呪われた騎士に贈られた花嫁

金剛@キット

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39話 治療と薬

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 包帯を作り終えた、騎士たちに今度は乾燥した小さなヘビやトカゲ、動物の内臓の一部を細かく砕き粉末状にしてもらい…

「どうですか? アイル様」

「ええ、上出来! 大きな手と力があるから早くて上手ですね」

 ニコニコと微笑み、アイルが何気なく褒めると、40代の騎士がポッと赤くなり、照れた様子で頭をポリポリと掻く。

 その様子を見て双子の従妹弟が、忍び笑いを漏らし、コソコソと2人で内緒話をする。

「何人の男たちが、あれで落ちたコトか…」

「本人ダケが知らないなんて、アイルお姉様も罪作りだよね、アンタも落ちてた1人だよね? ベソック?」

「もう、ウルサイよ! 何でパギはそういうコトダケ、しっかり覚えているのさ!?」




 火から下ろした大鍋をアイルは続けてかき混ぜながら、固まらないよう、騎士に砕いた材料を、細かい目のザルでふるい落としてもらう。

 上手く混ざり、薬草ダケの緑っぽい色が茶色になる、ソコに植物の実から採取した油を混ぜ、最後に貰った神殿で祀られている、神に祈りを捧げながら聖水を少しずついれ、更にグルグル練りあげて完成した。



「パギとベソックは襲撃に備えて、眠らなくて良いの?」

 今更だが、急に心配になり双子たちに尋ねると…


「私たちは、夜の襲撃に備えて、派遣されて来たばかりだし、まだ戦いには参加してないから平気、今はアイルお姉様を手伝うよ」 

「元気な騎士の数を揃える方が、需要ですから」

 アイルが休めと言うと、騎士たちも口を揃えて言うから、言葉に甘えるコトにした。

 早速自分用の軟膏入れに出来たての薬を詰めて、水筒に水と汚れを落とす布を補充し、手伝ってくれる双子と騎士たちにも、同じモノを渡す。

 途中でフジャヌと、その助手たちも加わり、手分けして怪我の処置をしてゆく。


 治癒魔法も浄化魔法も、治療師の体力の限界以上は、使えないのだから、こうして薬と聖水で、代用しなければ救えない命が出てくるのは当然である。

 魔獣に受けた傷のほとんどが、呪毒に侵される、ソレがとても厄介で…

 酷いと、パダムのように瘴気が発生する。
 

 怪我をしていても、ココにいる騎士たちは勇敢に、魔獣たちの前に飛び出して行くのだから、せめて呪毒の炎症で出る、苦痛ぐらいは消してやらないと。



 他にもオバット伯爵家と同じように、治癒魔法を使う一族が指揮する救護所があるが、恐らくそちらも同じようなコトをしているはずだ。

 家によって、段取りややり方が違うから、少々面倒であっても、別々に救護所を立ち上げた方が無難なのだ。

 その家独自の治癒魔法もあれば、魔法の掛け方まで違うのだから、仕方ない。



 だが、魔獣襲撃の現場での経験が無いアイルや、他の救護所で処置を受けたコトの無い双子は知らなかったが…


 治療師の間では、叔父ニャムックのように、上位貴族を優先するのは常識だった。





 



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