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155話 ダンジョン生活生配信 1
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「なるほど、外の人とそうやって連絡をとっているわけだ。じゃあ、こっちで特に何かしなくてもいいかな?」
周囲から騒ぎ立てられるのが嫌でこもってるまであるからな。
それはそれとして、ダンジョン産の出土品が入手できなくて大変なのはわかっていた。
それでも危険ではない分、後回しにしていた。
そんなものがなくたって生活はできるからだ。
けれど、クララちゃんは歯に何か詰まったような物言いをする。
「概ねは。ただ、ダンジョン内の様子を誰もが知りたがってる状況でして。私たちが伝えても、それだけじゃ情報が足りないと」
「ダンジョンチューバーとしての注目度が上がってきてる?」
「そうですね、だからと言って、帰れなくなると知ってて入ってくる人はいないでしょう」
「だろうね。ダンジョンの中の状況が気になる。けど、自分はそこに関わりたくないって感じかな?」
「そうですね。単純に安否を確認したい家族はいらっしゃいます。私たちもダンチューブと契約をしようと思いましたが……」
「許可は降りなかった?」
「このご時世ですからね。それと、ダンジョン内の情報を表に出したくないのかもしれません。政府関係者という理由で許可が降りませんでした」
「じゃあ、実際に配信が可能なのは……」
「過去にダンジョンチューブの登録をしていて、今現在ダンジョンにいる人くらいですね。その上で、あらゆるランクダンジョンに出入りできる存在となると……」
クララちゃんの瞳がジッと俺へ焦点を当てる。
「俺か」
「もちろん、再び注目を浴びるのが嫌だというのなら無理強いはしません。けど、安否確認をするためだけでもいいのでお願いします。私は支部長の家に世話になってる身分ですので、直接配信を通じて会話をすることができませんから」
普通に電話は通じないのか?
そんな質問を送ると、
「知ってました? Dフォンの申請は探索者であることが絶対条件であることを。一般人での購入はできません。そして、総合ステータスC未満に購入権利はありません。卯保津支部長は総合Sですが、ご家族もそれに匹敵するとは限りませんので」
「残された家族は、Dフォンを購入する権利を持たないと?」
「もし購入できても、維持費が割にあいません」
え、あれってそんなに通話料かかるの?
普段使ってるけど、一切関知してなかった。
それとも、間にダンジョンセンターが入ってたから俺たちが知らないだけ?
だとしても、全く知らないというのもおかしな話だ。
それとも急に値上げした?
その方がしっくりくるな。
こんな情勢だ。それこそ情報に価値が出てくる。
そこに商機を見出すのは、人としてどうなんだと思わなくはないけど。
「地下につながるかどうかの問題ではありませんからね。つながる場所は異空間。一時間も通話するだけで数百万単位の請求がきます。それを数回ともなると、首が回らなくなるでしょう」
「そういう意味じゃ、配信ってコスパがいいのか」
「本当なら、通話以上の回線利用料がかかるもんですが、不思議とそれがない。もしかしたら、ダンジョンの異常性を外に訴えかけるための措置であった可能性があります」
「なんでまた、そんな措置を?」
「わかりませんが、もしかしたら迷宮管理者がそれに関わってる可能性があります」
「迷宮管理者が?」
一番、は自称父親の従順なるしもべ。
二番はジュリだろ?
三番はオリン曰く狂犬。
四番はオリンだし、五番はゴロウ。
六番、七番は知らないけど。
八番はセラヴィ、クララちゃんの契約者だ。
しかしそんな権限を持つとなると相当高い地位にいるはずだ。
まさか一番迷宮管理者が裏で手を回してる?
なんでまた。
いや、実は協力者のフリをして俺たちに協力してくれてるのか?
目的はどうあれ、それを利用しない手はないな。
「しかし、配信するにしてもありのままを映していいもんかね? 助かる見込みは一つもないんだろ?」
「それを見せつけることで、どれだけ機器的状況下を訴える役目を持たせます」
ふむ。世間では今頃ダンジョンをどのように扱ってるかわからないもんな。
「それなんですが……」
いつになくクララちゃんが二の句を告げずにいられる様子だ。
理由を聞けば、それはあまりにもあんまりな状況だった。
「え!? 世間はダンジョンが封鎖されたことを忘れてきてるって?」
理解ができない。
もしや政府はこの一件をもみ消すつもりか?
「きっと、政府が手を回したのでしょう。封鎖されたダンジョンは、徐々に解放状態にある。時期に市場も回復するだろう、と。私たちの活躍のおかげで確かに市場は回復しつつあります。それでも、行方不明者はいまだに返ってこないまま。ネットでは陰謀論も囁かれてるほど」
「つまり、ダンジョンの現状を伝えることで漂流者の状況を訴えることができるわけか」
「政府側がそれをよしとするかはわかりませんが」
「まぁ、なるようにしかならないだろう。しかし、ただ指を咥えて待ってるだけというのもな。どうせいろんなダンジョンに顔を出すし、ついでだ。引き受けてやろうじゃないか。ただし、うちの配信は匂いまで飛び出すぞ。匂いで悪酔いしても一切責任を取レないけど」
「むしろ現状をこれ以上ない形で伝える意味でちょうどいいかも」
「んじゃあ、SNSに書き込むか。配信というよりホームビデオ風でお送りしますって。流石に飲み食いしてる場所じゃなくて、生活風景をお伝えする感じだな」
「引き受けてくれますか?」
「どっちみちなんらかの形でダンジョン情報は伝えるつもりでいたからな」
「それに、この封鎖は日本に限った話じゃないんだろ? 世界の誰かはもう取り掛かってるかもしれないからな。むしろ遅すぎるくらいじゃないか?」
「情報規制されてるのか、日本では聞きませんね」
「じゃあ、ダメ元でやってみますか。Fランクダンジョンからでいいかな?」
「それで、お願いします」
ということになった。
「と、いうわけでですね。今日はFランクダンジョンにやってきてます」
事前にダンジョン漂流者に許可を取り、入り口からゆっくりと歩いて風景を映していく。
<コメント>
:なんんか急に始まったな
:これ、何?
:安心のヨッちゃんである
:まだ封鎖されてるダンジョンてあったんだ?
:うわ、こんなところで暮らしてんの
:私だったらすぐ不満漏らす自信あるわ
コメントの反応は上々。
案の定、クララちゃんのいう通りの内容だった。
いつの間にか封鎖ダンジョンは解放されてて、安心してダンジョンに入れるようになっているとかなんとか。
ただし直接入ってまで調べるような人は皆無で、噂だけにとどまっているらしい。
<コメント>
:政府直属の配達人なんているんだ!
:はえー、知らんかった
:こうやって俺たちの元にダンジョン素材が届いていたのね
:加工スキル持ちだけが出入り出来るってマジ?
:つまりポンちゃんも出入りできる?
「できるよ。しないけど」
「オレが出入りできないからな。つまりはオレのためってことよ」
ここでヨッちゃんが出てきてない胸を張る。
そういうところだぞ?
<コメント>
:お荷物である自覚ある上でこの余裕ヅラよ
:でも、一応は生活できてるんだ
:お風呂とかどうしてんだろ
:私、気になります
:水の確保が最優先だろ
:もしかして、魔法?
「そこはオレがこれこれこうして、こうよ」
ヨッちゃんがダンジョンの一部に魔法を行使してそこに簡易シャワー室を作った。
たまーに来てはこうやってシャワー室を設置してくれるのもあって、ヨッちゃんはダンジョン内では人気者である。
「待て、一番は女性と子供だ」
「うるせえ! オレが最初だ!」
中には、このように奪い合いに来る大人気ない男もいる。
そんな奴にはこうだ。
「やめなさい」
「んむぐ!」
大人気ない男の口へ、新作の串揚げを突っ込む。
最初こそは息継ぎができずに驚いていたが、噛み締めるたびに口の中へ旨みが広がって時期に表情が緩んでくる。
<コメント>
:まーた、無自覚で飯テロしてるよ
:まぁ、数日風呂は入れない生活してりゃこうなる。オレもそうする
:でも子供や女子に先んじて入ろうとするのはダサい
:それなー
「まぁ、同じ女としては女性向けにサービスしてるところもある」
<コメント>
:ヨッちゃんの数少ない女アピールだ
:貴重だぞ
:草
:それって女装じゃなかったんだ
:ダンジョン内でわざわざ女装する意味
:着るものなくてって?
:そんなわきゃーない
「うるへー。性別を明かすのは最後の手段なんだよ! ポンちゃんが良いって言ってくれてるからいーの! どうせ今更嫁ぐとか無理なんだしよ。楽して生きていきたーい」
<コメント>
:本音が出てますよ?
:それはそうよ
:誰だってそうなんだが?
:だからってダンジョン内に入りたいとは思わんけど
:それとこれとは話が別なんだよなー
「実際、彼女がいてくれなかったら生きる希望もなかったのは事実だよ。今でこそ、政府もこうやって手を貸してくれるけど、それ以前の状況だった。何せダンジョンの転送陣は総合ステータスで人を分ける。上位ランクの人と共同生活するには、その人に無理を強いるしかないんだ」
このコミュニティのリーダーは配信に向かってそう呼びかけた。
食糧難での出来事。衣食住。それらすら満足にできなかったこと。
そして、今現在ここのダンジョンに暮らしてる探索者、このコミュニティから出ていった探索者。
その名簿の提供をしてくれた。
「俺たちはたまにこうやって立ち寄って、情報交換をしたり、食事の炊き出しなんかをしてたってわけさ。今回配送業のクララちゃんと出会してなければ、外の世界でダンジョン漂流者が忘れ去られてるなんて知らなかったし、ダンジョン算出品をどのように手にしてたかも知らなかったよ」
<コメント>
:クララちゃんがこの配信の立役者だったか
:彼女は今何をしてんの?
:話聞いてなかったのか? 政府公認の配信業だとよ
:はえー
:それで、ダンジョンセンターは?
「彼女曰く、ダンジョンに取り込まれてそのままだそうだ。彼女も一緒に取り込まれたが、出入りできるからと表に出て情報を探ってくれてる。そんな時、政府から胡散臭い封筒が送られてきたらしい」
「あなたは選ばれた人間です、ってさ。今どきこんな胡散臭い内容文、鵜呑みにするやついる?」
<コメント>
:実際にいたからそういう活動してるんやろ?
:じゃあ、疑ってかかった人もいるのか
:あ、そういえば確かに
:政府は良かれと思って出していた?
:でもどうしてそれを公に発表しないんだ?
:それよかダンジョンはもう入って大丈夫なの?
:それをコンアイ発表してくれるって話じゃ?
:テレビでは大丈夫って言ってるけど
:誰も入ってないんだよなぁ
結局のところ、マスコミから発表された情報は眉唾で、こうやって配信することで外の情報は浮き彫りとなった。
今はまだ、こっちからの情報もすぐに揉み消されるか、自作自演のように受け取られるかもしれない。
けど、回数を増やしながら外に向かって配信していくつもりだ。
たまーにダンジョングルメを流しつつ。
俺たちの配信の道は再スタートした。
周囲から騒ぎ立てられるのが嫌でこもってるまであるからな。
それはそれとして、ダンジョン産の出土品が入手できなくて大変なのはわかっていた。
それでも危険ではない分、後回しにしていた。
そんなものがなくたって生活はできるからだ。
けれど、クララちゃんは歯に何か詰まったような物言いをする。
「概ねは。ただ、ダンジョン内の様子を誰もが知りたがってる状況でして。私たちが伝えても、それだけじゃ情報が足りないと」
「ダンジョンチューバーとしての注目度が上がってきてる?」
「そうですね、だからと言って、帰れなくなると知ってて入ってくる人はいないでしょう」
「だろうね。ダンジョンの中の状況が気になる。けど、自分はそこに関わりたくないって感じかな?」
「そうですね。単純に安否を確認したい家族はいらっしゃいます。私たちもダンチューブと契約をしようと思いましたが……」
「許可は降りなかった?」
「このご時世ですからね。それと、ダンジョン内の情報を表に出したくないのかもしれません。政府関係者という理由で許可が降りませんでした」
「じゃあ、実際に配信が可能なのは……」
「過去にダンジョンチューブの登録をしていて、今現在ダンジョンにいる人くらいですね。その上で、あらゆるランクダンジョンに出入りできる存在となると……」
クララちゃんの瞳がジッと俺へ焦点を当てる。
「俺か」
「もちろん、再び注目を浴びるのが嫌だというのなら無理強いはしません。けど、安否確認をするためだけでもいいのでお願いします。私は支部長の家に世話になってる身分ですので、直接配信を通じて会話をすることができませんから」
普通に電話は通じないのか?
そんな質問を送ると、
「知ってました? Dフォンの申請は探索者であることが絶対条件であることを。一般人での購入はできません。そして、総合ステータスC未満に購入権利はありません。卯保津支部長は総合Sですが、ご家族もそれに匹敵するとは限りませんので」
「残された家族は、Dフォンを購入する権利を持たないと?」
「もし購入できても、維持費が割にあいません」
え、あれってそんなに通話料かかるの?
普段使ってるけど、一切関知してなかった。
それとも、間にダンジョンセンターが入ってたから俺たちが知らないだけ?
だとしても、全く知らないというのもおかしな話だ。
それとも急に値上げした?
その方がしっくりくるな。
こんな情勢だ。それこそ情報に価値が出てくる。
そこに商機を見出すのは、人としてどうなんだと思わなくはないけど。
「地下につながるかどうかの問題ではありませんからね。つながる場所は異空間。一時間も通話するだけで数百万単位の請求がきます。それを数回ともなると、首が回らなくなるでしょう」
「そういう意味じゃ、配信ってコスパがいいのか」
「本当なら、通話以上の回線利用料がかかるもんですが、不思議とそれがない。もしかしたら、ダンジョンの異常性を外に訴えかけるための措置であった可能性があります」
「なんでまた、そんな措置を?」
「わかりませんが、もしかしたら迷宮管理者がそれに関わってる可能性があります」
「迷宮管理者が?」
一番、は自称父親の従順なるしもべ。
二番はジュリだろ?
三番はオリン曰く狂犬。
四番はオリンだし、五番はゴロウ。
六番、七番は知らないけど。
八番はセラヴィ、クララちゃんの契約者だ。
しかしそんな権限を持つとなると相当高い地位にいるはずだ。
まさか一番迷宮管理者が裏で手を回してる?
なんでまた。
いや、実は協力者のフリをして俺たちに協力してくれてるのか?
目的はどうあれ、それを利用しない手はないな。
「しかし、配信するにしてもありのままを映していいもんかね? 助かる見込みは一つもないんだろ?」
「それを見せつけることで、どれだけ機器的状況下を訴える役目を持たせます」
ふむ。世間では今頃ダンジョンをどのように扱ってるかわからないもんな。
「それなんですが……」
いつになくクララちゃんが二の句を告げずにいられる様子だ。
理由を聞けば、それはあまりにもあんまりな状況だった。
「え!? 世間はダンジョンが封鎖されたことを忘れてきてるって?」
理解ができない。
もしや政府はこの一件をもみ消すつもりか?
「きっと、政府が手を回したのでしょう。封鎖されたダンジョンは、徐々に解放状態にある。時期に市場も回復するだろう、と。私たちの活躍のおかげで確かに市場は回復しつつあります。それでも、行方不明者はいまだに返ってこないまま。ネットでは陰謀論も囁かれてるほど」
「つまり、ダンジョンの現状を伝えることで漂流者の状況を訴えることができるわけか」
「政府側がそれをよしとするかはわかりませんが」
「まぁ、なるようにしかならないだろう。しかし、ただ指を咥えて待ってるだけというのもな。どうせいろんなダンジョンに顔を出すし、ついでだ。引き受けてやろうじゃないか。ただし、うちの配信は匂いまで飛び出すぞ。匂いで悪酔いしても一切責任を取レないけど」
「むしろ現状をこれ以上ない形で伝える意味でちょうどいいかも」
「んじゃあ、SNSに書き込むか。配信というよりホームビデオ風でお送りしますって。流石に飲み食いしてる場所じゃなくて、生活風景をお伝えする感じだな」
「引き受けてくれますか?」
「どっちみちなんらかの形でダンジョン情報は伝えるつもりでいたからな」
「それに、この封鎖は日本に限った話じゃないんだろ? 世界の誰かはもう取り掛かってるかもしれないからな。むしろ遅すぎるくらいじゃないか?」
「情報規制されてるのか、日本では聞きませんね」
「じゃあ、ダメ元でやってみますか。Fランクダンジョンからでいいかな?」
「それで、お願いします」
ということになった。
「と、いうわけでですね。今日はFランクダンジョンにやってきてます」
事前にダンジョン漂流者に許可を取り、入り口からゆっくりと歩いて風景を映していく。
<コメント>
:なんんか急に始まったな
:これ、何?
:安心のヨッちゃんである
:まだ封鎖されてるダンジョンてあったんだ?
:うわ、こんなところで暮らしてんの
:私だったらすぐ不満漏らす自信あるわ
コメントの反応は上々。
案の定、クララちゃんのいう通りの内容だった。
いつの間にか封鎖ダンジョンは解放されてて、安心してダンジョンに入れるようになっているとかなんとか。
ただし直接入ってまで調べるような人は皆無で、噂だけにとどまっているらしい。
<コメント>
:政府直属の配達人なんているんだ!
:はえー、知らんかった
:こうやって俺たちの元にダンジョン素材が届いていたのね
:加工スキル持ちだけが出入り出来るってマジ?
:つまりポンちゃんも出入りできる?
「できるよ。しないけど」
「オレが出入りできないからな。つまりはオレのためってことよ」
ここでヨッちゃんが出てきてない胸を張る。
そういうところだぞ?
<コメント>
:お荷物である自覚ある上でこの余裕ヅラよ
:でも、一応は生活できてるんだ
:お風呂とかどうしてんだろ
:私、気になります
:水の確保が最優先だろ
:もしかして、魔法?
「そこはオレがこれこれこうして、こうよ」
ヨッちゃんがダンジョンの一部に魔法を行使してそこに簡易シャワー室を作った。
たまーに来てはこうやってシャワー室を設置してくれるのもあって、ヨッちゃんはダンジョン内では人気者である。
「待て、一番は女性と子供だ」
「うるせえ! オレが最初だ!」
中には、このように奪い合いに来る大人気ない男もいる。
そんな奴にはこうだ。
「やめなさい」
「んむぐ!」
大人気ない男の口へ、新作の串揚げを突っ込む。
最初こそは息継ぎができずに驚いていたが、噛み締めるたびに口の中へ旨みが広がって時期に表情が緩んでくる。
<コメント>
:まーた、無自覚で飯テロしてるよ
:まぁ、数日風呂は入れない生活してりゃこうなる。オレもそうする
:でも子供や女子に先んじて入ろうとするのはダサい
:それなー
「まぁ、同じ女としては女性向けにサービスしてるところもある」
<コメント>
:ヨッちゃんの数少ない女アピールだ
:貴重だぞ
:草
:それって女装じゃなかったんだ
:ダンジョン内でわざわざ女装する意味
:着るものなくてって?
:そんなわきゃーない
「うるへー。性別を明かすのは最後の手段なんだよ! ポンちゃんが良いって言ってくれてるからいーの! どうせ今更嫁ぐとか無理なんだしよ。楽して生きていきたーい」
<コメント>
:本音が出てますよ?
:それはそうよ
:誰だってそうなんだが?
:だからってダンジョン内に入りたいとは思わんけど
:それとこれとは話が別なんだよなー
「実際、彼女がいてくれなかったら生きる希望もなかったのは事実だよ。今でこそ、政府もこうやって手を貸してくれるけど、それ以前の状況だった。何せダンジョンの転送陣は総合ステータスで人を分ける。上位ランクの人と共同生活するには、その人に無理を強いるしかないんだ」
このコミュニティのリーダーは配信に向かってそう呼びかけた。
食糧難での出来事。衣食住。それらすら満足にできなかったこと。
そして、今現在ここのダンジョンに暮らしてる探索者、このコミュニティから出ていった探索者。
その名簿の提供をしてくれた。
「俺たちはたまにこうやって立ち寄って、情報交換をしたり、食事の炊き出しなんかをしてたってわけさ。今回配送業のクララちゃんと出会してなければ、外の世界でダンジョン漂流者が忘れ去られてるなんて知らなかったし、ダンジョン算出品をどのように手にしてたかも知らなかったよ」
<コメント>
:クララちゃんがこの配信の立役者だったか
:彼女は今何をしてんの?
:話聞いてなかったのか? 政府公認の配信業だとよ
:はえー
:それで、ダンジョンセンターは?
「彼女曰く、ダンジョンに取り込まれてそのままだそうだ。彼女も一緒に取り込まれたが、出入りできるからと表に出て情報を探ってくれてる。そんな時、政府から胡散臭い封筒が送られてきたらしい」
「あなたは選ばれた人間です、ってさ。今どきこんな胡散臭い内容文、鵜呑みにするやついる?」
<コメント>
:実際にいたからそういう活動してるんやろ?
:じゃあ、疑ってかかった人もいるのか
:あ、そういえば確かに
:政府は良かれと思って出していた?
:でもどうしてそれを公に発表しないんだ?
:それよかダンジョンはもう入って大丈夫なの?
:それをコンアイ発表してくれるって話じゃ?
:テレビでは大丈夫って言ってるけど
:誰も入ってないんだよなぁ
結局のところ、マスコミから発表された情報は眉唾で、こうやって配信することで外の情報は浮き彫りとなった。
今はまだ、こっちからの情報もすぐに揉み消されるか、自作自演のように受け取られるかもしれない。
けど、回数を増やしながら外に向かって配信していくつもりだ。
たまーにダンジョングルメを流しつつ。
俺たちの配信の道は再スタートした。
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