第二の人生、公爵令嬢として頑張りますぅ?

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何がしたかったの?

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辺りはシーンとなった。

皇太子も吃驚、護衛さんも吃驚、ついでに私と先生も吃驚。
こいつマジで何しに来たの?本気でマセル公爵にケンカ売りに来たの?

ここで動いたのは皇太子よりも先生だった。

「よくわかりました。この事はマセル公爵に私からお伝え致します。マセル公爵令嬢は体調が悪化されている様です。皇太子殿下、御前を下がる無礼をお許しください。」

怒涛の如く言って私を横抱きにし皇太子が何か言う前に部屋を出た。


あの~、私一言も喋ってないんですけど。



部屋に戻ると侍女(メイドさん)に着替えさせられベットに直行。先生は出ていって暫くしてから医者と一緒に入ってきた。

医者は私を診て

「極度の疲労でしょう。この薬を飲んで2、3日安静にして下さい。」

あれ?先生が医者に何か言ったのかな?

「気づいてないようだけど顔色が真っ青だよ。」

「·····昔からご自分の体調に鈍感な方でしたから。」

何気に失礼だな。
可哀想な子を見る目しないでよ。2人とも!

でも緊張はかなりしてたけど·····。

まだ痛む左肩を抑えて息をつく。皇太子って文武両道なんだよね。文どこ行った?
犯罪者もアウェーで何言ってんの?

考えてたら気持ち悪くなってきた。

先生が私の両眼を手の平で覆いいつもより優しい声が耳を擽った。

「何も考えずに少し寝なさい。顔色が悪くなっている。」

「はい·····」

「起きた時には良い報告が聞けるよ。」

そう言った先生の声を沈んでいく意識の中で聞いた。





私が起きたのは次の日の朝だった。気分はスッキリしている。
昨日の夕方前からノンストップで寝てた。
ホントに疲れてたんだ~。この体、ちょっと鈍いのかな?

執事長が部屋に来てお父様が私と朝食を食べたいと言伝。どういう風の吹き回しだろ?了承の返事をして侍女と入れ違いに出ていった。

重症の時、一番親身になって世話してくれたメイドさんを専属侍女にしてもらった。
濃紺の髪に黒目のアヤナ21才。もう結婚してて一児の母。今日も丁寧に髪を梳かしてくれる。

「お父様。お待たせして申し訳ありません。」

1人でまったりご飯を食べたかったけど、家主に言われちゃ断れない。

「良い。昨日は大変だったと聞いた。」

おっと、座った途端不機嫌な顔で話しかけてきた。当主が居ない時を見計らって皇太子が犯罪者連れて来たんだから不機嫌顔にもなるか。

「左様でございますね。ですが、先生がおられましたので大丈夫ですわ。」

「·····そうか」

それからは無言で食べた。やっぱり1人で食べたかった。美味しさも半減だよ。
食事が終わり立とうとしたらお父様から声がかかった。

「大事な話がある。書斎に来なさい。」

硬い表情で言われ昨日の話かなと暢気に考えてたけど、その暢気さもぶっ飛ぶ内容だった。

    
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