第二の人生、公爵令嬢として頑張りますぅ？

獲物が来ました。

学園に通いだして3日たった。勉強よりも学園生の顔と名前を一致するのに力を注いだ3日間だったんだよ。

勉強はセルシュ先生が結構先まで教えてくれてたから、無問題。(あの地獄が役にたった！)


2日後に神前裁判が私を神告者、犯罪者を神判者として行われる。

このまま何事も無く迎えるのかと思いきや、敵はそんなに甘くは無かった。



「サウスリアナ様。」

お昼ご飯の後、教室に入ろうとした所で弱々しく呼ばれた。

振り向くとふわふわピンクの可愛い女の子が、翡翠の眼に涙を溜めて怯えたように私を見ている。ピンクを５､６人の男子生徒が守るように囲んでた。

そろそろ接触してくるかなぁ～と思ったけど、ホントに来ましたー。

だが無視。

1人のピンクの取り巻きが苛立った声でこちらに近づいて肩を掴もうとするーーのをリッツヘルムが腕を捻って押し倒した。
痛そう～。悲鳴が出てるもんね。

「なんて事するんですか?!」

私は無視、かわりにリッツヘルムが答えた。

「お嬢様の負傷した肩を掴もうとしました。正当防衛です。」

「彼女が呼んでるのに無視して行こうとしたからです。」

「貴女に呼ばれたら、答えなければいけない義務がありますか？しかもお嬢様が名前で呼ぶのをお許しになっていません。」

そう、一度も許してない。なのにコイツはいつも名前で読んでくると日記にあった。

「そんな酷いわ。」

ぽろぽろ涙を零して男子生徒の庇護欲を掻き立ててる。まあ、儚げに泣いてる可愛い女の子を問答無用で庇いたくなるよね。
嘘泣きでも。

「呼ばれたら返事をするのが普通だろう。どれだけ傲慢なんだ！」

おっとぉ、此奴の相手はリッツヘルムには無理だ。

私は1歩前に出てスカートを摘み頭を下げて傲慢呼ばわりした男に挨拶する。

「御機嫌よう、第二皇子殿下。呼ばれて無視したら傲慢ですか？以前私に学園で同じ事を貴方もしたのですが·····でも仕方ありませんわね。だって第二皇子殿下・・・・・・ですもの。」

ニッコリ笑って言ってやる。第二皇子殿下は顔を赤くしてブルブル震え叫んだ。

「昔の事を論あげつらってしつこい女だな！」

「まあ、半年前の事なのに昔ですか？それともお忘れになったのでしょうか？ああ、でもこれも仕方ありませんわね。」

貴方馬鹿ですもんね。犯罪者が馬鹿1であんたが馬鹿2だよ。

思いっきり憐れみの目で見てやる。

もうブルブル震えて怒りで声が出なさそう。
ピンクの横にいる男が馬鹿2を落ち着かせる。

「殿下。このような女をまともに相手にしてはいけません。落ち着いて下さい。」

「ああ、危うく悪女の魔の手にかかる所だった。」

ぶふっ！

この程度で魔の手って、大袈裟過ぎwww

馬鹿2を止めた男は眼鏡をクイッと上げてこちらを見た。

これから本題なのね。