18 / 46
17.隠しきれない所有欲
しおりを挟む
「お前! 最近、いろんなとこ噛みすぎ!!」
リックは部屋に入るなり、涼しい顔で本のページを捲るレイを問い詰めた。
夏休みも終わり、今日から新学期がスタートする。リックも既に実家から戻ってきており、身支度を整えていたらこれだ。背中に治りきっていない噛み跡がある。
最近のレイは首筋以外の場所を噛むことにハマっているのか、首筋やうなじのみならず、手首や肩などを噛んでくる。この前は服をひん剥かれ、脇腹を噛まれそうになった。抵抗しようと足を跳ね上げたらレイの顔面に直撃し、最終的には激怒したレイに脇腹を噛まれたわけだが、いろんなところを噛む癖がついてしまったせいか、傷の治し忘れも多い。
この前は「兄ちゃん、首のとこどうしたの? 怪我でもした?」と、セイラに言われてしまった。その後もマイやミイに赤い痕があると言われ、誤魔化すのが大変だった。
そんなわけで、最近は入浴にすら気を使う。さっきまで寝汗を流すべく脱衣所で服を脱いでいたのだが、肩甲骨のあたりに大きな噛み跡があることに気付いて、急いで部屋に戻ってきた。だというのに、当の本人は自分には関係ないことだと取り付く島もない。
リックはレイの方に歩み寄ると、読んでいた本をひったくった。
「おい!」
「せめて、傷だけはちゃんと治してくれ! 恥ずかしくて風呂にも行けねぇ……」
「なぜ? 噛み跡があると恥ずかしいのか?」
「……それは、まぁ……」
普通、人間の体に噛み跡や鬱血の痕などない。日常生活を送っている中で、そういった傷が付くことはないのだ。ただひとつ、あるとすれば、
(えっ…………………ちなこととか、そういうことでもすりゃあ、痕がつくことはあるかもしんねぇけど……)
恋人がいないリックにとって、性的接触など縁遠い話だ。だから、人から勘違いされるような噛み跡や鬱血の痕があるのは困る。
「とにかく、背中の傷を治してくれ!」
「分かった。ならば、服を脱げ」
「はぁ!?」
「傷に触れないと治せん」
いけしゃあしゃあと言ってのけた男に、リックはぷるぷると握り拳を震わせる。
そうだった。レイは人間ではない。吸血鬼だ。人間が持つような羞恥心がなくても、なんら不思議ではない。
そうリックは己に言い聞かせると、シャツのボタンを外し、右肩の袖を抜いた。
やけに衣擦れの音が響いて、ちょっと恥ずかしい。レイに背中を向けるのも少し恥ずかしかった。
「あぁ、ここだな」
レイの冷たい手が背中に這う。スッと人撫でされたのと同時に鈍痛が消えた。かと思いきや、ぐっと体を引かれてレイの腕に捕まった。
「ちょ、なにしてんの? お前?」
「いや、うまそうだな、と」
「馬鹿! 今日はダメだ!!」
「前回吸ってから、もう三日は経っている」
「まだ三日だろ!? 本当にダメだって……!」
ちゅ、ちゅっと肩や首に唇を押し当てられ、軽く皮膚を吸われる。まるで、母乳をせがむ赤子みたいだ。
鋭い牙が軽く皮膚を引っ掻いて、ひぅ、と情けない声が出る。
レイはリックの耳たぶを撫でながら、肩に牙を突き刺した。
「んっ…ぅ、」
「……今日もあまいな…っ」
「その……耳、撫でるのやめろっ……!」
「それは……無理な願いだな……」
「あっ、ん……」
レイ曰く、吸血しながら他の場所を撫でると、より血液が甘くなる、らしい。最悪な情報すぎるし、そんなことは知りたくもなかったが、レイに血を吸われながら体のいろんな場所を撫でられると、痛みよりも快楽の方を強く感じるのは確かだ。
気持ちよさで痛みが紛れると言えばいいだろうか。とにかく、変な気分になるからやめてほしい。
(やめてほしい、のに……、もっと、って思っちまう……!)
最近の自分は変だ。血を吸われるなんてまっぴらごめんだと思っていたのに、最近は少しでも日が長く開くと、まだだろうか、と期待している自分がいる。
(これじゃあ、まるで俺がレイに求められるのを待ってるみてぇじゃねぇか……!)
そんなのは死んでも認めたくない。レイに血を吸われて、嬉しい、なんてことは。
「れいっ、も……いい加減、はなせ……!」
「まだだ」
ちゅうっと首や耳たぶにも浅く牙を突き立てられ、血を吸われる。たっぷりと血を吸われ、体を解放されたときには、レイに傷を治してもらったとき以上に背中や首筋が噛み跡だらけだった。
「レ~イ~く~ん?? 分かってるよなぁ?」
ちゃんと全部治せ!! と叫んで、レイに詰め寄る。レイは、いちいち五月蝿い奴だと小言を漏らしながらも、リックの傷跡に手を添えた。
「ちゃんと治したよな?」
「あぁ」
「うなじも肩も耳も?」
念を押して確認すれば、レイが静かに首肯した。
(これでもし残ってたら、ぶん殴ってやる……)
心の中で物騒なことを考えつつ、ワイシャツを着込み、ローブを羽織る。まだローブを着るには暑いが、新学期が始まることもあり、全員着用するようにとのお達しがある。
レイは元々常に体が冷たいためローブを羽織っているが、リックとしては早々に脱ぎたかった。
「まだあっちいのに、着てらんねー」
「そうか? 俺はちょうどいいが」
「お前はな。てか、そろそろ行くぞ。ホームルームが始まっちまう」
珍しく今日はホームルームがある。夏休み初日の今日は課題の提出後にクラス会があった。授業は明日からで、今日は実質クラスメイトたちとの顔合わせの日みたいなものである。
実際、教室に入ると、生徒たちは和気あいあいと談笑していた。
「久しぶりだね、リック」
「ノエル!」
教室に入ると、いつもの定位置にノエルが座っている。リックも普段通りノエルの横に座れば、レイも離れることなくリックの前の席に座った。
「一ヶ月ぶりだな! 元気にしてたか?」
「うん! もちろん。リックは実家に帰ってたの?」
「あぁ、いつも通りだけどな」
「いいじゃない。あっ、僕、お土産買ってきたんだ!」
そう言って、ノエルが鞄の中から取り出したのはクッキー入りの缶だった。
ノエルはノース地方の出身で、北の生まれである。名物のクッキーは帰省のたびに買ってきてくれていて、リックの密かな楽しみだった。
「てか、なんか箱でかくね?」
「レイくんも食べるかなと思って、大きめの買ったんだ。二人で食べてね」
ノエルがにっこりとレイに笑いかける。レイは特に表情を変えることなく、ありがとうとノエルにお礼を言った。
「てかさ、リック。なんか顔赤くない?」
「そ、そうか……?」
さっき、レイに血を吸われたからだろうか。その余韻がまだ残っているのか、体がポカポカしている。体が火照っているといっても、じんわりと熱い程度で、さほど気にならない程度だった。
「うん。あとさ……すごく、言いづらいんだけど……」
「な、なに?」
ノエルが神妙な顔つきで、リックをじっと見つめる。ノエルは柔らかく笑うと、うなじをトントンと指差した。
「赤くなってるよ」
「……っ!?」
ハッとしてレイの方を見る。レイは責任から逃れるかのように、ふいっと顔を逸らした。
「もしかして、夏休み中に恋人でもできた?」
「はぁ!? 違うから! マジでそれはないから!!」
「そう? ついに可愛い彼女でもできたのかと思った」
そう言って、ノエルがケラケラと笑う。
彼女ができたと勘違いしてもらえるのは男冥利に尽きるというか、なんというか。ただ、恥ずかしいものは恥ずかしかった。
「マジで違うからな」
「はいはい。分かったよ。でも……」
ノエルの目がきゅうっと細くなる。ノエルは頬杖をつくと、いまだそっぽを向くレイの方を見た。
「やるなら、バレないよう、ほどほどにね」
リックは部屋に入るなり、涼しい顔で本のページを捲るレイを問い詰めた。
夏休みも終わり、今日から新学期がスタートする。リックも既に実家から戻ってきており、身支度を整えていたらこれだ。背中に治りきっていない噛み跡がある。
最近のレイは首筋以外の場所を噛むことにハマっているのか、首筋やうなじのみならず、手首や肩などを噛んでくる。この前は服をひん剥かれ、脇腹を噛まれそうになった。抵抗しようと足を跳ね上げたらレイの顔面に直撃し、最終的には激怒したレイに脇腹を噛まれたわけだが、いろんなところを噛む癖がついてしまったせいか、傷の治し忘れも多い。
この前は「兄ちゃん、首のとこどうしたの? 怪我でもした?」と、セイラに言われてしまった。その後もマイやミイに赤い痕があると言われ、誤魔化すのが大変だった。
そんなわけで、最近は入浴にすら気を使う。さっきまで寝汗を流すべく脱衣所で服を脱いでいたのだが、肩甲骨のあたりに大きな噛み跡があることに気付いて、急いで部屋に戻ってきた。だというのに、当の本人は自分には関係ないことだと取り付く島もない。
リックはレイの方に歩み寄ると、読んでいた本をひったくった。
「おい!」
「せめて、傷だけはちゃんと治してくれ! 恥ずかしくて風呂にも行けねぇ……」
「なぜ? 噛み跡があると恥ずかしいのか?」
「……それは、まぁ……」
普通、人間の体に噛み跡や鬱血の痕などない。日常生活を送っている中で、そういった傷が付くことはないのだ。ただひとつ、あるとすれば、
(えっ…………………ちなこととか、そういうことでもすりゃあ、痕がつくことはあるかもしんねぇけど……)
恋人がいないリックにとって、性的接触など縁遠い話だ。だから、人から勘違いされるような噛み跡や鬱血の痕があるのは困る。
「とにかく、背中の傷を治してくれ!」
「分かった。ならば、服を脱げ」
「はぁ!?」
「傷に触れないと治せん」
いけしゃあしゃあと言ってのけた男に、リックはぷるぷると握り拳を震わせる。
そうだった。レイは人間ではない。吸血鬼だ。人間が持つような羞恥心がなくても、なんら不思議ではない。
そうリックは己に言い聞かせると、シャツのボタンを外し、右肩の袖を抜いた。
やけに衣擦れの音が響いて、ちょっと恥ずかしい。レイに背中を向けるのも少し恥ずかしかった。
「あぁ、ここだな」
レイの冷たい手が背中に這う。スッと人撫でされたのと同時に鈍痛が消えた。かと思いきや、ぐっと体を引かれてレイの腕に捕まった。
「ちょ、なにしてんの? お前?」
「いや、うまそうだな、と」
「馬鹿! 今日はダメだ!!」
「前回吸ってから、もう三日は経っている」
「まだ三日だろ!? 本当にダメだって……!」
ちゅ、ちゅっと肩や首に唇を押し当てられ、軽く皮膚を吸われる。まるで、母乳をせがむ赤子みたいだ。
鋭い牙が軽く皮膚を引っ掻いて、ひぅ、と情けない声が出る。
レイはリックの耳たぶを撫でながら、肩に牙を突き刺した。
「んっ…ぅ、」
「……今日もあまいな…っ」
「その……耳、撫でるのやめろっ……!」
「それは……無理な願いだな……」
「あっ、ん……」
レイ曰く、吸血しながら他の場所を撫でると、より血液が甘くなる、らしい。最悪な情報すぎるし、そんなことは知りたくもなかったが、レイに血を吸われながら体のいろんな場所を撫でられると、痛みよりも快楽の方を強く感じるのは確かだ。
気持ちよさで痛みが紛れると言えばいいだろうか。とにかく、変な気分になるからやめてほしい。
(やめてほしい、のに……、もっと、って思っちまう……!)
最近の自分は変だ。血を吸われるなんてまっぴらごめんだと思っていたのに、最近は少しでも日が長く開くと、まだだろうか、と期待している自分がいる。
(これじゃあ、まるで俺がレイに求められるのを待ってるみてぇじゃねぇか……!)
そんなのは死んでも認めたくない。レイに血を吸われて、嬉しい、なんてことは。
「れいっ、も……いい加減、はなせ……!」
「まだだ」
ちゅうっと首や耳たぶにも浅く牙を突き立てられ、血を吸われる。たっぷりと血を吸われ、体を解放されたときには、レイに傷を治してもらったとき以上に背中や首筋が噛み跡だらけだった。
「レ~イ~く~ん?? 分かってるよなぁ?」
ちゃんと全部治せ!! と叫んで、レイに詰め寄る。レイは、いちいち五月蝿い奴だと小言を漏らしながらも、リックの傷跡に手を添えた。
「ちゃんと治したよな?」
「あぁ」
「うなじも肩も耳も?」
念を押して確認すれば、レイが静かに首肯した。
(これでもし残ってたら、ぶん殴ってやる……)
心の中で物騒なことを考えつつ、ワイシャツを着込み、ローブを羽織る。まだローブを着るには暑いが、新学期が始まることもあり、全員着用するようにとのお達しがある。
レイは元々常に体が冷たいためローブを羽織っているが、リックとしては早々に脱ぎたかった。
「まだあっちいのに、着てらんねー」
「そうか? 俺はちょうどいいが」
「お前はな。てか、そろそろ行くぞ。ホームルームが始まっちまう」
珍しく今日はホームルームがある。夏休み初日の今日は課題の提出後にクラス会があった。授業は明日からで、今日は実質クラスメイトたちとの顔合わせの日みたいなものである。
実際、教室に入ると、生徒たちは和気あいあいと談笑していた。
「久しぶりだね、リック」
「ノエル!」
教室に入ると、いつもの定位置にノエルが座っている。リックも普段通りノエルの横に座れば、レイも離れることなくリックの前の席に座った。
「一ヶ月ぶりだな! 元気にしてたか?」
「うん! もちろん。リックは実家に帰ってたの?」
「あぁ、いつも通りだけどな」
「いいじゃない。あっ、僕、お土産買ってきたんだ!」
そう言って、ノエルが鞄の中から取り出したのはクッキー入りの缶だった。
ノエルはノース地方の出身で、北の生まれである。名物のクッキーは帰省のたびに買ってきてくれていて、リックの密かな楽しみだった。
「てか、なんか箱でかくね?」
「レイくんも食べるかなと思って、大きめの買ったんだ。二人で食べてね」
ノエルがにっこりとレイに笑いかける。レイは特に表情を変えることなく、ありがとうとノエルにお礼を言った。
「てかさ、リック。なんか顔赤くない?」
「そ、そうか……?」
さっき、レイに血を吸われたからだろうか。その余韻がまだ残っているのか、体がポカポカしている。体が火照っているといっても、じんわりと熱い程度で、さほど気にならない程度だった。
「うん。あとさ……すごく、言いづらいんだけど……」
「な、なに?」
ノエルが神妙な顔つきで、リックをじっと見つめる。ノエルは柔らかく笑うと、うなじをトントンと指差した。
「赤くなってるよ」
「……っ!?」
ハッとしてレイの方を見る。レイは責任から逃れるかのように、ふいっと顔を逸らした。
「もしかして、夏休み中に恋人でもできた?」
「はぁ!? 違うから! マジでそれはないから!!」
「そう? ついに可愛い彼女でもできたのかと思った」
そう言って、ノエルがケラケラと笑う。
彼女ができたと勘違いしてもらえるのは男冥利に尽きるというか、なんというか。ただ、恥ずかしいものは恥ずかしかった。
「マジで違うからな」
「はいはい。分かったよ。でも……」
ノエルの目がきゅうっと細くなる。ノエルは頬杖をつくと、いまだそっぽを向くレイの方を見た。
「やるなら、バレないよう、ほどほどにね」
15
あなたにおすすめの小説
世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました
芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」
魔王討伐の祝宴の夜。
英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。
酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。
その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。
一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。
これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
をち。「もう我慢なんて」書籍発売中
BL
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる