呪われた騎士に贈られた花嫁

金剛@キット

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7話 朝 2

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「なら、もう一度頼む!」
 パナス・ダラムは、アイルをコロリと転がし、仰向けにすると覆いかぶさって来る。

「ど… どうかお許しを!! 夜までお待ちください!」
 
 上掛けを引っ張り、慌ててパナス・ダラムから、アイルは胸を隠そうとする。


「何故だ?」

 ニヤリと笑い真っ赤になったアイルを見下ろすパナス・ダラム。



「…子供が、起きる時間なのです」


 ハッと息を呑み素早くアイルから離れるパナス・ダラム。

「君は結婚しているのか?!」


「い…いえ!」

「ならば未婚で子を産んだのか?!」

「い… いえ… 亡くなった妹の子を育てています」

 今にも泣きそうな程、真っ赤な顔で目を逸らすアイル。


「妹の子?」

「どうか… ご容赦をパナス・ダラム様… どうか!!」

「パダムと呼べ、皆はそう呼ぶ」

「パ… パダム様… どうか…あの子が知らないこの邸で目覚めて、私が側に居なければきっと不安がります… どうか今は、ご容赦を!」


 パダムは真っ赤になり懇願するアイルを、ジロジロと見るうちに、シーツに血が付いているコトに気が付き…

 
 再び息を呑むパダム。

「君は… まさか処女だったのか?! 私は君から純潔を奪った?!」


 ピクリとアイルの肩が揺れる。


「…だからこそ契りが上手く結べたのです他の誰かと契りを結んでいては、アナタ様を受入れるコトは、到底出来ませんでしたから」

「契り?! 夫婦の契りか?」



「はい、治療の間ダケそう思って頂ければ… 絆も深くなりますから呪毒を吸いやすくなります」

 淡々と治療師として答えるアイルだが…


「治療だと?! だがコレでは君はもう結婚出来ないではないか!!」


 アイルの華奢な肩を掴み、パダムは無理やり視線を合わせる。


「構いません、私に与えられた役目ですから… 元々結婚が許される立場ではないので…」


 茫然とアイルを見つめるパダム。


「バカな!! 君は一体何を考えているのだ!!」

「私は… 元治療師です、だからアナタを直したかったダケです… たかが純潔を無くしたぐらいで困るコトではありません」

「確かに… 君の献身が私の呪毒を薄めたが… しかしだ…」

 眉間にシワを寄せ、黙り込むパダム。

「私には純潔など、あっても無くても変わりませんから… どうかお気になさらず…」


「アイル…」

 今は、そのコトに付いて、アイルは何も考えたくなかった。
 
 昨夜は呪毒に犯され、苦しむパダムを見て助けたい一心で、自分に出来るコトをしたのだ。



「私は魔力があっても、魔法が使えない役立たずです… 昨夜はお役に立てて嬉しかったのです、ですからどうか何も言わないで下さい! お願いします」

  

 アイルの辛そうな顔に、パダムは複雑な思いを胸にしまった。






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