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4章 お爺ちゃんと生配信
283.お爺ちゃんと図書館巡りツアー④
「そう言えばアンブロシウス氏はセカンドルナの図書館に心当たりは?」
「まだ見つけてないな。ファストリアと同じならクエストの派生で見つかるはずだが、生憎とチェインクエストに辿り着けずにいる」
「成る程。その事でしたら私にツテがありますよ。そこに絶対あるとは言い切れませんが、無関係ではないと思うんですよ」
「アキカゼさんは我々以上にコネを持っているのだな。今回は世話になろうか、ドーター」
「はい、お世話になります、アキカゼさん」
「うん。ほら、スズキさんいくよ。こっちおいで」
「はーい」
呼べばとてとて歩いてくる様は可愛らしいのだけど、コメント欄では散々な扱いだった。
そこで個人コールで内心を聞いてみる。
『やっぱり真の姿の方をお披露目した方が良かったかな?』
『いえ、あれはマスターの前にだけお見せする姿なので、有象無象には勿体なさすぎます』
『逆にその姿でボロを出すと取り返しがつかないもんね?』
『……マスターは意地悪です』
個人コールではスズキさんはきちんと魔導書らしく振る舞ってくれる。
それでもすぐにコメントに対してレスバができる辺り、順応性は高い。そんな彼女のギャップに苦笑しながら私はとある場所に足を向けた。
「さて、ここだよ」
「ここは……」
【領主邸やんな】
【開かずの領主邸】
【実は開くんだよな】
【マジ?】
【正規ルートがあるんだよ】
【ソースどこよ?】
【アキカゼさん】
【あっ(察し)】
そう、ここは称号を持っていれば入場が可能だ。
「もう一度パーティー権を渡して貰っても?」
「構わないさ」
「仰せのままに」
「どうぞ~」
パーティーのリーダー権を貰って称号を翳すと、門が開いて電磁バリアが解けていく。
「さて、入ろうか」
「僕、ここに入るの初めてです」
「スズキさんはその時まだ鰓呼吸でしたもんね」
「頑張りました!」
【頑張った程度で種族の壁を越えんな】
【スキルの派生次第で種族は関係ないで】
【それ】
『実際のところ、肺呼吸なしでも地上に来れたんじゃない?』
『依代は普通の魚人ですので無理ですよ。お陰でとても苦労したのを覚えています。それも今では良い思い出ですが』
魔導書である彼女がそこまでして私について行きたいと思わせたのは、やっぱりあの時深海で引き止められた時かなぁ?
思い当たるところといえばそこしかない。
引き止められて、一緒の時間を共有し、古代の人たちはどんな生活をしていたのかを語り合う。
彼女にとっては懐かしむほどの過去で、なのに私に合わせて想いを馳せた。
きっとその時に心を通わせてしまってから、彼女は私に狙いをつけたのだろうね。
そして私は何度過去をやり直そうとスズキさんの願いを断れなかったと思う。
それはきっと妻との距離感を感じていたのもあるけど、単純に弱っている女性を見捨てる事ができない性分だからだろう。
だから魔導書のマスターにはなんだかんだ言いながらなっていたと思う。他ならぬスズキの願いなら、フレンドとしても汲んであげたいと思うしね。
「また来たのか」
「はい。性懲りもせず申し訳ありません。しかし今回はそちらにとっても旨みのある話ですよ」
「そうだとしても、次からはアポイントメントを取って欲しいものだ」
「善処します」
出迎えてくれた領主様は少し不機嫌だったが、アンブロシウス氏の纏う雰囲気に気圧されるようにして視線を逸らした。
苦手なタイプかな? まあ良い。
【アポなし訪問はそら嫌われますわ】
【それでも門を開けてくれる優しさ】
【ツンデレかな】
【男のツンデレとか誰得だよ】
【善処www これ絶対改善されないやつだ】
「それで、商談とはなんだ? こちらの提示出来るものは限られているが」
私はシノゴの言わずにテーブルに商品を置く。
それはファストリアの深海遺跡に置いてあったメダルなどの遺品。それを一つ一つ置いていき、最後に天空で手に入れた鉱石類を並べていく。
最初こそ胡乱気な目で品を見つめていた領主が、不意にアトランティス鋼に目を奪われるように注視した。
「この品が気になりますか?」
「あ、ああ。それが何かを聞いても?」
「アトランティス鋼と呼ばれる物質です」
「アトランティス、我ら祖先と協力関係を結んでいた種族だったか?」
「ええ、古代ムー人は他にもレムリア人とも懇意にされていましたよ」
「悪いがその名は聞いたことがない」
不発か。しかし視線が泳いだ気がするな。
「成る程。さて商談に戻りますが、このアトランティス鋼。いくらまでなら出せますか?」
「いくつ出せる? それによる」
「これ自体が非常に高価な代物ですので、多くても3つ」
「話にならないな」
「ならばこの話はなかったと言うことで」
私はアトランティス鋼を懐にしまい、席を立とうとした所で領主様に手を引かれる。
「待たれよ」
「まだ何か?」
「そう焦る事もないだろう。まだ歓待の姿勢も整ってないと言うのに。飲み物くらい用意させてくれ」
そう言って領主様は奥に引っ込んだ。
【今の流れなんだったんだ】
【お互いに相手の行動の二手三手先を読んで会話してるから全くわからん】
【交渉と言う名の殴り合いだぞ】
【領主様的には、自分が優位という立場で会話してたら、目の前に見過ごせないものが登場してめっちゃテンパってた。しかしそれを表に見せないように突っぱねたらアキカゼさんが用はそれだけだと帰ろうとしたから引き止めたんだぞ】
【つまりどう言う事だってばよ】
【領主様はツンデレ。アトランティス鋼めっちゃ欲しい】
【把握】
【会話すら異次元なんですがそれは】
【ほぼ勝利確定なん?】
【まだ本来の目的すら話してないのに勝利は草】
「今の会話に意味は?」
「あるとも。何事もストレートに言えばいいというものではないからね。特に彼の場合立場もある。突然の来訪者に低姿勢で接すると舐められるからね」
「だから主導権を握ったと?」
「そこまで大層なものでもないけどね。ただ興味は引いてもらえた。これでようやく取引の準備は整ったよ。相手の興味を引く品を持ってるかどうかで取引はようやく公平性を保つからね」
そこまで話してテーブルの前が開いて飲み物が注がれたコップがせり上がってくる。
【ん?】
【今コップどこから出た?】
「各街の領主様は古代ムーの末裔らしいからね。その手のテクノロジーを引き継いでるらしいんだ」
【把握】
「このソファ、海を泳いでるみたいです」
「流石スズキさん、お目が高いね。それは海を内包したソファだそうで」
「貰えませんかね? クランハウスに置きたいです」
『そんなに気に入ったの?』
『どうでしょうか? 少なくとも地上に置いてある品にしては興味深い程度です』
ふぅん。まぁそこも含んで交渉してみましょうかね。
それからアトランティス鋼との交渉は上手い事まとまり、私達は裏庭の山の半分の探索許可を頂いた。
先祖代々伝わるものだけど、今回は特別だそうだ。
前回もそんなこと言ってた気がするけど、そんなにアトランティス鋼が気に入ってくれたのかな?
実はあと100個あるって言ったら怒られるかな?
だがソファの方は却下された。
まぁそうだよね。
山道を歩いて鉱山へと入っていく。
すぐに古代文字で書かれた壁画にぶち当たり、アンブロシウス氏と頷き合った。
「ここの奥に魔力反応がある」
セラエ君が指さした場所には壁。
隠し扉の可能性も考えてナビゲートフェアリーを起動させるが反応はない。
そこで軽くノックしてみると、他の場所と比べて明らかに甲高い音が返ってくる場所があった。
どうやら入り口の上から新しく壁を被せたようだ。
「どうしましょうか?」
「ここは私に任せてくれたまえ。ドーター、行けるか?」
「いつでも準備はできてますわ、プロフェッサー」
「ではアキカゼさんに魔導書のオーナーとしての手本をお見せしようか」
「おお、お願いします」
これ、視聴者は私がマスターだってこと知らずに聞いてるんですよね。大丈夫かな?
【本邦初公開?】
【どんな冒涜的な能力なんだろう?】
【ハスターだしな】
【草】
「我が身を糧に、顕現せよ。ハスター!!」
アンブロシウス氏の右腕が膨張し、壁となった入口に向けて一気に雪崩れ込む。触腕が暴れ、薙ぎ払い、そして静寂が訪れる。
それはまるで本来の姿を制限的に開放したような能力で、行使したアンブロシウス氏は膝をついて呻いていた。
「大丈夫ですか?」
「平気だ。少し消耗が激しくてな。これが魔導書とマスターのオーバーライドだ。まだページ数が足りないから右腕しか変化させられないが、ページが揃えば全身を変化させられるだろう」
【は?】
【それってある意味召喚なのでは?】
【つまり魔導書の持ち主は変身ヒーロー?】
【変身するのは旧支配者なんだよなぁ】
【つまり正気度の削り合いが都度発生するのか】
【これ、配信で流してよかったのか?】
「消耗って何が減るんですか?」
「SAN値だ。正気度と呼ばれるもので、これを削りすぎると理性が擦り切れて獣と同じようになる。過度にオーバーライドしすぎると不定の狂気に陥ってしまうので気をつけたまえ」
「その、SAN値の回復方法は無いのですか?」
「勿論ある。それがページの回収だ。回収すると同時に上限も増えていくぞ。なので回収はある意味命題だ。魔導書の成長とともに、狂気に飲まれぬ強靭な精神力も養えると言うことだ。諸刃の剣であることは理解しているが」
【やっぱSAN値あるんだ】
【おらワクワクしてきたぞ】
私達は壊した壁の向こうに足を進め、そこでお目当ての図書館へと辿り着く。
しかしそこには先客がいた。
[随分と早く着いたじゃ無いか。些か予定が狂ってしまったが、まぁ良い」
アンブロシウス氏や視聴者はきっと頭の中にクエスチョンマークを浮かべていることだろう。
私の耳にはハッキリと翻訳された言葉が流れ込んでくる。
そこに居たのは、GMこと穏健派のアトランティス人だった。
「まだ見つけてないな。ファストリアと同じならクエストの派生で見つかるはずだが、生憎とチェインクエストに辿り着けずにいる」
「成る程。その事でしたら私にツテがありますよ。そこに絶対あるとは言い切れませんが、無関係ではないと思うんですよ」
「アキカゼさんは我々以上にコネを持っているのだな。今回は世話になろうか、ドーター」
「はい、お世話になります、アキカゼさん」
「うん。ほら、スズキさんいくよ。こっちおいで」
「はーい」
呼べばとてとて歩いてくる様は可愛らしいのだけど、コメント欄では散々な扱いだった。
そこで個人コールで内心を聞いてみる。
『やっぱり真の姿の方をお披露目した方が良かったかな?』
『いえ、あれはマスターの前にだけお見せする姿なので、有象無象には勿体なさすぎます』
『逆にその姿でボロを出すと取り返しがつかないもんね?』
『……マスターは意地悪です』
個人コールではスズキさんはきちんと魔導書らしく振る舞ってくれる。
それでもすぐにコメントに対してレスバができる辺り、順応性は高い。そんな彼女のギャップに苦笑しながら私はとある場所に足を向けた。
「さて、ここだよ」
「ここは……」
【領主邸やんな】
【開かずの領主邸】
【実は開くんだよな】
【マジ?】
【正規ルートがあるんだよ】
【ソースどこよ?】
【アキカゼさん】
【あっ(察し)】
そう、ここは称号を持っていれば入場が可能だ。
「もう一度パーティー権を渡して貰っても?」
「構わないさ」
「仰せのままに」
「どうぞ~」
パーティーのリーダー権を貰って称号を翳すと、門が開いて電磁バリアが解けていく。
「さて、入ろうか」
「僕、ここに入るの初めてです」
「スズキさんはその時まだ鰓呼吸でしたもんね」
「頑張りました!」
【頑張った程度で種族の壁を越えんな】
【スキルの派生次第で種族は関係ないで】
【それ】
『実際のところ、肺呼吸なしでも地上に来れたんじゃない?』
『依代は普通の魚人ですので無理ですよ。お陰でとても苦労したのを覚えています。それも今では良い思い出ですが』
魔導書である彼女がそこまでして私について行きたいと思わせたのは、やっぱりあの時深海で引き止められた時かなぁ?
思い当たるところといえばそこしかない。
引き止められて、一緒の時間を共有し、古代の人たちはどんな生活をしていたのかを語り合う。
彼女にとっては懐かしむほどの過去で、なのに私に合わせて想いを馳せた。
きっとその時に心を通わせてしまってから、彼女は私に狙いをつけたのだろうね。
そして私は何度過去をやり直そうとスズキさんの願いを断れなかったと思う。
それはきっと妻との距離感を感じていたのもあるけど、単純に弱っている女性を見捨てる事ができない性分だからだろう。
だから魔導書のマスターにはなんだかんだ言いながらなっていたと思う。他ならぬスズキの願いなら、フレンドとしても汲んであげたいと思うしね。
「また来たのか」
「はい。性懲りもせず申し訳ありません。しかし今回はそちらにとっても旨みのある話ですよ」
「そうだとしても、次からはアポイントメントを取って欲しいものだ」
「善処します」
出迎えてくれた領主様は少し不機嫌だったが、アンブロシウス氏の纏う雰囲気に気圧されるようにして視線を逸らした。
苦手なタイプかな? まあ良い。
【アポなし訪問はそら嫌われますわ】
【それでも門を開けてくれる優しさ】
【ツンデレかな】
【男のツンデレとか誰得だよ】
【善処www これ絶対改善されないやつだ】
「それで、商談とはなんだ? こちらの提示出来るものは限られているが」
私はシノゴの言わずにテーブルに商品を置く。
それはファストリアの深海遺跡に置いてあったメダルなどの遺品。それを一つ一つ置いていき、最後に天空で手に入れた鉱石類を並べていく。
最初こそ胡乱気な目で品を見つめていた領主が、不意にアトランティス鋼に目を奪われるように注視した。
「この品が気になりますか?」
「あ、ああ。それが何かを聞いても?」
「アトランティス鋼と呼ばれる物質です」
「アトランティス、我ら祖先と協力関係を結んでいた種族だったか?」
「ええ、古代ムー人は他にもレムリア人とも懇意にされていましたよ」
「悪いがその名は聞いたことがない」
不発か。しかし視線が泳いだ気がするな。
「成る程。さて商談に戻りますが、このアトランティス鋼。いくらまでなら出せますか?」
「いくつ出せる? それによる」
「これ自体が非常に高価な代物ですので、多くても3つ」
「話にならないな」
「ならばこの話はなかったと言うことで」
私はアトランティス鋼を懐にしまい、席を立とうとした所で領主様に手を引かれる。
「待たれよ」
「まだ何か?」
「そう焦る事もないだろう。まだ歓待の姿勢も整ってないと言うのに。飲み物くらい用意させてくれ」
そう言って領主様は奥に引っ込んだ。
【今の流れなんだったんだ】
【お互いに相手の行動の二手三手先を読んで会話してるから全くわからん】
【交渉と言う名の殴り合いだぞ】
【領主様的には、自分が優位という立場で会話してたら、目の前に見過ごせないものが登場してめっちゃテンパってた。しかしそれを表に見せないように突っぱねたらアキカゼさんが用はそれだけだと帰ろうとしたから引き止めたんだぞ】
【つまりどう言う事だってばよ】
【領主様はツンデレ。アトランティス鋼めっちゃ欲しい】
【把握】
【会話すら異次元なんですがそれは】
【ほぼ勝利確定なん?】
【まだ本来の目的すら話してないのに勝利は草】
「今の会話に意味は?」
「あるとも。何事もストレートに言えばいいというものではないからね。特に彼の場合立場もある。突然の来訪者に低姿勢で接すると舐められるからね」
「だから主導権を握ったと?」
「そこまで大層なものでもないけどね。ただ興味は引いてもらえた。これでようやく取引の準備は整ったよ。相手の興味を引く品を持ってるかどうかで取引はようやく公平性を保つからね」
そこまで話してテーブルの前が開いて飲み物が注がれたコップがせり上がってくる。
【ん?】
【今コップどこから出た?】
「各街の領主様は古代ムーの末裔らしいからね。その手のテクノロジーを引き継いでるらしいんだ」
【把握】
「このソファ、海を泳いでるみたいです」
「流石スズキさん、お目が高いね。それは海を内包したソファだそうで」
「貰えませんかね? クランハウスに置きたいです」
『そんなに気に入ったの?』
『どうでしょうか? 少なくとも地上に置いてある品にしては興味深い程度です』
ふぅん。まぁそこも含んで交渉してみましょうかね。
それからアトランティス鋼との交渉は上手い事まとまり、私達は裏庭の山の半分の探索許可を頂いた。
先祖代々伝わるものだけど、今回は特別だそうだ。
前回もそんなこと言ってた気がするけど、そんなにアトランティス鋼が気に入ってくれたのかな?
実はあと100個あるって言ったら怒られるかな?
だがソファの方は却下された。
まぁそうだよね。
山道を歩いて鉱山へと入っていく。
すぐに古代文字で書かれた壁画にぶち当たり、アンブロシウス氏と頷き合った。
「ここの奥に魔力反応がある」
セラエ君が指さした場所には壁。
隠し扉の可能性も考えてナビゲートフェアリーを起動させるが反応はない。
そこで軽くノックしてみると、他の場所と比べて明らかに甲高い音が返ってくる場所があった。
どうやら入り口の上から新しく壁を被せたようだ。
「どうしましょうか?」
「ここは私に任せてくれたまえ。ドーター、行けるか?」
「いつでも準備はできてますわ、プロフェッサー」
「ではアキカゼさんに魔導書のオーナーとしての手本をお見せしようか」
「おお、お願いします」
これ、視聴者は私がマスターだってこと知らずに聞いてるんですよね。大丈夫かな?
【本邦初公開?】
【どんな冒涜的な能力なんだろう?】
【ハスターだしな】
【草】
「我が身を糧に、顕現せよ。ハスター!!」
アンブロシウス氏の右腕が膨張し、壁となった入口に向けて一気に雪崩れ込む。触腕が暴れ、薙ぎ払い、そして静寂が訪れる。
それはまるで本来の姿を制限的に開放したような能力で、行使したアンブロシウス氏は膝をついて呻いていた。
「大丈夫ですか?」
「平気だ。少し消耗が激しくてな。これが魔導書とマスターのオーバーライドだ。まだページ数が足りないから右腕しか変化させられないが、ページが揃えば全身を変化させられるだろう」
【は?】
【それってある意味召喚なのでは?】
【つまり魔導書の持ち主は変身ヒーロー?】
【変身するのは旧支配者なんだよなぁ】
【つまり正気度の削り合いが都度発生するのか】
【これ、配信で流してよかったのか?】
「消耗って何が減るんですか?」
「SAN値だ。正気度と呼ばれるもので、これを削りすぎると理性が擦り切れて獣と同じようになる。過度にオーバーライドしすぎると不定の狂気に陥ってしまうので気をつけたまえ」
「その、SAN値の回復方法は無いのですか?」
「勿論ある。それがページの回収だ。回収すると同時に上限も増えていくぞ。なので回収はある意味命題だ。魔導書の成長とともに、狂気に飲まれぬ強靭な精神力も養えると言うことだ。諸刃の剣であることは理解しているが」
【やっぱSAN値あるんだ】
【おらワクワクしてきたぞ】
私達は壊した壁の向こうに足を進め、そこでお目当ての図書館へと辿り着く。
しかしそこには先客がいた。
[随分と早く着いたじゃ無いか。些か予定が狂ってしまったが、まぁ良い」
アンブロシウス氏や視聴者はきっと頭の中にクエスチョンマークを浮かべていることだろう。
私の耳にはハッキリと翻訳された言葉が流れ込んでくる。
そこに居たのは、GMこと穏健派のアトランティス人だった。
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