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第七十三話 学園生活スタート。
しおりを挟む早朝、真新しい制服に着替え、朝食を取り終えたころに、二匹が聖獣の姿で転移して来た。
「リティおはよう! 昨夜は気持ちよさそうに寝ていたから、僕らあっちの部屋でおとなしく休む事にしたんだ。もう登校出来そう?」
スノウが元気よく話しかけてくる。
「有難うぐっすり寝たみたい。準備はもう大丈夫よ。」
気遣いに嬉しくなり笑顔で答える。
「おはようリティ。また寮に戻って今度は人化してリティを玄関前まで迎えに来る。」
ユキが説明する。
「分かったわ。」
そうしてまた転移で慌ただしく移動していった。
玄関を出ると早速二人が傍に来る。
「さぁ一緒にいこう!」
スノウは楽しそうにリティシアの手を取り歩き出す。
(朝から本当に元気なんだから。猫科ってもっと眠そうじゃないの……? 以前はもっと眠そうだった気がするのに)
スノウに手を取られ足を動かしながら、リ白ティシアは首を傾げたのだった。
ユキは二人の少し後ろを周囲に警戒しながら着いて行く。
転移陣がある建物までは、普通の街だからだ。
ユキの隣をリティシアの護衛騎士が歩いているのだが、ユキには自分より弱い護衛騎士にリティシアを守って貰えるという意識はない。
そんなのより強い自分が守る方が確実だと思っているのだ。
転移陣に付くと既に何人か順番待ちをしていた。
そこへ並び順番を待つ。
二十人くらいが一度に転移出来る為、すぐに順番になりリティシア達は転移陣に乗って天空にある学園へと転移した。
某アニメ映画のような荘厳な空気漂う学園に転移すると、教室へと向かう。
一年のAクラスの教室は正面から左側の他より手前側の玄関口から入り向かうので、移動時間もそんなに掛からない。
入学したばかりだから道に迷わぬ配慮なのかもなぁとリティシアは思うのだった。
教室に着くと既に半数ほどのクラスメイトが居た。
三人ともAクラスで席もリティシアの前と隣なので、そのまま一緒にリティシアの席がある方へ向かう。
席に座り始業のベルが鳴るまで静かに本でも読む事にした。
隣の席であるスノウは、席に座った途端に眠くなったのか、机に右腕を置きその上に頭を置いて目を閉じている。
ユキは何かを点検するように周囲をチラチラと確認していた。
(スノウは寝始めて、ユキは落ち着きがない……ユキは犬科だし散歩でもしたいのかしら。)
リティシアは最近忙しくて散歩出来てなかったな。と、飼い主としての反省をした。
ユキが護衛の気持ちでいるなどという事に一欠けらも気付く事なく掠りもしていない。
そんなリティシアの脳内を知る事のないユキ。
ユキとしては護衛は玄関口までしか付いてこれない為、教室内をしっかりと把握して警戒しておきたいのだった。
本を読み始めてしばらくすると、周囲の声が何となくリティシアの耳にも届くようになった。
「昨日騒いでた例のあの人は、結局再試験を受けてどのクラスになったの?」
「ああ、あの人ね……凄い騒がしくて怖かったわ。」
「再試験受けれたのよね?」
「しっかり受け直させられて、結局Dクラスの点数だったって聞いたけど。」
「どうして絶対Aクラスだってこだわっていたのかしら。」
「Dクラスの先生もあの方の担任をするのは大変ではないかしら……。あまり他の方のお話をお聞きになれない方のようですし……」
(Dクラスなんだ……。Aクラスだったらどうしようと思ってたから、ホッとした)
リティシアは聞き耳を立てながら、安堵した。
接点がなければない方が嫌な思いもしないし……。
色々決めつけて酷い態度を取ってきそうな相手だった。
他クラスならそうそう会う事もないだろう。
ティナ様からもただ私は好きに学園生活を送ってるだけでいいって言われてるしね。
そうはいかない事を知るのはすぐのこと。
リーンハルト殿下が学園居なくとも、双子王子は今年から学園に通う年齢である。
その情報をヒロインは知っていたが、Aクラスに居るはずの双子王子の姿が見えない。何かがおかしいと思っているのだった。
そのことから、ヒロインはわざわざ別の棟にあるDクラスの教室からAクラスの教室まで頻繁にやって来るのであった。
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