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一章
ぽるぽる君の一撃
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正門を一撃で破壊したゴーレムは師匠共々屋敷の庭園に雪崩れ込む。
あまりの事に呆気に取られていた僕らも慌てて後を追うと、中ではゴーレムが暴れまくっていた。
「ふははっ!死ね!死ね!」
とは言っていないが、アテレコすればピッタリのその光景は一方的な蹂躙だ。
まず動いたのは、感情を持たず生まれた時点で侵入者を排除すると言う単純な命令を仕込まれ、それを忠実に実行するべく十体のゴーレムが襲いかかるが、自身の倍はある質量の違い、いや根本的な性能の違いで、次々と木っ端微塵に粉砕される。
重量級の肉弾戦に巻き込まれない様、遠巻きに武器を構える、騎士とゴーレムを生み出した魔術士と思われる面々にはゴーレムの右肩に乗った師匠が激しい動きに翻弄される事なく振るう魔法に、こちらもなす術なく倒されて行く。
完全なる正面突破。
早々と援護を諦めた僕らは、ゴーレムの切り開いた正門から庭園を通り屋敷に続くアプローチをゆっくりと歩いて進む。
最後に一人残った騎士に雷を降り注ぐと、師匠を乗せたゴーレムがゆっくりと近づいて来た。
「でけぇ!こんなゴーレム初めて見た。」
見上げるダズルの横にゴーレムから華麗に一回転をし、音もなく着地した惨劇の主人公が髪を掻き上げる。
「師匠!何ですかこれは!」
「何とはなんだ?邪魔するやつらが悪いのだろう。」
「そう言うことではなくて。」
「何だ、私の自慢のゴーレム、ぽるぽる君の事か?」
相変わらず壊滅的なネーミングセンスだが普通のゴーレムとは一線を画す。
ゴーレム自体はそんなに珍しい物ではなく、操る魔術士も多く、魔物化したゴーレムも数多く生息されているのが確認されている。
しかし、膨大な質量に対して使用する魔力量が多く燃費が悪い。
更に複雑な命令を遂行することが出来ず、一人で操るのは一体が限度と使用用途が制限される。
今では単純な衛兵や軍の盾役などに使用されるのが一般的な使い道であり、当然機敏な動きは出来ない。
対して師匠の「ぽるぽる君」は一般的なゴーレムの倍以上の体躯でありながら人と変わらぬ速度で動き、その拳の破壊力は数倍に強化されている。
文字通り破壊兵器だ。
また、通常コスト面や魔術行使の効率化を鑑みゴーレムの素材も土や石などを使用するのが一般的だが、師匠の操るゴーレムは古代魔法文明時代に存在した鋼や特殊な鉱石の複合素材を使用し、関節部位には筋力を模したパーツで補強と強化が成されている。
そして何よりそのゴーレムが纏っている銀の鎧だ。
「これはミスリルですか?」
「そうだ!カッコいいだろう!ぽるぽる君自慢の鎧だ。」
「そんなにぽんぽんと国家予算張りの特注品を作らないで下さいよ!」
「い、いいじゃないか!役に立ったのだし。何よりカッコいい!」
「すげぇ!神だ!」
すっかりダズルとゲルドは心酔している。
まぁ、男心をくすぐる出で立ちである事は間違いないが……
まぁ、師匠の規格外に毎度突っ込んでいてはラチが明かない。
「騒ぎを聞きつけ街が煩くなって来ました。早急に決着を付けたい所ですが、屋敷の方に動きが無いですね。」
巨大な魔神が暴れまくり魔法を撃ちまくったのだ、夜とはいえ市民が気がつかない訳がない。
城から騎士団が来てもおかしくは無い。
つまり時間が経てば面倒ごとが増えるのだ、その前に退散するべきだろうが、庭の惨状に屋敷に閉じこもり誰も出てくる気配が無い。
「仕方ないな!」
ぽるぽる君の肩に再び乗った師匠が屋敷に向かって叫ぶ!
「クロード!今すぐ出て来い!出て来るならばこれ以上暴れはしない。」
「脅しですか……」
依然反応が屋敷から無い事に業を煮やした師匠が「深淵」に魔力を込め、屋敷の右半分に巨大な魔力の塊をぶつける。
これだけの建物は通常魔術刻印で強化されていて、外部からの攻撃には滅法強いはずなのだが、師匠の怒りの一撃の前では紙くず同然に破壊される。
「これ以上待たせるな!」
いや、そんなに待ってはいないのだが……
屋敷内が慌ただしく動いている。
かなり強固な刻印でも施してあったのだろう。
その為屋敷に立て籠れば耐え得ると踏んでの籠城なのだろうが、一発で半壊にされてはたまらない。
正面扉が開き、執事と思わしき身なりの中年男性が出てくる。
「ここが冒険者ギルドの長クロード様の屋敷と知っての狼藉か!」
「うるさい!知らずに襲うか、馬鹿者が!さっさとヤツを連れて来い!さもなくば残りの屋敷も土台諸共破壊するぞ。」
どこのテロリスト?と思われる口上だ。
「要件なら私が聞きましょう!クロード様が直接お会いする必要はありま!?」
最後まで言い切る前に、ぽるぽる君の渾身のストレートが正面玄関を突き破る。
「お前の言い分は命をかける価値のあるものか?」
「師匠!そいつもう喋れませんよ!」
先程の一撃の余波かあまりの恐怖か、既に失禁し気を失っている。
「チッ、軟弱な。」
ぽるぽる君から飛び降りると悪態をつく。
「仕方ない。ぽるぽる君もう一撃お見舞いしてやれ!」
「まっ、待ってください!」
振りかぶる拳の前に建物にいた護衛や使用人達が出てくる。
「何だお前達は?クロードはどこだ?」
「クロード様はもうここにはいらっしゃいません!既に脱出されました!」
「なんだと!どこに逃げたか言え!」
「は、はい!この屋敷には裏の公園に続く抜け穴があるのです。既にこの近くにはいないかと」
「ルナ様、多分ヤツは第二王子の邸宅だ!」
王城には現国王とその家族のみが住み、継承権のあるものは一定の年齢になると街中に邸宅を構えそこに住んでいると言う。
第二王子の邸宅はすぐ近くにある。
そこに逃げ込んだ公算が高い。
「軟弱者が、使用人達を置いて逃げるとはな。レオ、このまま第二王子の邸宅を襲うぞ!」
「しかし、王家の邸宅に押し入るならばタダではすまないでしょう?流石に不味いのでは?」
「なに、責任はロズワルドが取ると言ったのだ、精々事後処理では苦労して貰う事にしよう」
そこまでの覚悟で言ったとは思え無いが、師匠は止まらない……
あまりの事に呆気に取られていた僕らも慌てて後を追うと、中ではゴーレムが暴れまくっていた。
「ふははっ!死ね!死ね!」
とは言っていないが、アテレコすればピッタリのその光景は一方的な蹂躙だ。
まず動いたのは、感情を持たず生まれた時点で侵入者を排除すると言う単純な命令を仕込まれ、それを忠実に実行するべく十体のゴーレムが襲いかかるが、自身の倍はある質量の違い、いや根本的な性能の違いで、次々と木っ端微塵に粉砕される。
重量級の肉弾戦に巻き込まれない様、遠巻きに武器を構える、騎士とゴーレムを生み出した魔術士と思われる面々にはゴーレムの右肩に乗った師匠が激しい動きに翻弄される事なく振るう魔法に、こちらもなす術なく倒されて行く。
完全なる正面突破。
早々と援護を諦めた僕らは、ゴーレムの切り開いた正門から庭園を通り屋敷に続くアプローチをゆっくりと歩いて進む。
最後に一人残った騎士に雷を降り注ぐと、師匠を乗せたゴーレムがゆっくりと近づいて来た。
「でけぇ!こんなゴーレム初めて見た。」
見上げるダズルの横にゴーレムから華麗に一回転をし、音もなく着地した惨劇の主人公が髪を掻き上げる。
「師匠!何ですかこれは!」
「何とはなんだ?邪魔するやつらが悪いのだろう。」
「そう言うことではなくて。」
「何だ、私の自慢のゴーレム、ぽるぽる君の事か?」
相変わらず壊滅的なネーミングセンスだが普通のゴーレムとは一線を画す。
ゴーレム自体はそんなに珍しい物ではなく、操る魔術士も多く、魔物化したゴーレムも数多く生息されているのが確認されている。
しかし、膨大な質量に対して使用する魔力量が多く燃費が悪い。
更に複雑な命令を遂行することが出来ず、一人で操るのは一体が限度と使用用途が制限される。
今では単純な衛兵や軍の盾役などに使用されるのが一般的な使い道であり、当然機敏な動きは出来ない。
対して師匠の「ぽるぽる君」は一般的なゴーレムの倍以上の体躯でありながら人と変わらぬ速度で動き、その拳の破壊力は数倍に強化されている。
文字通り破壊兵器だ。
また、通常コスト面や魔術行使の効率化を鑑みゴーレムの素材も土や石などを使用するのが一般的だが、師匠の操るゴーレムは古代魔法文明時代に存在した鋼や特殊な鉱石の複合素材を使用し、関節部位には筋力を模したパーツで補強と強化が成されている。
そして何よりそのゴーレムが纏っている銀の鎧だ。
「これはミスリルですか?」
「そうだ!カッコいいだろう!ぽるぽる君自慢の鎧だ。」
「そんなにぽんぽんと国家予算張りの特注品を作らないで下さいよ!」
「い、いいじゃないか!役に立ったのだし。何よりカッコいい!」
「すげぇ!神だ!」
すっかりダズルとゲルドは心酔している。
まぁ、男心をくすぐる出で立ちである事は間違いないが……
まぁ、師匠の規格外に毎度突っ込んでいてはラチが明かない。
「騒ぎを聞きつけ街が煩くなって来ました。早急に決着を付けたい所ですが、屋敷の方に動きが無いですね。」
巨大な魔神が暴れまくり魔法を撃ちまくったのだ、夜とはいえ市民が気がつかない訳がない。
城から騎士団が来てもおかしくは無い。
つまり時間が経てば面倒ごとが増えるのだ、その前に退散するべきだろうが、庭の惨状に屋敷に閉じこもり誰も出てくる気配が無い。
「仕方ないな!」
ぽるぽる君の肩に再び乗った師匠が屋敷に向かって叫ぶ!
「クロード!今すぐ出て来い!出て来るならばこれ以上暴れはしない。」
「脅しですか……」
依然反応が屋敷から無い事に業を煮やした師匠が「深淵」に魔力を込め、屋敷の右半分に巨大な魔力の塊をぶつける。
これだけの建物は通常魔術刻印で強化されていて、外部からの攻撃には滅法強いはずなのだが、師匠の怒りの一撃の前では紙くず同然に破壊される。
「これ以上待たせるな!」
いや、そんなに待ってはいないのだが……
屋敷内が慌ただしく動いている。
かなり強固な刻印でも施してあったのだろう。
その為屋敷に立て籠れば耐え得ると踏んでの籠城なのだろうが、一発で半壊にされてはたまらない。
正面扉が開き、執事と思わしき身なりの中年男性が出てくる。
「ここが冒険者ギルドの長クロード様の屋敷と知っての狼藉か!」
「うるさい!知らずに襲うか、馬鹿者が!さっさとヤツを連れて来い!さもなくば残りの屋敷も土台諸共破壊するぞ。」
どこのテロリスト?と思われる口上だ。
「要件なら私が聞きましょう!クロード様が直接お会いする必要はありま!?」
最後まで言い切る前に、ぽるぽる君の渾身のストレートが正面玄関を突き破る。
「お前の言い分は命をかける価値のあるものか?」
「師匠!そいつもう喋れませんよ!」
先程の一撃の余波かあまりの恐怖か、既に失禁し気を失っている。
「チッ、軟弱な。」
ぽるぽる君から飛び降りると悪態をつく。
「仕方ない。ぽるぽる君もう一撃お見舞いしてやれ!」
「まっ、待ってください!」
振りかぶる拳の前に建物にいた護衛や使用人達が出てくる。
「何だお前達は?クロードはどこだ?」
「クロード様はもうここにはいらっしゃいません!既に脱出されました!」
「なんだと!どこに逃げたか言え!」
「は、はい!この屋敷には裏の公園に続く抜け穴があるのです。既にこの近くにはいないかと」
「ルナ様、多分ヤツは第二王子の邸宅だ!」
王城には現国王とその家族のみが住み、継承権のあるものは一定の年齢になると街中に邸宅を構えそこに住んでいると言う。
第二王子の邸宅はすぐ近くにある。
そこに逃げ込んだ公算が高い。
「軟弱者が、使用人達を置いて逃げるとはな。レオ、このまま第二王子の邸宅を襲うぞ!」
「しかし、王家の邸宅に押し入るならばタダではすまないでしょう?流石に不味いのでは?」
「なに、責任はロズワルドが取ると言ったのだ、精々事後処理では苦労して貰う事にしよう」
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