37 / 82
第三十七話 執事服。
しおりを挟む
服を着てとはいったものの、私には兄も弟も居ないし、私のクローゼットにも男の子が着る服なんて持ってない。
アイテムボックスに入ってるのだって薬草か魔物の素材だけだった。
一枚だけでストンと着る服的なの入れた記憶があったんだけど、記憶違いだったのかも。
スノウと騒いだせいでユキも起きてしまった。
気付いたら上半身だけ起こしてベッドボードに上半身を預けて座って欠伸をしながら私達を見ていた。
スノウはサラサラした髪質だけど、ユキは少し癖のある髪質なのか寝癖がついてあちらこちらに跳ねている。
スノウが中性的な少し猫目の目尻が上がった美少女なら、ユキはキリッとした美少年って顔立ちだ。
「ユキ、スノウ、覚醒おめでとう。人化して服着ないまま部屋の外に出ないようにしてね。皆びっくりしちゃうから」
「今まで俺たちは服など着ていなかったが…」
「人化してなければそれでいいけど、したなら服着ないで外には出れないよ。人には人のルールがあって、裸でお外に行く事はルール違反だから。その姿で街に行ったら警らの人たちが来ちゃう」
スノウと似たような話をしてきたユキに説明する。ついでに訊いてるスノウにも「お願いね?」と念押し。
納得したようなしてないような微妙な表情のユキとスノウ。
「嫌なら人化は禁止」と言うと、渋々「面倒だが仕方ない」と約束してくれた。
メイドが私をお越しに寝室に入ってきて、見た事ない美少年が全裸で私を抱っこし、もう一人は上半身裸でべっどに座った光景を見てしまい「キャーーー!」と叫び声をあげられてしまった。
「ほら、こういう風になるから、二人とも気を付けて」と言っておく。
二人は実際こうなるんだという体験をしたからか、神妙な表情で頷いていた。
メイドに聖獣様が人化姿だと教えて、着れる服が欲しいと伝える。
「執事長に訊いてまいります。使用人の制服になるかもしれませんが…聖獣様にそんなの着させていいのでしょうか…」と不安気だ。
「大丈夫だよ。聖獣様は服にそういう拘りはないと思うから」
ね?と二人に問いかければ、当然だと返された。
ホッとした顔のメイドが「執事長に相談して参ります」と退室する。
その後、メイドが見習い用の執事服を二着持って戻ってきた。
「こちらをとのことです。どちらも誰も袖を通していない新品なのでご安心下さいと伝言を預かりました」
おお、タイプの違う美少年が着る執事服姿…眼福だ。
動きを邪魔しないようにと身体にぴったりとしたデザインだ。
まるで誂えたように二人の細身の体型に馴染んでいた。
家族のようなユキとスノウだと分かっていなければ、推せる。
それくらい素敵だった。
手元にスマホがあれば連写機能を最大に使っていろんな角度から撮りまくっていただろう。
「とっても似合ってる…」
家族だけど、人化した姿を見たのは今日が初めてで、少しばかりうっとりしてしまうのは仕方ない。
顔が良すぎるんだもの。
「そう? じゃあしばらくはこの格好でいようかな?」
スノウが喜びを隠しきれないようにはにかんだ。
キュンと胸が鳴る。
何なのスノウ、その笑顔可愛い。
獣化しても肉食獣だというのに、小動物的な可愛さ。
まだ無いだろう母性的なものが刺激される笑顔だ。
「スノウは本当に可愛いね」
身長差が少しあるけど、背伸びしてまで思わず頭を撫でてしまう。
「うん、知ってる。リティシアは可愛い僕が大好きだもんね?」
うん、あざとい。
「俺は、どう?」
ちょっときつめのキリっとした顔立ちのユキが不安そうに訊いてきた。
スノウと違って、ユキはやっぱりカッコイイ、だ。
「ユキはとってもカッコイイよ!」
「そ、そうか…」
シャツの襟と袖をもじもじと引っ張って直す仕草をすると、少し頬を染めて私を見て嬉しそうに見てはにかんだ。
「あ、やっぱりスノウより可愛いかも」
思わずそう言ってしまう。
純度100パーセントだ、ユキは。
「ええー! 」
スノウから抗議の声が上がる。
チラリと見ると頬を膨らませてるのが見えた。
うん、あざとい。(二回目)
「スノウも可愛いよ、さあ、朝ご飯食べよう。お腹空いちゃってぺこぺこ!」
リティシアは拗ねるスノウをほっといて、ユキとさっさと食堂へと向かったのだった。
勿論、スノウが慌てて追いかけたのは言うまでもない。
人化した事で、今まで分かりづらかった表情がハッキリ見えるのは良いな。
食堂へ向かう二人の頭のてっぺんにぴょこんとある猫耳と犬耳が、ずっと嬉しそうにぴょこぴょこと動いていた。
アイテムボックスに入ってるのだって薬草か魔物の素材だけだった。
一枚だけでストンと着る服的なの入れた記憶があったんだけど、記憶違いだったのかも。
スノウと騒いだせいでユキも起きてしまった。
気付いたら上半身だけ起こしてベッドボードに上半身を預けて座って欠伸をしながら私達を見ていた。
スノウはサラサラした髪質だけど、ユキは少し癖のある髪質なのか寝癖がついてあちらこちらに跳ねている。
スノウが中性的な少し猫目の目尻が上がった美少女なら、ユキはキリッとした美少年って顔立ちだ。
「ユキ、スノウ、覚醒おめでとう。人化して服着ないまま部屋の外に出ないようにしてね。皆びっくりしちゃうから」
「今まで俺たちは服など着ていなかったが…」
「人化してなければそれでいいけど、したなら服着ないで外には出れないよ。人には人のルールがあって、裸でお外に行く事はルール違反だから。その姿で街に行ったら警らの人たちが来ちゃう」
スノウと似たような話をしてきたユキに説明する。ついでに訊いてるスノウにも「お願いね?」と念押し。
納得したようなしてないような微妙な表情のユキとスノウ。
「嫌なら人化は禁止」と言うと、渋々「面倒だが仕方ない」と約束してくれた。
メイドが私をお越しに寝室に入ってきて、見た事ない美少年が全裸で私を抱っこし、もう一人は上半身裸でべっどに座った光景を見てしまい「キャーーー!」と叫び声をあげられてしまった。
「ほら、こういう風になるから、二人とも気を付けて」と言っておく。
二人は実際こうなるんだという体験をしたからか、神妙な表情で頷いていた。
メイドに聖獣様が人化姿だと教えて、着れる服が欲しいと伝える。
「執事長に訊いてまいります。使用人の制服になるかもしれませんが…聖獣様にそんなの着させていいのでしょうか…」と不安気だ。
「大丈夫だよ。聖獣様は服にそういう拘りはないと思うから」
ね?と二人に問いかければ、当然だと返された。
ホッとした顔のメイドが「執事長に相談して参ります」と退室する。
その後、メイドが見習い用の執事服を二着持って戻ってきた。
「こちらをとのことです。どちらも誰も袖を通していない新品なのでご安心下さいと伝言を預かりました」
おお、タイプの違う美少年が着る執事服姿…眼福だ。
動きを邪魔しないようにと身体にぴったりとしたデザインだ。
まるで誂えたように二人の細身の体型に馴染んでいた。
家族のようなユキとスノウだと分かっていなければ、推せる。
それくらい素敵だった。
手元にスマホがあれば連写機能を最大に使っていろんな角度から撮りまくっていただろう。
「とっても似合ってる…」
家族だけど、人化した姿を見たのは今日が初めてで、少しばかりうっとりしてしまうのは仕方ない。
顔が良すぎるんだもの。
「そう? じゃあしばらくはこの格好でいようかな?」
スノウが喜びを隠しきれないようにはにかんだ。
キュンと胸が鳴る。
何なのスノウ、その笑顔可愛い。
獣化しても肉食獣だというのに、小動物的な可愛さ。
まだ無いだろう母性的なものが刺激される笑顔だ。
「スノウは本当に可愛いね」
身長差が少しあるけど、背伸びしてまで思わず頭を撫でてしまう。
「うん、知ってる。リティシアは可愛い僕が大好きだもんね?」
うん、あざとい。
「俺は、どう?」
ちょっときつめのキリっとした顔立ちのユキが不安そうに訊いてきた。
スノウと違って、ユキはやっぱりカッコイイ、だ。
「ユキはとってもカッコイイよ!」
「そ、そうか…」
シャツの襟と袖をもじもじと引っ張って直す仕草をすると、少し頬を染めて私を見て嬉しそうに見てはにかんだ。
「あ、やっぱりスノウより可愛いかも」
思わずそう言ってしまう。
純度100パーセントだ、ユキは。
「ええー! 」
スノウから抗議の声が上がる。
チラリと見ると頬を膨らませてるのが見えた。
うん、あざとい。(二回目)
「スノウも可愛いよ、さあ、朝ご飯食べよう。お腹空いちゃってぺこぺこ!」
リティシアは拗ねるスノウをほっといて、ユキとさっさと食堂へと向かったのだった。
勿論、スノウが慌てて追いかけたのは言うまでもない。
人化した事で、今まで分かりづらかった表情がハッキリ見えるのは良いな。
食堂へ向かう二人の頭のてっぺんにぴょこんとある猫耳と犬耳が、ずっと嬉しそうにぴょこぴょこと動いていた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ふたりの愛は「真実」らしいので、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしました
もるだ
恋愛
伯爵夫人になるために魔術の道を諦め厳しい教育を受けていたエリーゼに告げられたのは婚約破棄でした。「アシュリーと僕は真実の愛で結ばれてるんだ」というので、元婚約者たちには、心の声が聞こえる魔道具をプレゼントしてあげます。
婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】
キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。
それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。
もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。
そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。
普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。
マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。
彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
勝手にしなさいよ
棗
恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる