入させた者からの報告ですが、エニシャ・ルースは犯人であることに間違いはありません。」
迷うことなく言い切るハルにアイザックは顔を顰めた。
「断定できるのか?」
「はい、これを。」
ハルは持っていた小包を渡す。
箱を開けたアイザックは中身を見て瞠目した。
「いつ、こんなものを手に入れた?」
「総帥の権限で作らせました。」
「これは録音機か?盗聴器か?」
「盗聴器は違法ですので録音機です。」
アイザックは録音機を起動させる。
『でも、お嬢様も昔はあんな性格じゃなかったのにね。』
『ほんとに。あんなことを命令してくるなんて正気の沙汰じゃないわ。』
『ええ?お嬢様、なにやらかしたんですか?』
『なんかねぇ、第三王子殿下のために名前を偽ってとある宿に泊まって、お金を払わないで帰って来たらしいのよ。』
『それがどうして第三王子殿下のためになるんですか?』
『第三王子殿下のためっていうよりは国のためなのかしら?なんか偽った名前がリリアナ・フィルア・ルディスラ殿下、つまりルディスラ帝国の愛され姫だったのよね。帝国のお姫様が泥棒しましたなんて汚点でしかないから、国がそこをつけるようになのかしらね?つまりあれよ、同盟破棄だけはさせたくないからその布石じゃないの?』
『あんな馬鹿がそこまで考えてる?』
『え?それって国王様のこと?お嬢様のこと?』
『お嬢様に決まってるでしょ。国王様にそんなこと言えないわよ。不敬罪で捕まるわ。』
録音はそこまでだった。
「これは・・・。間違いないな。いらないところは加工して・・・。」
「加工はしない方が良いと思いますよ。なんせ国王に話すときはその侍女たちにも来てもらうことにしてますので。証言、言質をとるためですので、加工してしまえば意図的に加工して、都合のよくないところをカットしたとみられ信用してもらえなくなりますからね。」
ハルの正論にアイザックはうなづいた。
「その通りだな。この録音機はハルが持っていてくれ。」
「わかりました。」
アイザックは小包に包みなおすと、ハルに渡した。
「ところで、いつ頃その説明とやらをするのですか?それまでにあちらの侍女たちに話を通しておきたいのです。」
「そうだな・・・国王と話し合って決めるから、まだわからないが・・・。会場はどちらがいい?」
「皇宮か王宮か、ですよね。当然王宮です。その方が誘い出しやすいですから。その代わり会場には専用テレポートの魔道具をつけさせていただきます。何かあったときにすぐに兵を送り込めるようにするためです。」
「いいだろう。」
皇帝の部下として接するハルにアイザックは目を細めた。
「それでは失礼いたしました。」
ハルは頭を下げると退室した。
ハルを見送ったあとアイザックは自らがペンを持ち、ヴァイン王国国王宛の手紙を書き始めた。
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