22 / 31
第二十二話
しおりを挟む終業式兼パーティーは、少し問題もありましたが、無事に終わりました。今は夏季休暇ですが、休む暇はないです。課題を出されていますし、長期休暇ですから、大がかりな魔法研究もできますから。
「第二皇女殿下、これは」
「それはこの数式を当てはめるとできますよ」
現在はいつもの四人で課題を片付けているところです。とは言え、シグニは教える側なので捗っているか分かりませんけど。
紙の上をペンが走る音が聞こえて、時折質問する声が聞こえてきます。出されている課題も多いとは言えない量ですし、これなら明日には終わりそうです。
「そういえば、皆さんは課外学習どうするんですか?」
ありましたね。主に長子ではない方や研究職希望者のためのものです。ある程度加点にはなりますが、やる必要がないのですよね。十分成績は良いですし。ただ、魔法の研究を好きなだけやれると言うのはとても貴重ですし……。
「シグニはどうするのよ。去年確か魔塔に行ってたでしょ?」
「今年もその予定だよ。友人も連れておいでって言われてるから、行く?」
いつかによって少し予定が……。学院に入ってから中断してた研究を進めないといけないですし、論文も書かないとです。それと、知り合いの方々に連絡しないといけなくて、別の魔法研究の手伝いも頼まれていますし。
「溜め込むクセ、治しなさい?」
「わ、分かってはいるんですよ……?」
けど、その、魔法は楽しいですし、やりたくてやってますから。気が付いたら仕事が山積みになってるだけなんです。いつもはもっとちゃんと処理できてるんです。まだ学院生活に慣れてませんでしたし、次の学期からは大丈夫です。
「第二皇女殿下はどんな研究をしてるんですか?」
「天体についてです。それと、人によって扱える魔法が異なる理由についてですかね。親子でも魔法属性が違うこともありますから」
天体に関しては、完全に私の趣味なんですけれどね。星が好きなので。魔法属性に関しては、とある人から聞いて興味が沸いたからです。一卵性双生児であるルーチェと私でも魔法属性は異なりますからね。これは調べないとと研究者としての血が騒ぎます。
「研究に精を出すのはいいけれど、ちゃんと食事と睡眠も取りなさいよ?」
「分かってますよ」
前にそれで研究室を封じられたの、根に持ってるんですからね。ちょっと集中しすぎて食事や睡眠を忘れてしまっただけなのにです。酷いと思いませんか。ちゃんと魔法で体調管理しているから倒れることはないというのにですよ?
「いつの間にか研究室で干からびていたりしそうで怖いのよ」
「さすがにそんなことは……」
ないはず、です。自信はありません。【時詠み】様に昔、研究に没頭しすぎて栄養失調で亡くなった魔塔所属者がいると聞いたことがあります。さすがにそんなことしないと思いますが、いつかやりそうです。
「ご無理はなさらないでくださいね」
「無理よ。無理はしていないって言いながらいつの間にか餓死の一歩手前にいるんだもの」
あのときは、はい。ごめんなさい。研究に没頭しすぎました。まさか研究室に篭って一週間も経っているとは思ってなかったんです。あれ以来お母様が心配して一時間に一回見回りを寄越すようになったんですよね。さすがに心配かけすぎました。反省はしているんです。反省は。それを直せないだけなんです。
1
あなたにおすすめの小説
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
悪役令嬢に転生したけど、知らぬ間にバッドエンド回避してました
神村結美
恋愛
クローデット・アルトー公爵令嬢は、お菓子が大好きで、他の令嬢達のように宝石やドレスに興味はない。
5歳の第一王子の婚約者選定のお茶会に参加した時も目的は王子ではなく、お菓子だった。そんな彼女は肌荒れや体型から人々に醜いと思われていた。
お茶会後に、第一王子の婚約者が侯爵令嬢が決まり、クローデットは幼馴染のエルネスト・ジュリオ公爵子息との婚約が決まる。
その後、クローデットは体調を崩して寝込み、目覚めた時には前世の記憶を思い出し、前世でハマった乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生している事に気づく。
でも、クローデットは第一王子の婚約者ではない。
すでにゲームの設定とは違う状況である。それならゲームの事は気にしなくても大丈夫……?
悪役令嬢が気付かない内にバッドエンドを回避していたお話しです。
※溺れるような描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
※少し設定が緩いところがあるかもしれません。
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる