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第六十五話 お父様にご報告。
しおりを挟む「聖獣様も学園に入学をされると。」
晩餐の後、皆でサロンへ移動。
女神様の話をお父様に報告中である。
勿論、女神として如何なものかな話『悪役ヒロインとかの思惑を邪魔する的な』は除外して話す。
「制服等も女神様が準備してくれるそうです。……あの、私の制服も一緒に。」
「なんと……! リティの分まで用意して下さるなんて流石女神様でいらっしゃる。大変に有難いお話だよリティ。」
「はい。安全の為に少しご加護も付与して頂けるそうです……有難いお話です。」
「国宝物になってしまうな……。」
「はい……なってしまいますね。」
聖獣二匹が護衛として共に入学、そして私は女神様から贔屓されてチート持ち。
おまけに加護なるものをつけた制服を頂いて――――
悪役ヒロインさんが段々不憫になってくる。
ヒロインさん女神様にこれ程までに差をつけられるって一体何をしたんだ。
聖獣モードのまま椅子に座っているユキとスノウは、テーブルに置かれたチーズケーキを口で直接食べている。
(人化してたら叱る所だけれど、獣化してるなら普通……?)
叱っていいのか叱っちゃダメなのか良くわからないな。
お父様を見るといつの間にかユキとスノウを見つめていて、それが可愛いペットを愛でるように可愛くて仕方ないって視線を注いでいる。
ユキとスノウも視線に気づいたのか、はぐはぐ食べるのを止めて同時に顔をあげてお父様を見た。
ビクンと二匹同時に身体を跳ねさせる。
ユキがくわえてたケーキの欠片がぽとりと皿に落ちた。
「聖獣様、チーズケーキはお気に召しませんでしたか? 直ぐに代わりのものを用意致しましょう。」
二匹ともハッとしてブンブンと顔を左右に振る。
さっきからシンクロするように同じ動きで面白い。
「失礼しました。ではお代わりを持ってこさせましょうか?」
二匹に用意された皿にはもうケーキがほぼ無くなっている。
ユキがさっきポトリと落とした欠片を食べ終えたら無くなりそうだ。
二匹ともコクリと頷く。
その姿を見たお父様は蕩けるように微笑んで、控えていたメイドに「聖獣様のお替りのケーキを持ってくるように。」と指示した。
お父様は非常に顔が良い。
ユキとスノウの顔は毛に覆われてどうなってるか分からないけど、
お父様の大天使ミカエルのような艶やかな微笑みを向けられて俯いている。
何だか顔が上げられないって感じでモジモジとしているようだ。
(わかる。わかるよ、お父様本当に超素敵だもの)
「学園では、リティの事を宜しくお願い致します。」
お父様に頭を下げられてハッとしたように俯いていた顔を上げるユキとスノウ。
コクコクと激しく頭を上下させて同意している。
さっきから思ってたのだけど、念話すればこのボディーランゲージ的なの必要なくないかしら……と思うリティシアなのだった。
その後、追加のケーキをお父様をチラチラと見ながらユキとスノウが食べて、食べ終えそうな頃合いで椀子そば形式のようにお父様がお替りを差し出していて、五回目あたりで色々と限界だったのか、ユキとスノウが椅子から降りて床に伏せていた。
「聖獣様、お飲み物は?」と尋ねたお父様に、ユキとスノウはフルフルと首を振っていらないと示す。
「では、柔らかいクッションを持ってこさせますね」とお父様。
至れり尽くせりであるが、ユキとスノウは「何か色々言って構ってくるこの人!」って感じである。
「リティが淑女教育や入学試験勉強に励んでいる間にね、お父様は聖獣様のお相手をしなければと言い出しちゃって、色々お世話……っていうのかしらアレは。構い過ぎちゃったの。それで聖獣様はお父様がああやって色々する度に逃げ腰になってっちゃって……ふふっ、お父様は文献にある聖獣様の存在に幼い頃から憧れていたんですって。そんな存在が突然目の前に現れて、夢が叶ったような気持ちみたいなの。」
お母様がそっと私に耳打ちしてきた。
そうだったのね、お父様。
「多分、満足するまで構い倒したら、少しは落ち着くと思うの。だから、聖獣様には悪いけれどもうしばらくの辛抱ですとお伝えしておいて。」
私はお母様の言葉に「そうですね、お父様凄く嬉しそうですもんね。」と同意した。
嫌がらせどころか王家の秘宝のように大切に大切にされてる訳だし、お父様の興奮が静かに落ち着くまで是非耐えきって頂きたい。
今まで私が色々してたから我慢していたらしいし。
私がペットのお世話するみたいに普通に接してて、ユキとスノウもそのお世話を嫌がるどころか喜んでたのを見て、是非に自分もってなったらしいから。
お母様は嬉しそうにお父様の事を語る。
お父様の幸せはお母様の幸せって感じだもんね。
互いの幸せが一番な夫婦だから。
両親が嬉しそうで私も嬉しい。
結果、皆を幸せにしてるって事で。
ユキとスノウにはしばらくの我慢だよ! ってあとで伝えておこう。
―――結果、お父様が満足する日は来なかった事を報告しよう。
ユキ、スノウ――――頑張って。
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