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一章
魔力回復と休憩
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師匠と僕による魔法講習もひと段落した僕らは、魔力の回復度合いを体感した方が良いという師匠の教えもあり、ダズル達の魔力が回復するのを待ちながらお茶を飲んでいた。
「それにしても毎度毎度優雅な事だよな。ダンジョンとはとても思えねぇ。」
「そうですか?」
「ああ、これこそ異常だ。ピクニックでもこんな優雅にお茶など出来ないぞ。」
「普段のダンジョン探索はどうしてるんですか?」
「まず、暖かい物なんか無理だな。野営してるならまだしも、ダンジョンだと保存食と限られた水を少しづつ、いつ魔物に襲われるか分からないから交代で寝ずの番は当たり前だろ。それだって不意の襲撃には備えなきゃならんから、熟睡なんて出来ないしな。」
ダズルが指折り数えながら答える。
「確かになぁ、ダズルが細かいからウチのパーティーは食糧難で崩壊する事は無いが長期間に渡ると自給自足は当たり前だし、風呂や着替えなんて夢のまた夢だな。」
僕らが旅する時は浄化の魔法で身体は常に清潔に保たれているし、今回も基本装備は同じだがインナーなどは既に二回は着替えている。
ゲルド達も師匠の臭い!という一言で無理矢理、着替えさせられ最低限の清潔さは保たれている。
僕の収納魔法には一通りの着替えや装備が一個師団分は入っているので、それを提供した。
簡易結界を張ってあるので、当然魔物に強襲されることも無い。
「暗部も行動する時は水と食べ物の確保は最優先事項だな。魔術士がいれば水は何とかなるが、食べ物はそうはいかない。その心配が無いだけでなく、こうして普通の料理が食べられるだけで気力体力がこんなに違うというのは発見だな。」
「軍などにおいては兵站は戦略戦術に並ぶ最重要項目なのだがな。その辺の教育が疎かなのは今も昔も変わらんのか。」
「いや、兵站とか言うレベルじゃないですよ。戦場のど真ん中でフルコース食ってる様なものですからね。」
正直ダズル達と行動を共にした事による収穫は物凄く多かった。
特に師匠と二人での旅や戦闘は一切の苦労を感じたことが無かったが、魔術士や冒険者達の現状が学べた事は、今後の行動において大きい収穫だと思う。
とは言え、自重する気は師匠共々全くない。
何かあれば力技で解決する事は師匠から十分に叩き込まれている。
「さて、そろそろ魔力が回復したと思いますがどうですか?」
それぞれの魔力量が回復したのを感じたので投げかけてみる。
こう言う事は口に出して自覚するのが重要なのだ。
「そうだな、多分これが満タン状態だとは思えるぐらいにはなったな。」
魔法において優秀なリックが即答する。
器用なダズルも変わりない答えだ。
「ああ、俺も感覚は掴めたが、数値で見える方法は無いのか?」
「あるぞ。」
「あるのか!」
「そんなの聞いたこと無いぞ。」
やはり一般的で無かったか……
僕の反応にリック、ダズルも食いつく。
「魔道具の一つで、魔力の総量と残存量を数値化する物はありますよ。残量が一割を切ると警告音がする物もあります。これがそうです。」
収納魔法から指輪タイプを取り出す。
「そんな貴重な物をポンポン出すなよ。」
「ダズルはいちいち大袈裟ですよ。これも作れますからね。」
「作れるんかよ。」
「難しくは無いです。自身の持っている魔法量を感覚で理解するガイドみたいなものなので、頼るのは良くないですけどね。試しに着けてみたらどうです?」
「なら、ゲルドに着けさせた方が良いな。肝心な時に魔力枯渇でぶっ倒れられても困るしな。」
「賛成だ。」
二人に言われ、しぶしぶと言っても内心は欲しかったようで素直に右手の人差指にはめている。
「お前達!用意ができたなら、そろそろ降りるぞ。」
師匠が声をかけてくる。
あまり長く大人しくは出来ないタチなのだ。
「はい!行きましょう。」
「次は階層主がいるんだよな?」
「はい、相手はガーゴイルタイプのガーディアンが少なくとも五体です。」
ガーゴイルには様々なタイプがあり、このダンジョンは翼を持つ鋭い牙と爪を持つ怪物をかたどった石像とのことだ。
「地図はどうなってる?」
「この階段を降りると一本道ですね。通り道に扉が二つあり、その先に階層主がいる手前部屋があります。敵がいるとすればここですかね。」
「だろうな。ガーゴイルを倒しておいてくれれば楽だが、そう思い通りには行かんだろうな。」
「師匠の言う通り、戦闘覚悟で行きたいと思います。」
そう言うと皆を見回す。
「任せておけ!」
相変わらずゲルドが張り切っているが、一様に覚悟を決めた顔押している。
「では行きますか。隊列はゲルドとダズルが前衛。リックは中衛に下がって下さい。僕らは後衛に付きます。」
「索敵はいらないのか?」
「待ち伏せている可能性高いですからね。奇襲を受けても、二人なら崩されないでしょうから、リックはその隙を狙って下さい。」
「了解した。」
「遭遇したらどうする?問答無用でやって良いのか?」
流石はゲルド、脳筋思考は健在の様だ。
「敵に遭遇したら一声はかけますが。しかし、あまり期待出来ないでしょうね。」
「今度はいきなり殺すなよ?」
ダズルに突っ込まれる。
「気をつけます……」
「それにしても毎度毎度優雅な事だよな。ダンジョンとはとても思えねぇ。」
「そうですか?」
「ああ、これこそ異常だ。ピクニックでもこんな優雅にお茶など出来ないぞ。」
「普段のダンジョン探索はどうしてるんですか?」
「まず、暖かい物なんか無理だな。野営してるならまだしも、ダンジョンだと保存食と限られた水を少しづつ、いつ魔物に襲われるか分からないから交代で寝ずの番は当たり前だろ。それだって不意の襲撃には備えなきゃならんから、熟睡なんて出来ないしな。」
ダズルが指折り数えながら答える。
「確かになぁ、ダズルが細かいからウチのパーティーは食糧難で崩壊する事は無いが長期間に渡ると自給自足は当たり前だし、風呂や着替えなんて夢のまた夢だな。」
僕らが旅する時は浄化の魔法で身体は常に清潔に保たれているし、今回も基本装備は同じだがインナーなどは既に二回は着替えている。
ゲルド達も師匠の臭い!という一言で無理矢理、着替えさせられ最低限の清潔さは保たれている。
僕の収納魔法には一通りの着替えや装備が一個師団分は入っているので、それを提供した。
簡易結界を張ってあるので、当然魔物に強襲されることも無い。
「暗部も行動する時は水と食べ物の確保は最優先事項だな。魔術士がいれば水は何とかなるが、食べ物はそうはいかない。その心配が無いだけでなく、こうして普通の料理が食べられるだけで気力体力がこんなに違うというのは発見だな。」
「軍などにおいては兵站は戦略戦術に並ぶ最重要項目なのだがな。その辺の教育が疎かなのは今も昔も変わらんのか。」
「いや、兵站とか言うレベルじゃないですよ。戦場のど真ん中でフルコース食ってる様なものですからね。」
正直ダズル達と行動を共にした事による収穫は物凄く多かった。
特に師匠と二人での旅や戦闘は一切の苦労を感じたことが無かったが、魔術士や冒険者達の現状が学べた事は、今後の行動において大きい収穫だと思う。
とは言え、自重する気は師匠共々全くない。
何かあれば力技で解決する事は師匠から十分に叩き込まれている。
「さて、そろそろ魔力が回復したと思いますがどうですか?」
それぞれの魔力量が回復したのを感じたので投げかけてみる。
こう言う事は口に出して自覚するのが重要なのだ。
「そうだな、多分これが満タン状態だとは思えるぐらいにはなったな。」
魔法において優秀なリックが即答する。
器用なダズルも変わりない答えだ。
「ああ、俺も感覚は掴めたが、数値で見える方法は無いのか?」
「あるぞ。」
「あるのか!」
「そんなの聞いたこと無いぞ。」
やはり一般的で無かったか……
僕の反応にリック、ダズルも食いつく。
「魔道具の一つで、魔力の総量と残存量を数値化する物はありますよ。残量が一割を切ると警告音がする物もあります。これがそうです。」
収納魔法から指輪タイプを取り出す。
「そんな貴重な物をポンポン出すなよ。」
「ダズルはいちいち大袈裟ですよ。これも作れますからね。」
「作れるんかよ。」
「難しくは無いです。自身の持っている魔法量を感覚で理解するガイドみたいなものなので、頼るのは良くないですけどね。試しに着けてみたらどうです?」
「なら、ゲルドに着けさせた方が良いな。肝心な時に魔力枯渇でぶっ倒れられても困るしな。」
「賛成だ。」
二人に言われ、しぶしぶと言っても内心は欲しかったようで素直に右手の人差指にはめている。
「お前達!用意ができたなら、そろそろ降りるぞ。」
師匠が声をかけてくる。
あまり長く大人しくは出来ないタチなのだ。
「はい!行きましょう。」
「次は階層主がいるんだよな?」
「はい、相手はガーゴイルタイプのガーディアンが少なくとも五体です。」
ガーゴイルには様々なタイプがあり、このダンジョンは翼を持つ鋭い牙と爪を持つ怪物をかたどった石像とのことだ。
「地図はどうなってる?」
「この階段を降りると一本道ですね。通り道に扉が二つあり、その先に階層主がいる手前部屋があります。敵がいるとすればここですかね。」
「だろうな。ガーゴイルを倒しておいてくれれば楽だが、そう思い通りには行かんだろうな。」
「師匠の言う通り、戦闘覚悟で行きたいと思います。」
そう言うと皆を見回す。
「任せておけ!」
相変わらずゲルドが張り切っているが、一様に覚悟を決めた顔押している。
「では行きますか。隊列はゲルドとダズルが前衛。リックは中衛に下がって下さい。僕らは後衛に付きます。」
「索敵はいらないのか?」
「待ち伏せている可能性高いですからね。奇襲を受けても、二人なら崩されないでしょうから、リックはその隙を狙って下さい。」
「了解した。」
「遭遇したらどうする?問答無用でやって良いのか?」
流石はゲルド、脳筋思考は健在の様だ。
「敵に遭遇したら一声はかけますが。しかし、あまり期待出来ないでしょうね。」
「今度はいきなり殺すなよ?」
ダズルに突っ込まれる。
「気をつけます……」
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