【完結】浮気した婚約者を捨てた公爵令嬢は想いを寄せられていた男達に溺愛される

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44.公爵令嬢としての決意

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朝の楽しい団欒のひととき。

…その筈だったが、アリスティアの発言で現在静まり返っている。

「ティア…別に、すぐに返事をしなくていいのよ?選択肢の一つとして頭に入れておいて欲しかっただけなの。」

「そうだよ、ティア。別に、今すぐ婚約の話が出ているわけではないんだ。」

「ティア…お前は本当にそれで後悔しないのか?」


母、父、兄から順次「急がなくていい」と、声がかかった。
それでも、アリスティアの中ではもう決まっていた。
それは、前回の婚約の時のような全てを諦めたから婚約するのではなく、今回は自らが"トラネスタ公爵令嬢"として望むと決めた事だった。

「私は、このトラネスタ家の令嬢として隣国に嫁ぎます!

もう、大丈夫ですから!
お父様、お母様、お兄様。
私はもう…前を向きます!
もう、ご心配はかけませんわ!」

"だから、安心して欲しい"

その想いも込めて、満面の笑みで応える。

その姿に、父も母も複雑そうだったが、意外にも兄はアリスティアの背中を押してくれた。

「ティアが、決めたのなら私は応援するよ!ただし、少しでも迷いがあるなら、その時はすぐに相談しなさい」

アリスティアの肩にポンっと手を置き、優しく微笑みながら兄は言う。

その様子を見た母に問われた。

「では、先方には前向きに検討していると伝えておいていいのね?」と。

アリスティアは、三人に向けて笑顔で答えた。

「ええ。もちろんです」




話しを終えた後、アリスティアとアレクシスが先に部屋へと戻った。

アリスティアの部屋の前まで来ると、アレクシスは、微笑みながら妹の頭をポンポンと優しく撫でて行った。

兄であるアレクシスは、基本的にとても紳士だ。

もちろん、アリスティアとの身体の関係もあるし、アレクシスの女性関係を指すと何とも言えないが、そんなものは今更過ぎて大騒ぎする程ではない。

次から次へと令嬢達が列を成す程、アレクシスのアフターケアは完璧だと有名だし、関係を持っていた相手と別れる際も問題が起きた事などほぼ無かった。

だからこそ、周りからは普通に聞かれる。

"お兄様と触れ合ったりはされないの?"と。

初めて言われた際には驚いたが、今時の令息と令嬢達の話を聞くと、問われたことに納得すらできた。


『私、初めては怖かったので弟にお願いしましたの』

と、話す者もいれば…

『お兄様とその婚約者様にレクチャーしてもらいました』

『私はお兄様と弟と共に練習致しましたの』

などなど…

話の内容次第では、周りのスケールの大きさに驚くこともしばしばある。


それに比べたら、兄は妹にとても優しく接してくれていると思う。

どんな時も、必ずアリスティアの味方でいてくれて、落ち込んでいると静かに側で寄り添ってくれる。

アリスティアも、そんな兄が大好きだった。



次の婚約者は、兄のような人だといいなぁ…


アリスティアは前向きに、まだ見ぬ新たな婚約者に想いを馳せた。
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