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一章
十階層と三人組
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「くそー!こいつら騎士団じゃないのか?」
「無駄口叩く暇があったら、なんとかしろ!」
「うるせーぞ、リック!ちょっと待て!」
「ゲルド!まずはリックと合流してくれ。コッチはまだ持つ!」
「了解した。聞いての通りだ!リック!」
「ああ、分かった!」
十階層に降り立ち、最初の扉を開けた所で冒険者と遭遇した僕らは、全く話にならない彼らを師匠がパーティーを纏めて瞬殺した。
魔術協会が来ることは想定済みとはいえ、一切の話し合いが通用しない。
一体どんな指示が出れば、こうも問答無用で戦闘になるのだろうか?
師匠が呆れて舌戦の最中に焼き尽くしたのもあながち間違っていない気がする。
そして今だ。
続く扉には騎士団と思わしき一団が休憩を取っていた。
どうやら先行する部隊や冒険者はいるようで、後詰もしくは魔術協会への対応が主たる任務かもしれない。
何はともあれ、状況の把握もできず騎士団であるかどうか確固たる返答も貰えず遭遇した僕らにいきなり切り掛かって来た。
てっきり、騎士団であれば少しはマトモな話が出来るのだろうとタカをくくっていたのがアダになった。
問答無用でそのまま乱戦になだれ込む事になったのだ。
僕らの様に優雅に休憩を取っている訳では無く、フル装備で戦闘態勢を整えたままでの休憩だったのだから、動きは早かった。
総勢三十名を超える騎士団らしき連中は、あっという間にリック、ダズル、ゲルドの三人を分断し各個撃破の態勢を整え三人は飲まれて行く。
僕らの魔法を警戒しての戦法としては上々の仕上がりだが、これにイラついたのは師匠だ。
「お前達!さっさとその囲みを突破してここに集まれ!さもなくば私があの世に送るぞ!」
不意というか、話の通じない相手に先手を取られという体たらく。
油断というにはお粗末すぎるのでフォローのしようは無いが、敵味方関係無く纏めて魔法の餌食にするのに一切躊躇の無い師匠の素敵な性格を十分理解している三人は必死の抵抗中だ。
「さて、こちらはどうしましょうか?」
味方を乱戦に持ち込めば魔術士は手も足も出ないと踏んで騎士団の魔術士を中心に深入りせず、牽制してくる。
通常の魔術士であれば連射に不向きな詠唱のタイムラグが致命傷となる。
流石に騎士団も心得たもので、この乱戦は魔術士相手に効果的な戦術である事は間違いが無い。
相手が僕らで無ければ。
「面倒だ、一気にやってしまうか。」
「あの三人に課題を出しておいて殲滅というのは酷ですよ。」
「それもそうだな。幸い膠着状態だと思ってこちらには手を出して来ないのだろうから、せいぜい楽をさせて貰うか。」
「そうですね。こちらは僕らが動かない限り仕掛けては来ないでしょうから打つ手が無さそうにしていましょう。」
いざとなれば一気に殲滅可能性だ。
ダズル達の奮戦に期待する事にした僕らは、彼らの行く末を見守る事にした。
「待たせたなリック!うぉっ!」
ゲルドが隙を突き魔法剣で手薄な囲みを強引に斬り伏せリックと合流した途端、リックのダガー「双対の牙」がゲルドの左頬ギリギリに投げられ、後ろから斬りかかる騎士の硬く覆われた兜の眉間を貫く。
「油断しすぎだぞ。」
一秒後に手元に戻ったダガーを流れる様に振るい接近する騎士の心臓を一突きすると、引き抜く力を利用し一撃を後方に投擲する。
「わりぃ!だが助けてもらった分は働くぜ!」
魔剣に魔力を通したゲルドはその大剣を一文字に振るい、近づく騎士三人を一刀に裁断する。
一方のダズルも巧みに盾で相手の機先を逸らすと片手剣にを的確に急所に叩き込む。
数で押されると新たに会得した魔力を盾に込め衝撃波と共に吹き飛ばすシールドバッシュで自身の間合いを確保し一人また一人と斬り伏せていく。
「あの三人ちゃんと使いこなしてますね。」
「ああ、元々素地はあったがここまでとは予想以上の仕上がりだな。十分前衛として機能する。」
魔剣と呼ばれる古代魔法文明時代のアーティファクトを手にすると、その性能に依存してしまい己の技量が疎かになることが多く、これが原因で魔剣持ちは大成しないとも言われる。
しかし、ダズル、ゲルド、リックの三人は元々の力量もさる事ながら魔剣を手にしてからも、その性能に驕る事なく自身の技量に合わせた無理の無い戦い方をしていた。
その戦いぶりは賞賛に値するものだ。
「ダズル待たせたな!」
ついにリックとゲルドが囲いを破りダズルとの合流を果たす。
「はっ!」
リックのダガーが突出した騎士を正確に貫く。
投擲の精度とダガーの性能の前には鎧の装甲は意味を成さず、一撃で急所を貫く。
また一秒後に手元に戻る感覚にも慣れ、二振り目のダガーを投擲し無手の状態で肉薄しても、躊躇なく突き出した手には寸前にダガーが現れ的確に葬り去っている。
リックのダガーで出来た隙に、間髪入れずに飛び込むのはゲルドだ。
大剣を巧みに操り、敵に当たる瞬間に魔法剣と化す戦い方で長時間の戦闘であっても魔力枯渇を起こさず、類まれな攻撃力でこじ開けて行く。
大降りになるゲルドの隙を埋めるのはダズルの仕事だ。
チャンスと見て襲いかかる敵を盾で器用に機先を逸らし、正確な一刀で寄せ付けない。
ぱっと見の派手さは無いが、要としてゲルドとリックをコントロールしている。
斬り伏せられ足下に転がる死体をシールドバッシュで弾き飛ばし、動きを妨げない細やかな配慮が出来ている所もダズルの献身的な性格に寄るものだろう。
「このまま殲滅してしまいそうですね。」
「でも無さそうだぞ。」
奥の扉が開き、更に騎士団が雪崩れ込んで来た。
「三十名規模の隊が二つは潜っているって事ですかね?」
「まだ、本命の冒険者も居るはずだし、本気だな。」
「最早、問答無用の戦闘は避けられないですね。」
「ならば、遠慮はいらぬという事だ。」
師匠がとうとう動く様だ。
「無駄口叩く暇があったら、なんとかしろ!」
「うるせーぞ、リック!ちょっと待て!」
「ゲルド!まずはリックと合流してくれ。コッチはまだ持つ!」
「了解した。聞いての通りだ!リック!」
「ああ、分かった!」
十階層に降り立ち、最初の扉を開けた所で冒険者と遭遇した僕らは、全く話にならない彼らを師匠がパーティーを纏めて瞬殺した。
魔術協会が来ることは想定済みとはいえ、一切の話し合いが通用しない。
一体どんな指示が出れば、こうも問答無用で戦闘になるのだろうか?
師匠が呆れて舌戦の最中に焼き尽くしたのもあながち間違っていない気がする。
そして今だ。
続く扉には騎士団と思わしき一団が休憩を取っていた。
どうやら先行する部隊や冒険者はいるようで、後詰もしくは魔術協会への対応が主たる任務かもしれない。
何はともあれ、状況の把握もできず騎士団であるかどうか確固たる返答も貰えず遭遇した僕らにいきなり切り掛かって来た。
てっきり、騎士団であれば少しはマトモな話が出来るのだろうとタカをくくっていたのがアダになった。
問答無用でそのまま乱戦になだれ込む事になったのだ。
僕らの様に優雅に休憩を取っている訳では無く、フル装備で戦闘態勢を整えたままでの休憩だったのだから、動きは早かった。
総勢三十名を超える騎士団らしき連中は、あっという間にリック、ダズル、ゲルドの三人を分断し各個撃破の態勢を整え三人は飲まれて行く。
僕らの魔法を警戒しての戦法としては上々の仕上がりだが、これにイラついたのは師匠だ。
「お前達!さっさとその囲みを突破してここに集まれ!さもなくば私があの世に送るぞ!」
不意というか、話の通じない相手に先手を取られという体たらく。
油断というにはお粗末すぎるのでフォローのしようは無いが、敵味方関係無く纏めて魔法の餌食にするのに一切躊躇の無い師匠の素敵な性格を十分理解している三人は必死の抵抗中だ。
「さて、こちらはどうしましょうか?」
味方を乱戦に持ち込めば魔術士は手も足も出ないと踏んで騎士団の魔術士を中心に深入りせず、牽制してくる。
通常の魔術士であれば連射に不向きな詠唱のタイムラグが致命傷となる。
流石に騎士団も心得たもので、この乱戦は魔術士相手に効果的な戦術である事は間違いが無い。
相手が僕らで無ければ。
「面倒だ、一気にやってしまうか。」
「あの三人に課題を出しておいて殲滅というのは酷ですよ。」
「それもそうだな。幸い膠着状態だと思ってこちらには手を出して来ないのだろうから、せいぜい楽をさせて貰うか。」
「そうですね。こちらは僕らが動かない限り仕掛けては来ないでしょうから打つ手が無さそうにしていましょう。」
いざとなれば一気に殲滅可能性だ。
ダズル達の奮戦に期待する事にした僕らは、彼らの行く末を見守る事にした。
「待たせたなリック!うぉっ!」
ゲルドが隙を突き魔法剣で手薄な囲みを強引に斬り伏せリックと合流した途端、リックのダガー「双対の牙」がゲルドの左頬ギリギリに投げられ、後ろから斬りかかる騎士の硬く覆われた兜の眉間を貫く。
「油断しすぎだぞ。」
一秒後に手元に戻ったダガーを流れる様に振るい接近する騎士の心臓を一突きすると、引き抜く力を利用し一撃を後方に投擲する。
「わりぃ!だが助けてもらった分は働くぜ!」
魔剣に魔力を通したゲルドはその大剣を一文字に振るい、近づく騎士三人を一刀に裁断する。
一方のダズルも巧みに盾で相手の機先を逸らすと片手剣にを的確に急所に叩き込む。
数で押されると新たに会得した魔力を盾に込め衝撃波と共に吹き飛ばすシールドバッシュで自身の間合いを確保し一人また一人と斬り伏せていく。
「あの三人ちゃんと使いこなしてますね。」
「ああ、元々素地はあったがここまでとは予想以上の仕上がりだな。十分前衛として機能する。」
魔剣と呼ばれる古代魔法文明時代のアーティファクトを手にすると、その性能に依存してしまい己の技量が疎かになることが多く、これが原因で魔剣持ちは大成しないとも言われる。
しかし、ダズル、ゲルド、リックの三人は元々の力量もさる事ながら魔剣を手にしてからも、その性能に驕る事なく自身の技量に合わせた無理の無い戦い方をしていた。
その戦いぶりは賞賛に値するものだ。
「ダズル待たせたな!」
ついにリックとゲルドが囲いを破りダズルとの合流を果たす。
「はっ!」
リックのダガーが突出した騎士を正確に貫く。
投擲の精度とダガーの性能の前には鎧の装甲は意味を成さず、一撃で急所を貫く。
また一秒後に手元に戻る感覚にも慣れ、二振り目のダガーを投擲し無手の状態で肉薄しても、躊躇なく突き出した手には寸前にダガーが現れ的確に葬り去っている。
リックのダガーで出来た隙に、間髪入れずに飛び込むのはゲルドだ。
大剣を巧みに操り、敵に当たる瞬間に魔法剣と化す戦い方で長時間の戦闘であっても魔力枯渇を起こさず、類まれな攻撃力でこじ開けて行く。
大降りになるゲルドの隙を埋めるのはダズルの仕事だ。
チャンスと見て襲いかかる敵を盾で器用に機先を逸らし、正確な一刀で寄せ付けない。
ぱっと見の派手さは無いが、要としてゲルドとリックをコントロールしている。
斬り伏せられ足下に転がる死体をシールドバッシュで弾き飛ばし、動きを妨げない細やかな配慮が出来ている所もダズルの献身的な性格に寄るものだろう。
「このまま殲滅してしまいそうですね。」
「でも無さそうだぞ。」
奥の扉が開き、更に騎士団が雪崩れ込んで来た。
「三十名規模の隊が二つは潜っているって事ですかね?」
「まだ、本命の冒険者も居るはずだし、本気だな。」
「最早、問答無用の戦闘は避けられないですね。」
「ならば、遠慮はいらぬという事だ。」
師匠がとうとう動く様だ。
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