22 / 82
第二十二話 ステータス・オープン
しおりを挟む
「スッ、テェー、タス・オッ、ォープンッ」
ステータス・オープンと唱えるだけなのに、気恥ずかしくてカミカミである。
『………ソレで発動できたのかな?』
疑わしげにスノウが確認してくる。
上下左右にウィンドウ的なのないのかと、きょろきょろするが見当たらない。
日本のファンタジー小説好きそうなティナ様なら、可視化出来るゲームウィンドウのような何かがありそうだと思ったんだけど―――
「ない……」
ガクッと頭が下がり落ち込む。
「スノウやってみない?」
『僕は女神様に何もいわれてないし多分言っても発動しないと思う。』
あっさり淡々とした口調で語る。
「そっか…試す?」
『やらない』
「はぁい……」
すぅーはぁー深呼吸をする。
何度も繰り返したい言葉ではない、もうさっさと終わらせたい。
「【ステータス・オープン】!」
フォンっとした耳慣れた音がした。ゲーム内でステータスウィンドウを開いた時のような効果音。
さっき話してた通りのウィンドウがリティシアの目の前にある。
薄くて青い半透明のウィンドウは、向こう側が透けて見えた。
[名前] リティシア・ファルメール
[年齢] 7歳
[職業] 公爵令嬢 / 隠匿中(女神フェルティナの愛しい子)
[レベル] 1
[体力] 25 / 隠匿中(500)
[魔力] 100 / 隠匿中(100000)
[属性] 光属性・闇属性 / 隠匿中(全属性)
[スキル] 鑑定・無限収納・■■■■・■■■■・■■■■
[特殊スキル] 状態異常無効・体力魔力自動回復・魔力増大
[■スキル] 隠匿中(複製・付与・吸収)・創造魔法・クリエイト
[加護] 聖獣銀虎の守護・聖獣銀狼の守護
「……ティナ様。」
小説で一度お見かけするようなチートなものが見えるんですが。
気のせいですか?
ぱちぱちと何度か瞬きするも、ウィンドウに載ってる文字は消えない。
複製・付与・吸収でも監禁待ったなしのスキルだったのに、創造魔法って並み居る転生小説の中でも上位中の上位の魔法では…。
既に隠匿してくれてるのは大変ありがたいですけど、創造魔法があったらこの世界にない魔法も使えそうで嬉しいですけど!
私、使いこなせる気がしない。
隠し通せるかなー!? 無理じゃないかなー!?
じゃあ使わなければ問題なし! とはならないもんね…無ければ無いで頑張るけれど、あるのに使わないってのも…
ステータス見る限り、簡単に死なないようにしてくれてるティナ様の気持ちが伝わるから、それはとても嬉しいことだし、こんな凄いものを色々授けてくれたティナ様に感謝の気持ちで一杯だけど。
何か素直にやったー! となれないこの複雑にもにょる気持ち。
リティシアの変顔をじっと見つめる聖獣様たち。
『リティシアどうだった?』
『どんな能力が授けられたのだ?』
二匹の嬉しそうな声に、複雑な気持ちになっていたリティシアは我に返る。
「見れたよ。うん、凄いのいろいろつけてくれてて…あと、スノウとユキが銀虎と銀狼って書いてるけど、二人とも白虎と白狼だよね?」
『そんなことまで書いてあるのか。ステータスって凄いな! 今は我とスノウは白狼と白虎で間違いないのだが、覚醒後に銀狼と銀虎になるのだ。』
『そぉそっ、覚醒したらそうなるんだよ、僕ら。』
ユキとスノウは互いを見遣り当然のように頷く。
「そうなんだ。」
何だかフワフワと頭がしちゃって、言いたい事があるのに言葉として纏まらなく、無難な相槌になってしまう。
「ユキとスノウ、詳しい事は起きたらまた話すね。何だか凄く疲れちゃって眠たい。」
『僕らは起きてからで構わないよ、大丈夫?』
スノウが心配そうに傍にきて、私の顎にスリスリしてくる。
その可愛い仕草に嬉しくなって、スノウの頭をなでなでした。
『起きたら全部教えて貰いたい。リティシアゆっくり休め』
ユキの言葉に「うん…」と返事をすると、リティシアはゆっくり体をベッドに横たえた。
二匹が慰めるように頬をぺろぺろしてくる。
「ふふっ、くすぐっ…た…い。」
リティシアは、そのままストンと眠りに落ちてしまった。
ステータス・オープンと唱えるだけなのに、気恥ずかしくてカミカミである。
『………ソレで発動できたのかな?』
疑わしげにスノウが確認してくる。
上下左右にウィンドウ的なのないのかと、きょろきょろするが見当たらない。
日本のファンタジー小説好きそうなティナ様なら、可視化出来るゲームウィンドウのような何かがありそうだと思ったんだけど―――
「ない……」
ガクッと頭が下がり落ち込む。
「スノウやってみない?」
『僕は女神様に何もいわれてないし多分言っても発動しないと思う。』
あっさり淡々とした口調で語る。
「そっか…試す?」
『やらない』
「はぁい……」
すぅーはぁー深呼吸をする。
何度も繰り返したい言葉ではない、もうさっさと終わらせたい。
「【ステータス・オープン】!」
フォンっとした耳慣れた音がした。ゲーム内でステータスウィンドウを開いた時のような効果音。
さっき話してた通りのウィンドウがリティシアの目の前にある。
薄くて青い半透明のウィンドウは、向こう側が透けて見えた。
[名前] リティシア・ファルメール
[年齢] 7歳
[職業] 公爵令嬢 / 隠匿中(女神フェルティナの愛しい子)
[レベル] 1
[体力] 25 / 隠匿中(500)
[魔力] 100 / 隠匿中(100000)
[属性] 光属性・闇属性 / 隠匿中(全属性)
[スキル] 鑑定・無限収納・■■■■・■■■■・■■■■
[特殊スキル] 状態異常無効・体力魔力自動回復・魔力増大
[■スキル] 隠匿中(複製・付与・吸収)・創造魔法・クリエイト
[加護] 聖獣銀虎の守護・聖獣銀狼の守護
「……ティナ様。」
小説で一度お見かけするようなチートなものが見えるんですが。
気のせいですか?
ぱちぱちと何度か瞬きするも、ウィンドウに載ってる文字は消えない。
複製・付与・吸収でも監禁待ったなしのスキルだったのに、創造魔法って並み居る転生小説の中でも上位中の上位の魔法では…。
既に隠匿してくれてるのは大変ありがたいですけど、創造魔法があったらこの世界にない魔法も使えそうで嬉しいですけど!
私、使いこなせる気がしない。
隠し通せるかなー!? 無理じゃないかなー!?
じゃあ使わなければ問題なし! とはならないもんね…無ければ無いで頑張るけれど、あるのに使わないってのも…
ステータス見る限り、簡単に死なないようにしてくれてるティナ様の気持ちが伝わるから、それはとても嬉しいことだし、こんな凄いものを色々授けてくれたティナ様に感謝の気持ちで一杯だけど。
何か素直にやったー! となれないこの複雑にもにょる気持ち。
リティシアの変顔をじっと見つめる聖獣様たち。
『リティシアどうだった?』
『どんな能力が授けられたのだ?』
二匹の嬉しそうな声に、複雑な気持ちになっていたリティシアは我に返る。
「見れたよ。うん、凄いのいろいろつけてくれてて…あと、スノウとユキが銀虎と銀狼って書いてるけど、二人とも白虎と白狼だよね?」
『そんなことまで書いてあるのか。ステータスって凄いな! 今は我とスノウは白狼と白虎で間違いないのだが、覚醒後に銀狼と銀虎になるのだ。』
『そぉそっ、覚醒したらそうなるんだよ、僕ら。』
ユキとスノウは互いを見遣り当然のように頷く。
「そうなんだ。」
何だかフワフワと頭がしちゃって、言いたい事があるのに言葉として纏まらなく、無難な相槌になってしまう。
「ユキとスノウ、詳しい事は起きたらまた話すね。何だか凄く疲れちゃって眠たい。」
『僕らは起きてからで構わないよ、大丈夫?』
スノウが心配そうに傍にきて、私の顎にスリスリしてくる。
その可愛い仕草に嬉しくなって、スノウの頭をなでなでした。
『起きたら全部教えて貰いたい。リティシアゆっくり休め』
ユキの言葉に「うん…」と返事をすると、リティシアはゆっくり体をベッドに横たえた。
二匹が慰めるように頬をぺろぺろしてくる。
「ふふっ、くすぐっ…た…い。」
リティシアは、そのままストンと眠りに落ちてしまった。
7
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ふたりの愛は「真実」らしいので、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしました
もるだ
恋愛
伯爵夫人になるために魔術の道を諦め厳しい教育を受けていたエリーゼに告げられたのは婚約破棄でした。「アシュリーと僕は真実の愛で結ばれてるんだ」というので、元婚約者たちには、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしてあげます。
婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】
キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。
それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。
もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。
そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。
普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。
マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。
彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
勝手にしなさいよ
棗
恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる