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獲物が釣れました
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「聞こえなかったか。教室に戻れと行ったんだ。」
私を睨みながら言ってきた。
ピンクの取り巻き達はあからさまにホッとしている。
甘いな~。
「先生はいつからいらしたんですか?」
「今来た所だ。」
「だそうですが、本当ですか?」
廊下の曲がり角に向かって聞く。そこから、50代位の銀髪の男性が出てきた。
「いいや、彼は10分前からいて成り行きを見ていた。」
ブノーセクノは驚いたように銀髪の男性を見た。
「副理事長?!」
「マセル公爵令嬢の侍女に、君がいつも彼女が周りに中傷されているのを影から見ている。彼女が誤解を解こうとすると、出てきて邪魔をする。と聞かされ笑い飛ばした。
今日は侍女に呼ばれて黙って見ているよう言われて確認したが
本当にしていたとは。
それも公爵令嬢が糾弾されているのを嗤って見ている姿にはゾッとした!」
「副理事長、私は·····」
続きが出てこず力なく崩れた。
私は副理事長に向かって
「副理事長、授業が始まっていますが、このまま続けさせて下さい。でなければ憶測が学園中に広まるでしょう。
あの刺殺未遂もそこから始まったのです。」
副理事長が考えていると、堪りかねた馬鹿2が叫んだ。
「知ったように言うがお前は記憶喪失なんだろ!兄上が私達に言ってーー」
「殿下!!」
皆がえっ?!って顔で私を見た。
そりゃ見るよね。今までの事を知ってるように言ってんだもん。
あと眼鏡は止めるの間に合ってないよ。
「第二皇子殿下。それは皇帝陛下のお言葉に逆らうとご存知ですか?」
「あっーーー」
あっ、じゃねーわ。いくら付け焼き刃の私でも皇帝に逆らうなんて恐ろしいってくらい解るわ!
「その件は皇帝陛下にお任せせねばなりません。
それより副理事長。」
「·····良かろう。」
しぶしぶだけど許可が降りた。
「ではもう一度聞きます。あなた方は神前裁判でも同じ証言が出来ますね。」
断定口調で微笑みかける。
5人とも震えている。そりゃそうだ。軽い罪でも破門だもん。
大陸はどの国でもノーダム神を国教にしている。そして政教分離してるから、国主でも口出し出来ない。
5人とも平民だから死活問題だよね。
「すみません!嘘です!見てません!!」
1人の女生徒が膝をついて謝ってきた。
他の4人も同じように膝をつく。
「俺も見てません。」
「「私も!」」
「俺も!」
当たり前だ。記憶喪失の私にはピンクを苛める理由がない。
私を睨みながら言ってきた。
ピンクの取り巻き達はあからさまにホッとしている。
甘いな~。
「先生はいつからいらしたんですか?」
「今来た所だ。」
「だそうですが、本当ですか?」
廊下の曲がり角に向かって聞く。そこから、50代位の銀髪の男性が出てきた。
「いいや、彼は10分前からいて成り行きを見ていた。」
ブノーセクノは驚いたように銀髪の男性を見た。
「副理事長?!」
「マセル公爵令嬢の侍女に、君がいつも彼女が周りに中傷されているのを影から見ている。彼女が誤解を解こうとすると、出てきて邪魔をする。と聞かされ笑い飛ばした。
今日は侍女に呼ばれて黙って見ているよう言われて確認したが
本当にしていたとは。
それも公爵令嬢が糾弾されているのを嗤って見ている姿にはゾッとした!」
「副理事長、私は·····」
続きが出てこず力なく崩れた。
私は副理事長に向かって
「副理事長、授業が始まっていますが、このまま続けさせて下さい。でなければ憶測が学園中に広まるでしょう。
あの刺殺未遂もそこから始まったのです。」
副理事長が考えていると、堪りかねた馬鹿2が叫んだ。
「知ったように言うがお前は記憶喪失なんだろ!兄上が私達に言ってーー」
「殿下!!」
皆がえっ?!って顔で私を見た。
そりゃ見るよね。今までの事を知ってるように言ってんだもん。
あと眼鏡は止めるの間に合ってないよ。
「第二皇子殿下。それは皇帝陛下のお言葉に逆らうとご存知ですか?」
「あっーーー」
あっ、じゃねーわ。いくら付け焼き刃の私でも皇帝に逆らうなんて恐ろしいってくらい解るわ!
「その件は皇帝陛下にお任せせねばなりません。
それより副理事長。」
「·····良かろう。」
しぶしぶだけど許可が降りた。
「ではもう一度聞きます。あなた方は神前裁判でも同じ証言が出来ますね。」
断定口調で微笑みかける。
5人とも震えている。そりゃそうだ。軽い罪でも破門だもん。
大陸はどの国でもノーダム神を国教にしている。そして政教分離してるから、国主でも口出し出来ない。
5人とも平民だから死活問題だよね。
「すみません!嘘です!見てません!!」
1人の女生徒が膝をついて謝ってきた。
他の4人も同じように膝をつく。
「俺も見てません。」
「「私も!」」
「俺も!」
当たり前だ。記憶喪失の私にはピンクを苛める理由がない。
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