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第四章〜オレンジ王国〜
オレンジ王国の素晴らしいところ
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捕まっていた子供達を帰したが、帰る場所がなく残った子供達も意外と多くいる。
という連絡がディランさん達と事後処理をしていた時に来た。
<親に売られたって子供が大半。この子達どうする?>
<うーん、私たちが面倒見るわけにもいかないしなあ>
悩んでいると、ディランさんが聞いてきた。
「なにか気になることでもあるのか?」
「私が保護した子供の中に帰る場所がない子達がいて、どうしようかって」
「ああ、そのことなんだが、他に保護した子供達にも同じような理由で帰れない子がいるんだ。だから孤児院でもつくろうかと思っている。そこで森に建てたという家をその孤児院として使いたいんだがいいか?」
「もちろん。でも管理者とかは見つかるの?」
「あてがあるから大丈夫だ」
「そっか、それじゃあよろしくお願いします」
全てディランさんに任せることになってしまうが、お願いすることにした。
それから数日、しばらくお預けとなっていた観光をしてとても有意義な時間を過ごした。
みんなそれぞれ満足し、ついに移動する日となる。
一応お世話になったディランさん達に挨拶をしようと思ったが、今回は一人ではないためやめておくことにする。
4人でなんの許可もなく城にお邪魔するのは流石にやばいからね。
しかし運がいいのか悪いのか、王都から出るための門で並んで待っているとたまたまディランさん達が馬に乗って現れた。
「もう行くのか?」
「うん、お世話になりました」
「いや、こちらこそ色々と巻き込んでしまってすまなかった」
「ディランさん達は公務かなにか?」
「兄上のところへ行こうと思ってな」
兄上ってことはノアくんとオリヴィアちゃんのお父さんか。
するとノアくんが申し訳なさそうに言った。
「父と母を、よろしくお願いします」
「ああ、カナ達といて困ることはないと思うが、何かあったら頼ってくれ。たまにはおじさんとして何かしたいからな」
ディランさんは馬から降りてノアくんとオリヴィアちゃんの頭を撫でる。
いいな、私も撫でたい……。
「カナ達も、たまには遊びに来てくれよ」
「もちろん」
そんなことを話していると順番がきた。
「それじゃあ、またね」
「ああ、元気でな」
門を出た後、私たちはローゼ王国の端の街にテレポートで飛んできていた。
できるだけ急ぎでやりたいことがあったからである。
「ギルドのお姉さんこんにちは」
「ああ、カナさん。オレンジ王国にいって無事だったんですね」
「もちろん。とっても楽しかったよ。それでさ、オレンジ王国でしか採れない果物いっぱいあるんだけど一口食べてみない?」
そう言って果物を差し出す。
「ありがとうございます。ってこれ美味しい!」
お姉さんの反応は思った通りのものだった。
「でしょでしょ、他にも種類があって……」
すると周りでやりとりを聞いていた冒険者たちが一口味わおうと集まってきた。
これが本当の狙い。
拠点を持たない冒険者達にオレンジ王国の魅力を伝えて、人間と獣人の差別をなくす架け橋になってほしいと思っていたのだ。
「オレンジ王国の人たちはみんな優しかったし、私たちとも仲良くしたいって言ってた。だからぜひ行ってみてね!」
それから少しずつオレンジ王国に行く人間が増えていった。
だんだんと差別もなくなっていき、オレンジ王国は最大の貿易国となるのだが、これはまだ少し先の未来のお話である。
──────────
第四章完結!
また幕間を挟んで次にいきます。
以前日本食を書くと言っておりましたが、ストーリーを考えた結果もう少し後に書くことにしました。
次章はカナ達の成長(主にカナのですが)を書きたいと思います。
ちなみに年齢的な意味ではなく……とまあ、ぜひこのあたりも楽しんで読んで頂けると嬉しいです!
長くなりましたが、これからもよろしくお願いします!
という連絡がディランさん達と事後処理をしていた時に来た。
<親に売られたって子供が大半。この子達どうする?>
<うーん、私たちが面倒見るわけにもいかないしなあ>
悩んでいると、ディランさんが聞いてきた。
「なにか気になることでもあるのか?」
「私が保護した子供の中に帰る場所がない子達がいて、どうしようかって」
「ああ、そのことなんだが、他に保護した子供達にも同じような理由で帰れない子がいるんだ。だから孤児院でもつくろうかと思っている。そこで森に建てたという家をその孤児院として使いたいんだがいいか?」
「もちろん。でも管理者とかは見つかるの?」
「あてがあるから大丈夫だ」
「そっか、それじゃあよろしくお願いします」
全てディランさんに任せることになってしまうが、お願いすることにした。
それから数日、しばらくお預けとなっていた観光をしてとても有意義な時間を過ごした。
みんなそれぞれ満足し、ついに移動する日となる。
一応お世話になったディランさん達に挨拶をしようと思ったが、今回は一人ではないためやめておくことにする。
4人でなんの許可もなく城にお邪魔するのは流石にやばいからね。
しかし運がいいのか悪いのか、王都から出るための門で並んで待っているとたまたまディランさん達が馬に乗って現れた。
「もう行くのか?」
「うん、お世話になりました」
「いや、こちらこそ色々と巻き込んでしまってすまなかった」
「ディランさん達は公務かなにか?」
「兄上のところへ行こうと思ってな」
兄上ってことはノアくんとオリヴィアちゃんのお父さんか。
するとノアくんが申し訳なさそうに言った。
「父と母を、よろしくお願いします」
「ああ、カナ達といて困ることはないと思うが、何かあったら頼ってくれ。たまにはおじさんとして何かしたいからな」
ディランさんは馬から降りてノアくんとオリヴィアちゃんの頭を撫でる。
いいな、私も撫でたい……。
「カナ達も、たまには遊びに来てくれよ」
「もちろん」
そんなことを話していると順番がきた。
「それじゃあ、またね」
「ああ、元気でな」
門を出た後、私たちはローゼ王国の端の街にテレポートで飛んできていた。
できるだけ急ぎでやりたいことがあったからである。
「ギルドのお姉さんこんにちは」
「ああ、カナさん。オレンジ王国にいって無事だったんですね」
「もちろん。とっても楽しかったよ。それでさ、オレンジ王国でしか採れない果物いっぱいあるんだけど一口食べてみない?」
そう言って果物を差し出す。
「ありがとうございます。ってこれ美味しい!」
お姉さんの反応は思った通りのものだった。
「でしょでしょ、他にも種類があって……」
すると周りでやりとりを聞いていた冒険者たちが一口味わおうと集まってきた。
これが本当の狙い。
拠点を持たない冒険者達にオレンジ王国の魅力を伝えて、人間と獣人の差別をなくす架け橋になってほしいと思っていたのだ。
「オレンジ王国の人たちはみんな優しかったし、私たちとも仲良くしたいって言ってた。だからぜひ行ってみてね!」
それから少しずつオレンジ王国に行く人間が増えていった。
だんだんと差別もなくなっていき、オレンジ王国は最大の貿易国となるのだが、これはまだ少し先の未来のお話である。
──────────
第四章完結!
また幕間を挟んで次にいきます。
以前日本食を書くと言っておりましたが、ストーリーを考えた結果もう少し後に書くことにしました。
次章はカナ達の成長(主にカナのですが)を書きたいと思います。
ちなみに年齢的な意味ではなく……とまあ、ぜひこのあたりも楽しんで読んで頂けると嬉しいです!
長くなりましたが、これからもよろしくお願いします!
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