17 / 64
立場が逆転。
しおりを挟む
「誰に頼まれたの?」
最後まで答えてもらおうじゃない。
5人は更に顔面蒼白になっている。
「1人2人なら友情で私を悪者にするのも頷けます。ですが5人もの平民が公の場で私に冤罪をかけた。正直に言った方が身のためですよ。」
優しく言ったのになんで震えが大きくなってんのよ!
「ミルボーン様に頼まれました。」
「全員?」
5人とも頷く。眼鏡が焦って否定しだす。
「そんな事はしていない!」
「私たちを集めて言ったじゃないですか?」
「『家族が大事ならどうすればいいかわかるな』って」
「公爵家が出てきても守ってくれるって言ったからっ!」
「神前裁判で真偽者になったら終わりだ!!」
最後は泣きながら訴える。
陥れようとされてたけど、なんか可哀想になってきた。
でももう一つ確認したい事がある。
「今まで私がしたと言う苛めの証言もあなた達関わってますよね。それもどうなんですか?」
神前裁判の真偽者にされるより、この場で貴族に逆らう方がまだマシだと判断したようだ。我先にと喋りだした。
「初めは皇太子殿下と一緒にキリカさんが私に聞いてきたんです。
足を掛けられて倒れたのを見たかって。
殿下が公爵令嬢に対して怒っていて、どうなんだって聞かれて怖くて頷いてしまったんです。」
「俺も同じです。皇太子殿下に見ただろうって凄まれて見てないって言えなくてっ!」
「その後は何かある度にミルボーン様が来られて、もう従うしか生きる道はなかったんです!」
眼鏡が取り繕うのも忘れて叫んだ。
「嘘をつくな!!」
「では彼らの言ったことを声にだしてハッキリ否定して下さい。」
眼鏡はハッとしたように私を見た。
唇を戦慄かせるだけで、声が出ていない。
「どうしました?今貴方は彼らを脅して嘘の証言をするよう強要したと言われたんです。
違うなら、彼らの言った事は嘘で家族を人質に脅した事も証言を強要した事も無いと言えばいいだけです。」
違うと言えば神前裁判に出されるし、本当だと言えば、公爵令嬢で皇太子の婚約者を陥れたと知れ渡る。
どちらもこの国では生きられない。
「沈黙は肯定と取られます。私は貴方達と違って双方の言い分を聞いて判断したいのです。」
「·····」
「答えないなら結構です。機会はありますから。」
私がどこで機会を作るかわかったようで、吐き捨てるように言った。
「彼らの言ったことは本当だ。」
「なぜそんな真似を?」
メガネは私を睨み嘲った。
「分かってるだろう。お前を追い落とせば、マセル公爵の力も弱まる。学園生の間しか機会はない。
上手くいっていたと思ったが·····」
充分だね。言質は取れたし、これだけの観客もいる。
力無く項垂れてるこいつに同情の余地はない。
「副理事長。ありがとうございます。ブノーセクノ先生の処罰は学園側にお任せ致します。」
副理事長、呆然となってるよ。
馬鹿2とメガネは動けないようだ。
ピンクは俯いてる。
取り敢えず一件落着。
·····後が大変そう。
最後まで答えてもらおうじゃない。
5人は更に顔面蒼白になっている。
「1人2人なら友情で私を悪者にするのも頷けます。ですが5人もの平民が公の場で私に冤罪をかけた。正直に言った方が身のためですよ。」
優しく言ったのになんで震えが大きくなってんのよ!
「ミルボーン様に頼まれました。」
「全員?」
5人とも頷く。眼鏡が焦って否定しだす。
「そんな事はしていない!」
「私たちを集めて言ったじゃないですか?」
「『家族が大事ならどうすればいいかわかるな』って」
「公爵家が出てきても守ってくれるって言ったからっ!」
「神前裁判で真偽者になったら終わりだ!!」
最後は泣きながら訴える。
陥れようとされてたけど、なんか可哀想になってきた。
でももう一つ確認したい事がある。
「今まで私がしたと言う苛めの証言もあなた達関わってますよね。それもどうなんですか?」
神前裁判の真偽者にされるより、この場で貴族に逆らう方がまだマシだと判断したようだ。我先にと喋りだした。
「初めは皇太子殿下と一緒にキリカさんが私に聞いてきたんです。
足を掛けられて倒れたのを見たかって。
殿下が公爵令嬢に対して怒っていて、どうなんだって聞かれて怖くて頷いてしまったんです。」
「俺も同じです。皇太子殿下に見ただろうって凄まれて見てないって言えなくてっ!」
「その後は何かある度にミルボーン様が来られて、もう従うしか生きる道はなかったんです!」
眼鏡が取り繕うのも忘れて叫んだ。
「嘘をつくな!!」
「では彼らの言ったことを声にだしてハッキリ否定して下さい。」
眼鏡はハッとしたように私を見た。
唇を戦慄かせるだけで、声が出ていない。
「どうしました?今貴方は彼らを脅して嘘の証言をするよう強要したと言われたんです。
違うなら、彼らの言った事は嘘で家族を人質に脅した事も証言を強要した事も無いと言えばいいだけです。」
違うと言えば神前裁判に出されるし、本当だと言えば、公爵令嬢で皇太子の婚約者を陥れたと知れ渡る。
どちらもこの国では生きられない。
「沈黙は肯定と取られます。私は貴方達と違って双方の言い分を聞いて判断したいのです。」
「·····」
「答えないなら結構です。機会はありますから。」
私がどこで機会を作るかわかったようで、吐き捨てるように言った。
「彼らの言ったことは本当だ。」
「なぜそんな真似を?」
メガネは私を睨み嘲った。
「分かってるだろう。お前を追い落とせば、マセル公爵の力も弱まる。学園生の間しか機会はない。
上手くいっていたと思ったが·····」
充分だね。言質は取れたし、これだけの観客もいる。
力無く項垂れてるこいつに同情の余地はない。
「副理事長。ありがとうございます。ブノーセクノ先生の処罰は学園側にお任せ致します。」
副理事長、呆然となってるよ。
馬鹿2とメガネは動けないようだ。
ピンクは俯いてる。
取り敢えず一件落着。
·····後が大変そう。
13
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
クゥクーの娘
章槻雅希
ファンタジー
コシュマール侯爵家3男のブリュイアンは夜会にて高らかに宣言した。
愛しいメプリを愛人の子と蔑み醜い嫉妬で苛め抜く、傲慢なフィエリテへの婚約破棄を。
しかし、彼も彼の腕にしがみつくメプリも気づいていない。周りの冷たい視線に。
フィエリテのクゥクー公爵家がどんな家なのか、彼は何も知らなかった。貴族の常識であるのに。
そして、この夜会が一体何の夜会なのかを。
何も知らない愚かな恋人とその母は、その報いを受けることになる。知らないことは罪なのだ。
本編全24話、予約投稿済み。
『小説家になろう』『pixiv』にも投稿。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる