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42.帰路
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アストロ公爵領に滞在して数日が経ち、いよいよアリスティアは家族と共に家に戻ることになった。
「ティア、帰ってしまうなんて…
寂しくなるわ」
「私もよ、サフィ…
セルジオとライラにもよろしく伝えてね。
叔父様、叔母様、大変お世話になりました。ありがとうございました!」
お世話になったアストロ公爵夫妻とサフィーナに感謝の挨拶をすると、公爵である叔父が優しく声をかけてくれた。
「ティア!また、遊びにおいで。サフィとセルジオ、ライラと共にいつでも歓迎するよ!」
皆んなが、優しい笑顔でアリスティアを見送った。
帰りの馬車では、久しぶりの家族団欒を堪能でき、楽しい時間を過ごした。
沢山の話をする中で、特に驚いたのはアリスティアが家を離れてからの話だった。
アリスティアがこちらに身を寄せてから、兄のアレクシスと第二王子であるレオンハルトが母と王妃様に怒られた話は、衝撃的だった。
あまりの驚きに、目を丸くして隣に座る兄を見る。
隣では、兄のアレクシスがばつの悪そうな顔で座っていた。
あのお兄様が、怒られるなんていったい何年ぶりだろうか。
そして___
あのレオンハルトが、自分を探そうとしたなんて…
アリスティアの心の中で、信じられない気持ちと共に、レオンハルトへの想いが再度熱を持ち始めた。
そして、そんな自分に思う。
(諦めが悪いわね…)と。
馬車に揺られ、外の景色を眺めながらアリスティアはこれからの事を考えていた。
これからの、自身の身の置き方についてを。
◇ ◆ ◇
数ヶ月ぶりに、我が家に戻ったアリスティアを屋敷中が喜びで迎え入れた。
「「「おかえりなさいませ!お嬢様!」」」
執事やメイドたちが、満面の笑みでアリスティアの帰りを歓迎してくれていた。
皆、ニコニコと嬉しそうにアリスティアを見つめている。
特に、出て行く際の何か思い詰めた表情を見ていた執事長やアリスティアの侍女たちは、肩の荷が降りたように柔らかく微笑むアリスティアに安堵していた。
「ティア、テラスでお茶にしましょう」
荷解きも済み、自分の部屋のソファに腰を下ろそうとした矢先、母にお茶には誘われた。
久しぶりの母と娘、女性二人だけでのお喋りだった。
アストロ公爵家でも、お茶会を何度も開催してきたが親子だけでゆっくりと話すのは、再開してから初めてのことだった。
「ティア、少しはゆっくり休めたかしら?
貴女だけでも、まだ滞在してても良かったのよ?」
「いいえ、もう十分ですわ。
色々と気分転換もできましたし、考える時間も与えていただいて…
ご心配お掛けしました」
アリスティアは心配する母に、安心させるように微笑みながら答えた。
その様子に半ば呆れたように母は声をかけた。
「全く、貴女って子は…
誰に似てそんなに頑固になったのかしらね?」
「???」
「レオンハルト王子の事、諦められるの?」
「___っ!!!」
的確に意表を突いた質問だった。
まさか、母にそんな事を聞かれると思ってもみなかったアリスティアは、すぐに答えを出すことができなかった。
そして、そんなにも悩んでいる娘の姿を見た母エリザベスは決心したように告げた。
「…ティア、貴女隣国トロワに嫁ぐ気はない?」
「ティア、帰ってしまうなんて…
寂しくなるわ」
「私もよ、サフィ…
セルジオとライラにもよろしく伝えてね。
叔父様、叔母様、大変お世話になりました。ありがとうございました!」
お世話になったアストロ公爵夫妻とサフィーナに感謝の挨拶をすると、公爵である叔父が優しく声をかけてくれた。
「ティア!また、遊びにおいで。サフィとセルジオ、ライラと共にいつでも歓迎するよ!」
皆んなが、優しい笑顔でアリスティアを見送った。
帰りの馬車では、久しぶりの家族団欒を堪能でき、楽しい時間を過ごした。
沢山の話をする中で、特に驚いたのはアリスティアが家を離れてからの話だった。
アリスティアがこちらに身を寄せてから、兄のアレクシスと第二王子であるレオンハルトが母と王妃様に怒られた話は、衝撃的だった。
あまりの驚きに、目を丸くして隣に座る兄を見る。
隣では、兄のアレクシスがばつの悪そうな顔で座っていた。
あのお兄様が、怒られるなんていったい何年ぶりだろうか。
そして___
あのレオンハルトが、自分を探そうとしたなんて…
アリスティアの心の中で、信じられない気持ちと共に、レオンハルトへの想いが再度熱を持ち始めた。
そして、そんな自分に思う。
(諦めが悪いわね…)と。
馬車に揺られ、外の景色を眺めながらアリスティアはこれからの事を考えていた。
これからの、自身の身の置き方についてを。
◇ ◆ ◇
数ヶ月ぶりに、我が家に戻ったアリスティアを屋敷中が喜びで迎え入れた。
「「「おかえりなさいませ!お嬢様!」」」
執事やメイドたちが、満面の笑みでアリスティアの帰りを歓迎してくれていた。
皆、ニコニコと嬉しそうにアリスティアを見つめている。
特に、出て行く際の何か思い詰めた表情を見ていた執事長やアリスティアの侍女たちは、肩の荷が降りたように柔らかく微笑むアリスティアに安堵していた。
「ティア、テラスでお茶にしましょう」
荷解きも済み、自分の部屋のソファに腰を下ろそうとした矢先、母にお茶には誘われた。
久しぶりの母と娘、女性二人だけでのお喋りだった。
アストロ公爵家でも、お茶会を何度も開催してきたが親子だけでゆっくりと話すのは、再開してから初めてのことだった。
「ティア、少しはゆっくり休めたかしら?
貴女だけでも、まだ滞在してても良かったのよ?」
「いいえ、もう十分ですわ。
色々と気分転換もできましたし、考える時間も与えていただいて…
ご心配お掛けしました」
アリスティアは心配する母に、安心させるように微笑みながら答えた。
その様子に半ば呆れたように母は声をかけた。
「全く、貴女って子は…
誰に似てそんなに頑固になったのかしらね?」
「???」
「レオンハルト王子の事、諦められるの?」
「___っ!!!」
的確に意表を突いた質問だった。
まさか、母にそんな事を聞かれると思ってもみなかったアリスティアは、すぐに答えを出すことができなかった。
そして、そんなにも悩んでいる娘の姿を見た母エリザベスは決心したように告げた。
「…ティア、貴女隣国トロワに嫁ぐ気はない?」
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