15 / 29
ヒルデガルダ・ギリングの奮闘
2
しおりを挟む
次の日から早速漆黒の塔に通いだした。
他の二人もそうだがヒルデガルダも漆黒の塔に入る為、魔法、剣、魔道具のどれに適性があるかテストを受け、剣の才があると言われたのでヴァルキュリアに師事した。
ヴァルキュリアは漆黒の塔第二位の魔剣主で三人の護身術も受け持っている。
ヴァルキュリアの修行はーーー鬼畜の一言で表される。
ヒルデガルダは騎士を目指していたが、漆黒の塔の騎士は魔法の知識や生物(魔物や人含む)の生態や弱点の知識も必要で騎士の訓練をしながら座学も行い、答えられなければ訓練が終わらない。
将来漆黒の塔に入り家族と縁を切り、緑葉の間で仕事以外はダラダラ過ごす夢に向かって頑張った。
そのために元々持っている風以外の三属性も休息日をいれずに取得した。
直後は瀕死の状態だったが·····
そんなヒルデガルダをヴァルキュリアは我が事のように喜んでいてヒルデガルダも嬉しかったが、もしかして自分の代わりに賢者につけようと画策しているのではと一抹の不安が過ぎる。
「ヴァル様、わたしは黒騎士の位を目指しているんですが·····」
ヴァルキュリアを愛称で呼ぶのを許され(ヴァルと呼んでと言われた)、何くれとなく面倒を見てくれる彼女には三人とも頭が上がらなくなっていた。
そんなヴァルキュリアはいい笑顔で
「もちろん何を目指してもいいけど様々な状況でも対処できるように強くなって損はありません!」
と言われ、ヒルデガルダも確かに!と納得してそれからも鬼畜修行に疑問を持たずについていった。
どちらも脳筋だったーーー
その結果、学院に入学する頃には意識しなくとも常時身体強化ができて、漆黒の塔の騎士や黒騎士、魔法騎士よりも強くなり漆黒の塔の誰もが魔剣主ヴァルキュリアの愛弟子と認められる程の実力をつけていった。
「わたくし最近不安になるんですの。」
フレイヤが読んでいた本を置き唐突に言い出した。
今日は三人の休憩が重なり、緑葉の間で思い思いに過ごしていた。
「なになになにー?
春の学院入学の事?
あと2ヶ月だもんね。
それなら私も不安はあるからわかるよー☆」
魔道具に使う魔石の鑑定をしていたヨルズノートが顔を上げてフレイヤの言葉に賛同する。
クッションに埋もれてダラダラしていたヒルデガルダもフレイヤの方を見た。
「それも不安ですが違いますわ。
考えすぎかもしれませんが隠者ヴォルヴァはもしかしたらわたくしを賢者にするつもりでご教授して下さっているのではと心配なんですの。」
フレイヤは片手を頬に当て眉を八の字にしている。
「·····私も同じ心配してる。
師匠も「もう賢者辞めたい」って時々言ってるもん。
でも今は実質賢者が二人しか居ないから辞められないって嘆きながらチラチラ私の方を見るし·····」
その発言にヒルデガルダも思い当たる事があった。
3ヶ月前の漆黒の塔での騎士全体訓練をした時だ。
広大な訓練場に騎士達2000人が集まっていた。
「今日は総当たり戦を行います。
最後まで立っていた者以外は一週間日の出から日没まで基礎練習をさせますので皆様お励みなさい。」
その言葉に皆が顔色を無くし、宿敵を前にしたような目で他の者を見る。
それは騎士でもないのに参加させられたヒルデガルダも同じだった。
ヴァルキュリアの言う基礎練習は走り込み、腕立て、腹筋、素振りと休みなく続く地獄の訓練だ。
日没になる前に立ち上がる体力も気力も無くなっている。
そんな状態でも見守り(見張り)人形に回復薬を飲まされ日没まで休めないのだ。
それを一週間など誰もしたくない。
皆死に物狂いで乱戦に突入した。
ヒルデガルダも絶対に生き残る(最後まで立つ)為に剣術と魔法と体術を駆使し、終了時には何とか立っている事が出来た。
他に立っていたのは数名の魔法騎士だけで、ヴァルキュリアの「これで終了します。」の言葉を聞いてヒルデガルダ含め全員が地面にダイブした。
その時に意識を朦朧とさせながらもヴァルキュリアの独り言が聞こえてきたのだ。
「賢者候補筆頭はヒルダかしらね。」
声にならない叫びを最後にヒルデガルダは気絶した。
あの時の発言は幻聴だったと思いたい。
漆黒の塔の中でも騎士は超実力主義達だ。
強ければ性別や身分など気にしない。
最初は〈双眼者〉だからと騎士を統括するヴァルキュリアに指導してもらっていたヒルデガルダに当たりがキツかった。
しかし7才で四属性を獲得し、ヴァルキュリアの地獄の特訓に不平不満を漏らさず黙々とこなし、剣の才を発揮したヒルデガルダを騎士達は少しづつ認めてくれるようになり、14才の今ではまだ騎士になっていないのに仲間のように接してくれる。
~騎士達の感想~
某魔騎士「俺より年下なのにすっげー努力してんの知ってるし、すっげー強いんだぜ。下っ端の俺が悪口言ったらただの僻みじゃん。そんなかっこ悪いことできるかよ。」
ーー漢だった。
某黒騎士「幼いのに弛まぬ努力と折れない精神に敬意を持つのは当然。」
ーー騎士の鏡。
某魔法騎士「愛らしいのに容赦ない攻撃にゾクゾクしちゃう。」
ーーこっちがゾクゾクする。
某魔剣主「賢者になって俺を武者修行に行かせてくれ!」
ーー感想ではなくただの願望だ。
ちなみに騎士の部署は下から魔騎士➡黒騎士➡魔法騎士➡魔剣主で上の地位に上がるほど常識から離れる。
今までこの世界で生き抜くのに必要だからと脇目も振らず厳しい修行も耐えてきたが、賢者にはなりたくない。
世の中の賢者のイメージは賢く強く世の理を知る尊敬される地位だが、現実は癖の強い漆黒の塔の人々を纏めなければならないし、依頼を受けて仕事を振り分け書類仕事もしなければならない、雑用係にしか見えない。
その上変人扱いだ。
魔法関係は隠者ヴォルヴァが魔道具関係は賢者イーヴァルディがそして騎士関係は魔剣主ヴァルキュリアが主に雑用係を担っている。
三人とも雑用係を誰かに押し付け、好きな研究や仕事だけをしたくて獲物を狙っているのだ。
その候補としてヒルデガルダの若手三人が標的にされていると三人ともが思っている。
「わたくしには荷が重いので魔法師がいいですわ!」
「私も魔道師で!」
ここでそんな宣言をしても意味がないのに二人は賢者になりたくなくて誰にともなく訴えていた。
かく言うヒルデガルダも黒騎士の位を狙っている。
だがどの部署よりも騎士は実力の誤魔化しが効かない。
漆黒の塔に入る試験で手を抜きたいが手を抜けばバレる。
最近になって三人とも周りを見始め、師匠達が三人に無茶振りをしていたと知ったが、その無茶振りに破滅したくなくて死に物狂いでついていったせいで将来を嘱望されるほどの有望株になった。
こうなった原因はわかっている。
師事した人が無茶振りを無茶振りと思っていない。
自分の教え子なら当然できると思っていたのだ。
なぜならヒルデガルダだけでなく、三人の師が漆黒の塔トップクラスの実力者達なのだから。
他の二人もそうだがヒルデガルダも漆黒の塔に入る為、魔法、剣、魔道具のどれに適性があるかテストを受け、剣の才があると言われたのでヴァルキュリアに師事した。
ヴァルキュリアは漆黒の塔第二位の魔剣主で三人の護身術も受け持っている。
ヴァルキュリアの修行はーーー鬼畜の一言で表される。
ヒルデガルダは騎士を目指していたが、漆黒の塔の騎士は魔法の知識や生物(魔物や人含む)の生態や弱点の知識も必要で騎士の訓練をしながら座学も行い、答えられなければ訓練が終わらない。
将来漆黒の塔に入り家族と縁を切り、緑葉の間で仕事以外はダラダラ過ごす夢に向かって頑張った。
そのために元々持っている風以外の三属性も休息日をいれずに取得した。
直後は瀕死の状態だったが·····
そんなヒルデガルダをヴァルキュリアは我が事のように喜んでいてヒルデガルダも嬉しかったが、もしかして自分の代わりに賢者につけようと画策しているのではと一抹の不安が過ぎる。
「ヴァル様、わたしは黒騎士の位を目指しているんですが·····」
ヴァルキュリアを愛称で呼ぶのを許され(ヴァルと呼んでと言われた)、何くれとなく面倒を見てくれる彼女には三人とも頭が上がらなくなっていた。
そんなヴァルキュリアはいい笑顔で
「もちろん何を目指してもいいけど様々な状況でも対処できるように強くなって損はありません!」
と言われ、ヒルデガルダも確かに!と納得してそれからも鬼畜修行に疑問を持たずについていった。
どちらも脳筋だったーーー
その結果、学院に入学する頃には意識しなくとも常時身体強化ができて、漆黒の塔の騎士や黒騎士、魔法騎士よりも強くなり漆黒の塔の誰もが魔剣主ヴァルキュリアの愛弟子と認められる程の実力をつけていった。
「わたくし最近不安になるんですの。」
フレイヤが読んでいた本を置き唐突に言い出した。
今日は三人の休憩が重なり、緑葉の間で思い思いに過ごしていた。
「なになになにー?
春の学院入学の事?
あと2ヶ月だもんね。
それなら私も不安はあるからわかるよー☆」
魔道具に使う魔石の鑑定をしていたヨルズノートが顔を上げてフレイヤの言葉に賛同する。
クッションに埋もれてダラダラしていたヒルデガルダもフレイヤの方を見た。
「それも不安ですが違いますわ。
考えすぎかもしれませんが隠者ヴォルヴァはもしかしたらわたくしを賢者にするつもりでご教授して下さっているのではと心配なんですの。」
フレイヤは片手を頬に当て眉を八の字にしている。
「·····私も同じ心配してる。
師匠も「もう賢者辞めたい」って時々言ってるもん。
でも今は実質賢者が二人しか居ないから辞められないって嘆きながらチラチラ私の方を見るし·····」
その発言にヒルデガルダも思い当たる事があった。
3ヶ月前の漆黒の塔での騎士全体訓練をした時だ。
広大な訓練場に騎士達2000人が集まっていた。
「今日は総当たり戦を行います。
最後まで立っていた者以外は一週間日の出から日没まで基礎練習をさせますので皆様お励みなさい。」
その言葉に皆が顔色を無くし、宿敵を前にしたような目で他の者を見る。
それは騎士でもないのに参加させられたヒルデガルダも同じだった。
ヴァルキュリアの言う基礎練習は走り込み、腕立て、腹筋、素振りと休みなく続く地獄の訓練だ。
日没になる前に立ち上がる体力も気力も無くなっている。
そんな状態でも見守り(見張り)人形に回復薬を飲まされ日没まで休めないのだ。
それを一週間など誰もしたくない。
皆死に物狂いで乱戦に突入した。
ヒルデガルダも絶対に生き残る(最後まで立つ)為に剣術と魔法と体術を駆使し、終了時には何とか立っている事が出来た。
他に立っていたのは数名の魔法騎士だけで、ヴァルキュリアの「これで終了します。」の言葉を聞いてヒルデガルダ含め全員が地面にダイブした。
その時に意識を朦朧とさせながらもヴァルキュリアの独り言が聞こえてきたのだ。
「賢者候補筆頭はヒルダかしらね。」
声にならない叫びを最後にヒルデガルダは気絶した。
あの時の発言は幻聴だったと思いたい。
漆黒の塔の中でも騎士は超実力主義達だ。
強ければ性別や身分など気にしない。
最初は〈双眼者〉だからと騎士を統括するヴァルキュリアに指導してもらっていたヒルデガルダに当たりがキツかった。
しかし7才で四属性を獲得し、ヴァルキュリアの地獄の特訓に不平不満を漏らさず黙々とこなし、剣の才を発揮したヒルデガルダを騎士達は少しづつ認めてくれるようになり、14才の今ではまだ騎士になっていないのに仲間のように接してくれる。
~騎士達の感想~
某魔騎士「俺より年下なのにすっげー努力してんの知ってるし、すっげー強いんだぜ。下っ端の俺が悪口言ったらただの僻みじゃん。そんなかっこ悪いことできるかよ。」
ーー漢だった。
某黒騎士「幼いのに弛まぬ努力と折れない精神に敬意を持つのは当然。」
ーー騎士の鏡。
某魔法騎士「愛らしいのに容赦ない攻撃にゾクゾクしちゃう。」
ーーこっちがゾクゾクする。
某魔剣主「賢者になって俺を武者修行に行かせてくれ!」
ーー感想ではなくただの願望だ。
ちなみに騎士の部署は下から魔騎士➡黒騎士➡魔法騎士➡魔剣主で上の地位に上がるほど常識から離れる。
今までこの世界で生き抜くのに必要だからと脇目も振らず厳しい修行も耐えてきたが、賢者にはなりたくない。
世の中の賢者のイメージは賢く強く世の理を知る尊敬される地位だが、現実は癖の強い漆黒の塔の人々を纏めなければならないし、依頼を受けて仕事を振り分け書類仕事もしなければならない、雑用係にしか見えない。
その上変人扱いだ。
魔法関係は隠者ヴォルヴァが魔道具関係は賢者イーヴァルディがそして騎士関係は魔剣主ヴァルキュリアが主に雑用係を担っている。
三人とも雑用係を誰かに押し付け、好きな研究や仕事だけをしたくて獲物を狙っているのだ。
その候補としてヒルデガルダの若手三人が標的にされていると三人ともが思っている。
「わたくしには荷が重いので魔法師がいいですわ!」
「私も魔道師で!」
ここでそんな宣言をしても意味がないのに二人は賢者になりたくなくて誰にともなく訴えていた。
かく言うヒルデガルダも黒騎士の位を狙っている。
だがどの部署よりも騎士は実力の誤魔化しが効かない。
漆黒の塔に入る試験で手を抜きたいが手を抜けばバレる。
最近になって三人とも周りを見始め、師匠達が三人に無茶振りをしていたと知ったが、その無茶振りに破滅したくなくて死に物狂いでついていったせいで将来を嘱望されるほどの有望株になった。
こうなった原因はわかっている。
師事した人が無茶振りを無茶振りと思っていない。
自分の教え子なら当然できると思っていたのだ。
なぜならヒルデガルダだけでなく、三人の師が漆黒の塔トップクラスの実力者達なのだから。
12
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
悪役女王アウラの休日 ~処刑した女王が名君だったかもなんて、もう遅い~
オレンジ方解石
ファンタジー
恋人に裏切られ、嘘の噂を立てられ、契約も打ち切られた二十七歳の派遣社員、雨井桜子。
世界に絶望した彼女は、むかし読んだ少女漫画『聖なる乙女の祈りの伝説』の悪役女王アウラと魂が入れ替わる。
アウラは二年後に処刑されるキャラ。
桜子は処刑を回避して、今度こそ幸せになろうと奮闘するが、その時は迫りーーーー
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる