王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

いりん

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第2章 悪役令嬢作戦

聖女と幼なじみと4人での食事5

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碧人様が「僕が取ってあげるよ」と微笑みながら手を近づけてきて、

いつの間にか手で口元を拭かれていた。



ー碧人様の手を汚しちゃった!

ティッシュで拭かないと…



と思っているうちに、

そのまま手についたマヨネーズをペロッと、

碧人様が食べてしまった。



ー私が真っ赤になって、慌てていると、



「やっぱり、いつも通り僕があげた方がいいね」と言われて、碧人様が私の口にサンドイッチを持ってきた。



さすがに幼なじみの前で、あーんされるのは恥ずかしすぎる。



チラッと翔の方をみて助けを求めようとしたが、すぐに、

「美姫、あーん」と少し低い声で言われた。



無視するわけにもいかず、

仕方なくパクっと食べたところ、

碧人様は今日初めて笑顔になった。



なんでだろう?

ペットにご飯をあげる感じなのかな?



翔はこっちを見てニヤニヤしていて、

さつき様はなんだか悔しそうにしていた。



さつき様ももしかしたら、碧人様のことが好きなのかもしれない。



良いことなはずなのに、

胸がチクりと痛んだ。
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