38 / 82
第三十八話 聖獣様のお買い物。
しおりを挟む
朝食の席で両親に人化して執事服姿のユキとスノウを改めて紹介する。
人化した聖獣様というのは、王弟であるお父様が王家の書庫で読んだ事のあるとても古い文献にも載っていないような事らしい。
二人ともしばらく固まっていた。
人化出来る事になったのは覚醒したからだとユキが説明している。
そして人化出来るとテレパシーみたいなので会話しなくとも、そのまま人間のように声を出して会話出来るらしい。
頭の中に直接声が響くと言うちょっとした違和感を感じる事も、人化の時はないという事だ。
お父様が聖獣様に袖を通していない新品だと言えど使用人の制服を着せたままというのは大変不敬だと言いだして、懇意にしている商会に貴族子息の衣装を持ってこさせるよう連絡するようにと、執事長に指示していた。
相手は聖獣様だし「似合ってればいい」って訳にはいかないらしい。
確かに女神様の眷属を使用人扱いしてると思われないでもないしね…
今の所この家のものだけが見てる訳だし、外出もほぼしないし誰が見るんだって話なんだけど、そういう風に扱ってるように見える事だけでもお父様は耐えられないんだそう。
どんだけ信心深いんだって思ったけれど、お母様も横でうんうんと頷いてることから、ただお父様が気にし過ぎるだけって訳でもないのかも。
この国は女神様に対して物凄く信心深い人が多いから、こんな感じなのかもしれない。
「ひとまず既成の物になります。採寸もついでに本日終わらせるので、すぐに仕立てを開始して貰いますので」と言っていた。
ユキとスノウは「どちらでもいいよ?」って感じだったけど、お父様が「とんでもございません!」と首が取れる程の勢いで左右に振りながら、否定していた。
お父様が仕立てに並々ならぬやる気を見せているので、
「ユキ、スノウ、お父様の好きにさせてあげて?」
と口添えをしておいた。
ユキとスノウは耳や尻尾を出したり消したりしながら、
「「公爵、有り難う」」とお礼を口にしていた。
お父様は「勿体なきお言葉」と涙目になっていた。
お父様って聖獣様好きすぎない?
それにしても、耳や尻尾って消したり出したり出来るんだ…。
器用に出し入れしてるけど、魔法なのかな?
そうやって耳と尻尾消して貰えるなら、ギルドも人化したままいけそうだ。
最近ずっと森ばっかり行ってたし、そろそろアイテムボックスの薬草もどうにかしたいし、明日の明け方はギルドに行こうって二人に提案しよう。
◇◆◇◆◇◆◇
夜、寝室でぐったりと伸びた二人。
人化したままだと一緒に入りたくないので、獣化して貰ってお風呂に入れてあげる。お風呂をちょっぴり嫌がるユキも、今日は全く抵抗せず洗われるままだったので、よっぽど疲れてるんだろうなと思う。
昼、商会の人達が大量の衣服を持って公爵家にやってきた。
そして、そこからユキとスノウは長時間着せ替え人形になったのだ。
何度も脱ぎ着を繰り返し、最後は採寸して修了。
既製品もたっぷりと購入されて商会の人もホクホクだろう。
どの服を着ても見目がいいと似合うのか、大量買いしていたのも商会の人を大変喜ばせていただろう。
風呂上り後、寝着に着替えた人化した二人に「明日の明け方は久しぶりにギルドへ行かない? 人化したままでさ」と提案する。
二人とも快諾してくれた。
スノウも人化して行くなら、めんどくさそうな相手に話しかけられないだろうと言うことで賛成だそう。
久しぶりのギルドへとお出かけだ。
薬草を納品しまくって少しでもランクが上がるといいな。
人化した聖獣様というのは、王弟であるお父様が王家の書庫で読んだ事のあるとても古い文献にも載っていないような事らしい。
二人ともしばらく固まっていた。
人化出来る事になったのは覚醒したからだとユキが説明している。
そして人化出来るとテレパシーみたいなので会話しなくとも、そのまま人間のように声を出して会話出来るらしい。
頭の中に直接声が響くと言うちょっとした違和感を感じる事も、人化の時はないという事だ。
お父様が聖獣様に袖を通していない新品だと言えど使用人の制服を着せたままというのは大変不敬だと言いだして、懇意にしている商会に貴族子息の衣装を持ってこさせるよう連絡するようにと、執事長に指示していた。
相手は聖獣様だし「似合ってればいい」って訳にはいかないらしい。
確かに女神様の眷属を使用人扱いしてると思われないでもないしね…
今の所この家のものだけが見てる訳だし、外出もほぼしないし誰が見るんだって話なんだけど、そういう風に扱ってるように見える事だけでもお父様は耐えられないんだそう。
どんだけ信心深いんだって思ったけれど、お母様も横でうんうんと頷いてることから、ただお父様が気にし過ぎるだけって訳でもないのかも。
この国は女神様に対して物凄く信心深い人が多いから、こんな感じなのかもしれない。
「ひとまず既成の物になります。採寸もついでに本日終わらせるので、すぐに仕立てを開始して貰いますので」と言っていた。
ユキとスノウは「どちらでもいいよ?」って感じだったけど、お父様が「とんでもございません!」と首が取れる程の勢いで左右に振りながら、否定していた。
お父様が仕立てに並々ならぬやる気を見せているので、
「ユキ、スノウ、お父様の好きにさせてあげて?」
と口添えをしておいた。
ユキとスノウは耳や尻尾を出したり消したりしながら、
「「公爵、有り難う」」とお礼を口にしていた。
お父様は「勿体なきお言葉」と涙目になっていた。
お父様って聖獣様好きすぎない?
それにしても、耳や尻尾って消したり出したり出来るんだ…。
器用に出し入れしてるけど、魔法なのかな?
そうやって耳と尻尾消して貰えるなら、ギルドも人化したままいけそうだ。
最近ずっと森ばっかり行ってたし、そろそろアイテムボックスの薬草もどうにかしたいし、明日の明け方はギルドに行こうって二人に提案しよう。
◇◆◇◆◇◆◇
夜、寝室でぐったりと伸びた二人。
人化したままだと一緒に入りたくないので、獣化して貰ってお風呂に入れてあげる。お風呂をちょっぴり嫌がるユキも、今日は全く抵抗せず洗われるままだったので、よっぽど疲れてるんだろうなと思う。
昼、商会の人達が大量の衣服を持って公爵家にやってきた。
そして、そこからユキとスノウは長時間着せ替え人形になったのだ。
何度も脱ぎ着を繰り返し、最後は採寸して修了。
既製品もたっぷりと購入されて商会の人もホクホクだろう。
どの服を着ても見目がいいと似合うのか、大量買いしていたのも商会の人を大変喜ばせていただろう。
風呂上り後、寝着に着替えた人化した二人に「明日の明け方は久しぶりにギルドへ行かない? 人化したままでさ」と提案する。
二人とも快諾してくれた。
スノウも人化して行くなら、めんどくさそうな相手に話しかけられないだろうと言うことで賛成だそう。
久しぶりのギルドへとお出かけだ。
薬草を納品しまくって少しでもランクが上がるといいな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,628
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる