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41.お茶会という名の女子会
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翌日、サフィーナの紹介で仲良くなった令嬢達とのお茶会がアストロ公爵家で開催された。
もちろん、一番の話題はセルジオの結婚式だった。
「セルジオ様は素敵でしたわ~!
ライラ様とお二人で誓い合っている姿なんて、神々しくて!!」
「本当に素晴らしかったですわ~!
その後の披露宴でも仲睦まじく、片時も離れず寄りそう姿はまさに理想のお二人でしたわ!!」
「サフィ様もアリスティア様も、ご準備されていたと伺いましたわ!あんな素敵なお式のお手伝いなんて凄いですわ!」
きゃぁ!きゃぁ!と、乙女たちの話に花が咲き続けていく。
そして、それは自然とお目当ての男性への話へと変わっていった。
「アリスティア様のお兄様のアレクシス様!
素敵すぎて見惚れてしまいましたわ!」
「ダンスをお願いしたところ、快く受けてくださって…!感動いたしました!
私、絶対に忘れませんわ!」
「それに、かの有名なレオンハルト王子にも初めてお会いいたしましたが…本当にお綺麗な方ですわね~!」
「ええ、ええ!彼の方の周りだけ光り輝いておりましたわ!」
「それに、今回…あのジェイデン王子殿下も参列しておりましたし!!
本当に顔面偏差値の高い素晴らしいお式でしたわ~!!」
「本当ですわよね!
ジェイデン王子殿下が公の場に顔お出すのはいつぶりだったかしら?」
「でも、本当に素敵でしたわ~」
「「「「はぁ~っ♡」」」」
本人が居なくても、惚けるような黄色い声が飛び交った。
いつの間にか、お喋りの内容が、ここトロワ王国第三王子であるジェイデン王子殿下の話題で持ち切りになった。
______トロワ王国第三王子ジェイデン
彼は、セルジオの妻となった、第二王女ライラの3つ上の兄にあたる。
とても頭が切れる上に、眉目秀麗で他国にまでその容姿が轟く程の人気ぶりだ。
しかし、当の本人は日頃からめったに人前に顔を出さない。
その為、たまたま居合わせたりと、その姿を拝見した時の令嬢方の反響は凄まじかった。
ジェイデンが動くたびに、キャーーーッ!!!っと、黄色い声が上がる。
お陰で、どこに誰が移動したのかなんて、まるわかりだった。
中には、姿を拝見しただけで気絶する者から、出血して倒れる者、神のように崇めたてる者まで出てくる始末だ。
あまりの熱狂ぶりに、うんざりしたジェイデンは益々姿を現さなくなっていった。
そして、この度の結婚式である。
あの彼が、妹姫であるライラの結婚式に参列するという噂は瞬く間に広がり、セルジオとライラの式には国内の貴族令嬢がほぼ全員参列するという、前代未聞の式となった。
もちろん、披露宴には招待した方のみだった為、終日問題なく進行された。
「そこまで人気があるのですね。ジェイデン王子殿下は…」
はて、どの方だったかしら…?
唯一、アリスティアだけはジェイデン王子殿下の話についていけなかった。
それもそのはず。
アリスティアは顔も知らなければ、結婚式で挨拶も交わしていなかったのだ。
夜会などでは、臣下が王族へ挨拶に向かうが結婚式などは代表者のみの挨拶で済まされることが多かった。
その為、親族側として参列したアリスティア達は列席者への対応で忙しく挨拶は家長のみでおこなわれていたのだ。
結局、顔がわからないアリスティアは集まった令嬢達から、思い思いのジェイデン像を聞くはめになった。
もちろん、一番の話題はセルジオの結婚式だった。
「セルジオ様は素敵でしたわ~!
ライラ様とお二人で誓い合っている姿なんて、神々しくて!!」
「本当に素晴らしかったですわ~!
その後の披露宴でも仲睦まじく、片時も離れず寄りそう姿はまさに理想のお二人でしたわ!!」
「サフィ様もアリスティア様も、ご準備されていたと伺いましたわ!あんな素敵なお式のお手伝いなんて凄いですわ!」
きゃぁ!きゃぁ!と、乙女たちの話に花が咲き続けていく。
そして、それは自然とお目当ての男性への話へと変わっていった。
「アリスティア様のお兄様のアレクシス様!
素敵すぎて見惚れてしまいましたわ!」
「ダンスをお願いしたところ、快く受けてくださって…!感動いたしました!
私、絶対に忘れませんわ!」
「それに、かの有名なレオンハルト王子にも初めてお会いいたしましたが…本当にお綺麗な方ですわね~!」
「ええ、ええ!彼の方の周りだけ光り輝いておりましたわ!」
「それに、今回…あのジェイデン王子殿下も参列しておりましたし!!
本当に顔面偏差値の高い素晴らしいお式でしたわ~!!」
「本当ですわよね!
ジェイデン王子殿下が公の場に顔お出すのはいつぶりだったかしら?」
「でも、本当に素敵でしたわ~」
「「「「はぁ~っ♡」」」」
本人が居なくても、惚けるような黄色い声が飛び交った。
いつの間にか、お喋りの内容が、ここトロワ王国第三王子であるジェイデン王子殿下の話題で持ち切りになった。
______トロワ王国第三王子ジェイデン
彼は、セルジオの妻となった、第二王女ライラの3つ上の兄にあたる。
とても頭が切れる上に、眉目秀麗で他国にまでその容姿が轟く程の人気ぶりだ。
しかし、当の本人は日頃からめったに人前に顔を出さない。
その為、たまたま居合わせたりと、その姿を拝見した時の令嬢方の反響は凄まじかった。
ジェイデンが動くたびに、キャーーーッ!!!っと、黄色い声が上がる。
お陰で、どこに誰が移動したのかなんて、まるわかりだった。
中には、姿を拝見しただけで気絶する者から、出血して倒れる者、神のように崇めたてる者まで出てくる始末だ。
あまりの熱狂ぶりに、うんざりしたジェイデンは益々姿を現さなくなっていった。
そして、この度の結婚式である。
あの彼が、妹姫であるライラの結婚式に参列するという噂は瞬く間に広がり、セルジオとライラの式には国内の貴族令嬢がほぼ全員参列するという、前代未聞の式となった。
もちろん、披露宴には招待した方のみだった為、終日問題なく進行された。
「そこまで人気があるのですね。ジェイデン王子殿下は…」
はて、どの方だったかしら…?
唯一、アリスティアだけはジェイデン王子殿下の話についていけなかった。
それもそのはず。
アリスティアは顔も知らなければ、結婚式で挨拶も交わしていなかったのだ。
夜会などでは、臣下が王族へ挨拶に向かうが結婚式などは代表者のみの挨拶で済まされることが多かった。
その為、親族側として参列したアリスティア達は列席者への対応で忙しく挨拶は家長のみでおこなわれていたのだ。
結局、顔がわからないアリスティアは集まった令嬢達から、思い思いのジェイデン像を聞くはめになった。
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