王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

いりん

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第2章 悪役令嬢作戦

悪役令嬢計画②

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最近ずっと碧人様のペースにはまっている感じがする…

このままだと、私は碧人様の片思いを応援するどころか、どんどん好きになってしまう。



私は次の紅茶の授業で、

ある計画に移すことに決めた。



今回の作戦は、

またさつき様にマナーのダメ出しをすることだった。



今回は他のクラスメートがいるため、

もしさつき様が前回のように、

私の指摘をポジティブに受け取ったとしても、

周りがよく思わないだろう。



そして私がさつき様をいじめているという噂が広がり、碧人様の耳にも入るはず…!



ーこれならいける気がする。



さつき様と仲良くなれたので気が引けるが、

今回は失敗しないように、

前回よりもきつくダメ出ししようと心に決めた。



紅茶の時間

こっそり、さつき様を観察していた。



前回呼び出して指摘したことを、

ちゃんと直せているみたいだが、

やっぱり完全ではない。



さつき様は元々貴族ではないため、

この学校に来てからマナーを勉強し始めたので、仕方ないといえば仕方ないんだけどね…



そうは思っているけど、

これは、碧人様のために!と思い切って、

「さつき様、前も言った通り間違っておりますわ!」

と、『前』という言葉を強調して嫌みったらしく言った。



先生でもペアでもない私が、

指摘すること自体がマナー違反なんだけど…



正直以前より大分良くなっていたが、

できている部分も含めて、最初から最後までやり方を伝えた。



できてる部分も偉そうに伝えたら、

嫌な気分になるはず…!



そう思ってさつき様を見ると、

「ありがとうございます!」と満面の笑顔になっていた。



私は内心がっかりしながらも、

今回は周りに人がいるから、嫌な気持ちになった人がいるだろう!

と周りを見渡した。



しかし、みんなキラキラした目でこっちを見ていた。

まさかー、嫌な予感がした瞬間、

「前回よりさつき様が紅茶の入れ方が素晴らしいと思っていたのですが、美姫様がお伝えしたんですね!」

「私も自信がないところがあったので、すごく為になりました」

「さすが美姫様ですわ!」などなど、みんなに褒められてしまった。



救いを求めるために、

先生に目を向けると、先生までキラキラした目でこちらを見つめていて、がっかりしてしまった。
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