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ら
ぐぬぬ・・・
もう九歳の双子の弟たちが姉と一緒に寝るのはアリかナシか・・・
前世なら住んでる家の大きさによってはまだ寝てる姉弟もいるかも?しれない年齢。
とても仲良しの姉弟なら多分寝てても違和感ないかな。
実際、前世の私は家がもう少し大きい家に引っ越して自分の部屋が与えられるので、一個上の兄と一個下の弟と床に三枚敷布団を敷いて寝ていた。
ベッドなんて置けるスペースはないから布団である。
だから、三つ子のように仲良く過ごしていた双子の弟たちと寝る事について、前世の記憶が蘇った今はそんなに抵抗感はない。
けれど、この時代の価値観では貴族の子供は幼い頃から私室が与えられて一人で寝ているのが普通だった。
まして九歳ともなれば数年後の成人の儀に向けてしっかりと教育を受けている最中である。
(うーん・・・両親が止めてない時点でごちゃごちゃ言うのもなぁ)
「ねえ様・・・?」
セインのへにょりと下がった眉、紅い瞳が潤むと苺キャンディのように甘そうに見えた。
女神のような美女顔の片鱗が見えるセインは性別が男の子だと思えない可憐な雰囲気を醸し出している。
涙目になると猶更に美少女度が増す・・・
(この薄っすらと涙目になるのって出し入れ可能だったりして・・・)
作為的なものを感じる程に完璧で、だからこそ私はその顔に弱い。
「二人が十歳になったら、もう一緒に寝るのはしないから」
「ねえ様!! うれしい!」
花のような顔が破顔しセインが勢いよく抱擁してきた。
「ねえ様」
カインがぼそりと呟いてそっと抱き着いてきた。
三つ子のように過ごしてきて、二人とも一歳だけしか違わないけれど、こんな風に甘えてくる時は随分年上のような気持ちになる。
回された二人の腕の中、強い密着で巻き込まれた自分の片腕をズズッと引き抜き、それぞれの頭を交互にナデナデしてあげた。
「二人ともまだまだ甘えたさんなんだから」
まだまだ撫でる事を要求するように頭を手に擦り付けてくる二人。
(私もブラコンに片足突っ込んでるよなあ)
心の中でひとりごちる。
まるでクリームを舐めた猫のように、頭を撫でられてうっとりと目を細める二人。
誰も止めないのでもう十分くらいは撫でている気がする。体感で。
「手が疲れちゃったから、もうお終い!」
縋るように見つめてくる二人に断固として左右に首を振る。
「また、今度、ね? ねえ様は病み上がりです」
「「はぁい……」」
今だけ限定の魔法の言葉“病み上がり”の前では二人も素直に引くしかない。
ストッパー役の両親をチラリと伺うも、お母様は慈愛に満ちた微笑みを浮かべ静観してるし、
お父様は羨ましそうな表情だった。
子供たち同士の事には、ストッパー役は存在しないようだ。
「リアちゃんもそろそろ疲れたでしょう。少し休みなさい。夕食の時間になったら起こしますからね」
「はい、少し横になります」
「リア、まだ眠くないならぐっすり眠れるように、とう様が添い寝をしても・・・」
「間に合ってますお父様、ちゃんと眠たいです」
「はいはい、三人ともリアちゃんを困らせないの。旦那様は執務室でのお仕事が待ってますし、二人は次のお勉強が待ってますからね」
お母様にキッパリと指示された三人は、渋々私の部屋が出ていった。
「リアちゃん、おやすみなさい」
お母様は私が横になるのを見届け、上掛けを胸元まで引き上げそっとかけてくれた。
鎖骨の少ししたあたりを宥めるように三回ポンポンとすると、静かに退室した。
物騒な言葉さえなければ、良く出来た母親である。
優しくされたからか、胸のあたりがポカポカしていた。
今世でも家族には恵まれたと思う。
強い眠気がおそってきて、そのまま目を閉じ睡魔に身を任せたのだった。
ぐぬぬ・・・
もう九歳の双子の弟たちが姉と一緒に寝るのはアリかナシか・・・
前世なら住んでる家の大きさによってはまだ寝てる姉弟もいるかも?しれない年齢。
とても仲良しの姉弟なら多分寝てても違和感ないかな。
実際、前世の私は家がもう少し大きい家に引っ越して自分の部屋が与えられるので、一個上の兄と一個下の弟と床に三枚敷布団を敷いて寝ていた。
ベッドなんて置けるスペースはないから布団である。
だから、三つ子のように仲良く過ごしていた双子の弟たちと寝る事について、前世の記憶が蘇った今はそんなに抵抗感はない。
けれど、この時代の価値観では貴族の子供は幼い頃から私室が与えられて一人で寝ているのが普通だった。
まして九歳ともなれば数年後の成人の儀に向けてしっかりと教育を受けている最中である。
(うーん・・・両親が止めてない時点でごちゃごちゃ言うのもなぁ)
「ねえ様・・・?」
セインのへにょりと下がった眉、紅い瞳が潤むと苺キャンディのように甘そうに見えた。
女神のような美女顔の片鱗が見えるセインは性別が男の子だと思えない可憐な雰囲気を醸し出している。
涙目になると猶更に美少女度が増す・・・
(この薄っすらと涙目になるのって出し入れ可能だったりして・・・)
作為的なものを感じる程に完璧で、だからこそ私はその顔に弱い。
「二人が十歳になったら、もう一緒に寝るのはしないから」
「ねえ様!! うれしい!」
花のような顔が破顔しセインが勢いよく抱擁してきた。
「ねえ様」
カインがぼそりと呟いてそっと抱き着いてきた。
三つ子のように過ごしてきて、二人とも一歳だけしか違わないけれど、こんな風に甘えてくる時は随分年上のような気持ちになる。
回された二人の腕の中、強い密着で巻き込まれた自分の片腕をズズッと引き抜き、それぞれの頭を交互にナデナデしてあげた。
「二人ともまだまだ甘えたさんなんだから」
まだまだ撫でる事を要求するように頭を手に擦り付けてくる二人。
(私もブラコンに片足突っ込んでるよなあ)
心の中でひとりごちる。
まるでクリームを舐めた猫のように、頭を撫でられてうっとりと目を細める二人。
誰も止めないのでもう十分くらいは撫でている気がする。体感で。
「手が疲れちゃったから、もうお終い!」
縋るように見つめてくる二人に断固として左右に首を振る。
「また、今度、ね? ねえ様は病み上がりです」
「「はぁい……」」
今だけ限定の魔法の言葉“病み上がり”の前では二人も素直に引くしかない。
ストッパー役の両親をチラリと伺うも、お母様は慈愛に満ちた微笑みを浮かべ静観してるし、
お父様は羨ましそうな表情だった。
子供たち同士の事には、ストッパー役は存在しないようだ。
「リアちゃんもそろそろ疲れたでしょう。少し休みなさい。夕食の時間になったら起こしますからね」
「はい、少し横になります」
「リア、まだ眠くないならぐっすり眠れるように、とう様が添い寝をしても・・・」
「間に合ってますお父様、ちゃんと眠たいです」
「はいはい、三人ともリアちゃんを困らせないの。旦那様は執務室でのお仕事が待ってますし、二人は次のお勉強が待ってますからね」
お母様にキッパリと指示された三人は、渋々私の部屋が出ていった。
「リアちゃん、おやすみなさい」
お母様は私が横になるのを見届け、上掛けを胸元まで引き上げそっとかけてくれた。
鎖骨の少ししたあたりを宥めるように三回ポンポンとすると、静かに退室した。
物騒な言葉さえなければ、良く出来た母親である。
優しくされたからか、胸のあたりがポカポカしていた。
今世でも家族には恵まれたと思う。
強い眠気がおそってきて、そのまま目を閉じ睡魔に身を任せたのだった。
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