18 / 69
一章
絶対防衛線
しおりを挟む
「では、どうしてもお二人で行かれると言うのですか?」
「ああ、私達でなければアレは止められない。」
「しかし!ベテランの冒険者でさえ……」
「師匠がこう言っているのですから大丈夫ですよ。ただ、不測の事態が無いとは言いませんので、皆さんには街の城壁で待機して頂けませんか?討ち漏らしがここに来ないとも限りませんから。」
マスターとしては特級魔術士の僕らの力量は信用に値する。
しかし、冒険者ギルドからの支援依頼という緊急事態では、何かあっては困るので、出来る限りの戦力は投入したいが、師匠が首を縦に振らない。
という板挟みに苦しむマスター。
気持ちは分かるのだが、僕らがある程度本気を出す必要があるならば、目撃者は極力減らしたい。
その上での妥協点だ。
不満はありつつも渋々僕らの要求を受け入れると、せめてと体力や魔力を回復させるポーションを持たせてくれた。
なんだかんだで、心配してくれる気持ちは嬉しい。
「では、行ってきます!朗報を待っていて下さい!」
◇
「まったく気苦労が絶えないな」
「師匠が自己中だと弟子はそうなるんです」
現在空を飛びながら移動中。
「獅子は愛しい我が子を……」
と言って致死性の毒霧が充満し、獅子を一撃で葬る魔物の群生地に蹴り落とされた時に会得した魔法だ。
獅子であっても、あの崖の高さから落ちたら死ぬし……
ぐちゃぐちゃの泣き顔で落ちて行く僕を指差して大爆笑していたな……
「死ぬ気でやれば不可能は無い!」
との有難い?お言葉を実践して会得した思い出深い魔法だが、今のご時世飛んでる人を見たことが無い。
魔術協会から飛び立った時、みんなポカンとしていた……
後で説明が面倒だ。
大体、権力で黙らせて来たので今回もこの手だろうが隠密行動が基本!はどこに行ったのだろうか。
◇
「聞いていた話と大分違いますね」
見えて来た魔物が予想以上に育っている。
当初の話ではせいぜい民家レベルだったが、ちょっとした屋敷ぐらいの大きさがある。
「ああ、全体が見える所から様子を見てみよう。迂闊に近づくなよ」
五百メートルほど離れて浮遊する。
「こ、これは……」
そこにいたのは巨大な向日葵だ。
「どうやら一段階成長している様だな。水分なのか、土の栄養分なのかは知らんが、随分と生きがいい。」
全長五メートルはあろうかという巨大な向日葵の様な花はバランス的にはタネの部分が小さく花の部分が大きいが、鮮やかな禍々しい黄色だ。
違うのは、そこから緑色の触手が何本も生えタコの様にうねりながら草原をゆっくりと進んでいるのだが、その周りにも眷属と思わしき同型の魔物が数十、うようよと付き従う。
一見するとお花畑の大移動とメルヘンな例えも出来るが、魔物は魔物だった。
草原を移動しているのだが過ぎた後には、砂漠を従えるかの如く、広範囲に枯れ果て砂漠に繋がる。
そんな様子を見ていると、急に眷属達が横に広がった。
進行方向にいたのは狼の群れだ。
ワーウルフと呼ばれる狼型の魔物で瞬発力も攻撃力も動物の狼より遥かに優れている。
数十体を一瞬で囲い込むとは、狼より速い!
その速さに目を奪われていると、取り囲んだ向日葵達が一斉に襲いかかる。
狼の魔物に触手が伸びると、やすやすと皮膚を突き破り捕獲される。
悲痛な叫び声がこだまするが、その後が酷かった。
あっという間に捕まえた触手がワーウルフを掲げ引き寄せる。
すると花の中心が開いた。
「口か!」
円形にビッシリと付いた無数の牙がワーウルフを頭から喰らう。
向日葵に対し、獲物の数は少ない。
捕食に漏れた向日葵達が群がり、引きちぎりあっという間に喰らい尽くす。
「どう猛な上に雑食ですかね、あれは」
「私も初めて見るよ。向日葵の化け物とは、明日から向日葵を見たら焼き尽くしそうだ。」
「街中では自重して下さい!」
普通にやりそうだから。
「さて、そろそろ一撃加えてみるか」
獲物を求め、向日葵達が少し散開するのを見て師匠が魔杖「深淵」を取り出す。
一匹外れたヤツに狙いを定め、炎の矢が突き刺さるが、動きは止まらない。
更に魔法が追加発動し燃え上がる。
「むっ、これではダメか」
燃え尽きた後に残る巨大な種から、再生したかの様に向日葵が生まれ出る。
しかも一気に増殖した。
「再生ではなく。高速で発芽し咲く様だな。」
「それも無数の種がいっぺんにですね。これ、国ぐらい滅びませんか?」
「自然の摂理としては一定まで増殖すれば、ある程度淘汰されるはずなのだが……」
「かと言って放置も出来ませんし、やってみます。」
増殖した一団に狙いを定め杖を振るうと、魔法陣が地面に描かれ捉える。
以前、師匠が黒ローブの魔術士を焼き尽くした炎の範囲魔法を更に数倍強化した業火が立ち昇る。
後には焼け焦げた地表だけが残る。
「やったか。しかし数匹倒すのにあの火力が必要とはな。」
現在絶賛増殖中の眷属達をみながらため息をつく。
そんな思案している師匠も美しいのだが……
ビシッ!
常時展開している防御結界が反応する。
「ちっ!」
師匠が更に重ねがけした途端、多量の礫が降り注ぐ。
「種を飛ばして来たか!」
しかも地面に着くと途端に発芽し増殖する。
「ふぅ。これは少々厄介だな」
種を一通り防ぐと進行方向の水源に回り込み距離を取る。
まだ距離はあるが、速度は予想の遥か上。
今日中には水源に辿り着く。
この辺りが防衛線ギリギリか。
「半端な威力だと、あの再生力では止まらん。かといって余波を考えると」
大規模な魔法では水源が蒸発する。
……絶対やるなよ、師匠!
このままでは拉致があかない。
師匠がキレる前になんとかせねば……
意を決して杖に魔力を込める。
「愚者の咆哮」に付いた宝玉が白く光を帯びるのを確認すると、水源に向かい水平に左から杖を振るう。
水源の手前を半円が囲う様に地面が輝き、巨大な炎の壁が迫り上がる。
「ここを突破されたら終わりです。」
絶対防衛線だ。
ここを破られる前に全てを焼き払う!
「ああ、私達でなければアレは止められない。」
「しかし!ベテランの冒険者でさえ……」
「師匠がこう言っているのですから大丈夫ですよ。ただ、不測の事態が無いとは言いませんので、皆さんには街の城壁で待機して頂けませんか?討ち漏らしがここに来ないとも限りませんから。」
マスターとしては特級魔術士の僕らの力量は信用に値する。
しかし、冒険者ギルドからの支援依頼という緊急事態では、何かあっては困るので、出来る限りの戦力は投入したいが、師匠が首を縦に振らない。
という板挟みに苦しむマスター。
気持ちは分かるのだが、僕らがある程度本気を出す必要があるならば、目撃者は極力減らしたい。
その上での妥協点だ。
不満はありつつも渋々僕らの要求を受け入れると、せめてと体力や魔力を回復させるポーションを持たせてくれた。
なんだかんだで、心配してくれる気持ちは嬉しい。
「では、行ってきます!朗報を待っていて下さい!」
◇
「まったく気苦労が絶えないな」
「師匠が自己中だと弟子はそうなるんです」
現在空を飛びながら移動中。
「獅子は愛しい我が子を……」
と言って致死性の毒霧が充満し、獅子を一撃で葬る魔物の群生地に蹴り落とされた時に会得した魔法だ。
獅子であっても、あの崖の高さから落ちたら死ぬし……
ぐちゃぐちゃの泣き顔で落ちて行く僕を指差して大爆笑していたな……
「死ぬ気でやれば不可能は無い!」
との有難い?お言葉を実践して会得した思い出深い魔法だが、今のご時世飛んでる人を見たことが無い。
魔術協会から飛び立った時、みんなポカンとしていた……
後で説明が面倒だ。
大体、権力で黙らせて来たので今回もこの手だろうが隠密行動が基本!はどこに行ったのだろうか。
◇
「聞いていた話と大分違いますね」
見えて来た魔物が予想以上に育っている。
当初の話ではせいぜい民家レベルだったが、ちょっとした屋敷ぐらいの大きさがある。
「ああ、全体が見える所から様子を見てみよう。迂闊に近づくなよ」
五百メートルほど離れて浮遊する。
「こ、これは……」
そこにいたのは巨大な向日葵だ。
「どうやら一段階成長している様だな。水分なのか、土の栄養分なのかは知らんが、随分と生きがいい。」
全長五メートルはあろうかという巨大な向日葵の様な花はバランス的にはタネの部分が小さく花の部分が大きいが、鮮やかな禍々しい黄色だ。
違うのは、そこから緑色の触手が何本も生えタコの様にうねりながら草原をゆっくりと進んでいるのだが、その周りにも眷属と思わしき同型の魔物が数十、うようよと付き従う。
一見するとお花畑の大移動とメルヘンな例えも出来るが、魔物は魔物だった。
草原を移動しているのだが過ぎた後には、砂漠を従えるかの如く、広範囲に枯れ果て砂漠に繋がる。
そんな様子を見ていると、急に眷属達が横に広がった。
進行方向にいたのは狼の群れだ。
ワーウルフと呼ばれる狼型の魔物で瞬発力も攻撃力も動物の狼より遥かに優れている。
数十体を一瞬で囲い込むとは、狼より速い!
その速さに目を奪われていると、取り囲んだ向日葵達が一斉に襲いかかる。
狼の魔物に触手が伸びると、やすやすと皮膚を突き破り捕獲される。
悲痛な叫び声がこだまするが、その後が酷かった。
あっという間に捕まえた触手がワーウルフを掲げ引き寄せる。
すると花の中心が開いた。
「口か!」
円形にビッシリと付いた無数の牙がワーウルフを頭から喰らう。
向日葵に対し、獲物の数は少ない。
捕食に漏れた向日葵達が群がり、引きちぎりあっという間に喰らい尽くす。
「どう猛な上に雑食ですかね、あれは」
「私も初めて見るよ。向日葵の化け物とは、明日から向日葵を見たら焼き尽くしそうだ。」
「街中では自重して下さい!」
普通にやりそうだから。
「さて、そろそろ一撃加えてみるか」
獲物を求め、向日葵達が少し散開するのを見て師匠が魔杖「深淵」を取り出す。
一匹外れたヤツに狙いを定め、炎の矢が突き刺さるが、動きは止まらない。
更に魔法が追加発動し燃え上がる。
「むっ、これではダメか」
燃え尽きた後に残る巨大な種から、再生したかの様に向日葵が生まれ出る。
しかも一気に増殖した。
「再生ではなく。高速で発芽し咲く様だな。」
「それも無数の種がいっぺんにですね。これ、国ぐらい滅びませんか?」
「自然の摂理としては一定まで増殖すれば、ある程度淘汰されるはずなのだが……」
「かと言って放置も出来ませんし、やってみます。」
増殖した一団に狙いを定め杖を振るうと、魔法陣が地面に描かれ捉える。
以前、師匠が黒ローブの魔術士を焼き尽くした炎の範囲魔法を更に数倍強化した業火が立ち昇る。
後には焼け焦げた地表だけが残る。
「やったか。しかし数匹倒すのにあの火力が必要とはな。」
現在絶賛増殖中の眷属達をみながらため息をつく。
そんな思案している師匠も美しいのだが……
ビシッ!
常時展開している防御結界が反応する。
「ちっ!」
師匠が更に重ねがけした途端、多量の礫が降り注ぐ。
「種を飛ばして来たか!」
しかも地面に着くと途端に発芽し増殖する。
「ふぅ。これは少々厄介だな」
種を一通り防ぐと進行方向の水源に回り込み距離を取る。
まだ距離はあるが、速度は予想の遥か上。
今日中には水源に辿り着く。
この辺りが防衛線ギリギリか。
「半端な威力だと、あの再生力では止まらん。かといって余波を考えると」
大規模な魔法では水源が蒸発する。
……絶対やるなよ、師匠!
このままでは拉致があかない。
師匠がキレる前になんとかせねば……
意を決して杖に魔力を込める。
「愚者の咆哮」に付いた宝玉が白く光を帯びるのを確認すると、水源に向かい水平に左から杖を振るう。
水源の手前を半円が囲う様に地面が輝き、巨大な炎の壁が迫り上がる。
「ここを突破されたら終わりです。」
絶対防衛線だ。
ここを破られる前に全てを焼き払う!
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる