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46.父と息子
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「陛下、お呼びでしょうか?」
恭しく、臣下としての礼をとりながらジェイデンが声をかけた。
「かまわん!楽にせよ」
「…はい、父上」
臣下としてではなく、父と子として話があるらしい。
じぃーっと、国王がジェイデンを見つめる。
その目は、全てを見透かされているような、そんな目だった。
お互い言葉を発せず、暫し沈黙が続く。
そして、国王がジェイデンへと問いかけた。
「ジェイデンよ、其方何か報告せねばならぬのではないか?」
「・・・・・はい?」
国王である父の問いかけに対し、ジェイデンは"何のことだ"と、いうような反応を返して来た。
「「・・・・・」」
そして、また二人の間に沈黙が訪れる。
しばらく、お互いが首を傾げ合っていると、その様子を見かねた宰相が口を開いた。
「ゴホンっ!
えー…先日の、ライラ様の結婚式は大変素晴らしく感動致しました!
つきましては…
殿下の婚約者候補として、見合った相手なども多数居たのではないですかな?」
ニコニコと満面の笑みで、オブラートに包むことなく率直に斬り込んだ宰相に対し、概ね理解したジェイデンは薄らと笑を溢した。
「…えぇ、ライラはまさに天上の女神の様に美しく、式も華やかで素晴らしものでした。
セルジオと仲睦まじく寄り添う姿をみて、兄として安心しております。
それに、会場での対応に関してもアストロ公爵家の細やかな準備のお陰で、煩わされることなく、とても楽しませていただきましたよ。
まぁ、残念な事にライラ以上の美しい女神には会うことが叶いませんでしたがね…」
「!?…そ、そうか」
「それはっ!?
…それは、残念でございましたな」
ジェイデンの予想外の返答に、返事はしたものの、父である国王も問いかけた宰相も驚き固まってしまった。
現在、二人の頭の中は謎でいっぱいだった。
《会うことが叶わなかった…
と、いう事は…
婚約者に見合う相手がいなかった!と、いうことだ。
それでは、トラネスタ公爵令嬢はいったいなんだ!?》
《婚約者候補ではない…
ては、何の為にジェイデン殿下はトラネスタ家の令嬢を調べさせたのか?》
どれだけ考えてみても、頭の中で考えが纏まらず、政務に関わる身として政治に絡めてみるも、彼女を調べる意図が二人には分からなかった。
まるで、国の重大な問題にでも直面しているかの様に、未だ黙りこくって考えている二人。
その様子を側で見ているジェイデンは、考える二人に対しニコニコと笑顔で告げた。
「ところで、父上…
いったい何をしたのですか?」と。
そしてジェイデンは、スンッ…と表情を消すと、刺す様な視線で国王である父を見据えた。
息子の鋭い視線を前に、突如あわあわと慌てだす国王はもはや威厳など全くなかった。
そんな父を見てジェイデンは悟った。
______また、余計なことをしてくれたな、と。
恭しく、臣下としての礼をとりながらジェイデンが声をかけた。
「かまわん!楽にせよ」
「…はい、父上」
臣下としてではなく、父と子として話があるらしい。
じぃーっと、国王がジェイデンを見つめる。
その目は、全てを見透かされているような、そんな目だった。
お互い言葉を発せず、暫し沈黙が続く。
そして、国王がジェイデンへと問いかけた。
「ジェイデンよ、其方何か報告せねばならぬのではないか?」
「・・・・・はい?」
国王である父の問いかけに対し、ジェイデンは"何のことだ"と、いうような反応を返して来た。
「「・・・・・」」
そして、また二人の間に沈黙が訪れる。
しばらく、お互いが首を傾げ合っていると、その様子を見かねた宰相が口を開いた。
「ゴホンっ!
えー…先日の、ライラ様の結婚式は大変素晴らしく感動致しました!
つきましては…
殿下の婚約者候補として、見合った相手なども多数居たのではないですかな?」
ニコニコと満面の笑みで、オブラートに包むことなく率直に斬り込んだ宰相に対し、概ね理解したジェイデンは薄らと笑を溢した。
「…えぇ、ライラはまさに天上の女神の様に美しく、式も華やかで素晴らしものでした。
セルジオと仲睦まじく寄り添う姿をみて、兄として安心しております。
それに、会場での対応に関してもアストロ公爵家の細やかな準備のお陰で、煩わされることなく、とても楽しませていただきましたよ。
まぁ、残念な事にライラ以上の美しい女神には会うことが叶いませんでしたがね…」
「!?…そ、そうか」
「それはっ!?
…それは、残念でございましたな」
ジェイデンの予想外の返答に、返事はしたものの、父である国王も問いかけた宰相も驚き固まってしまった。
現在、二人の頭の中は謎でいっぱいだった。
《会うことが叶わなかった…
と、いう事は…
婚約者に見合う相手がいなかった!と、いうことだ。
それでは、トラネスタ公爵令嬢はいったいなんだ!?》
《婚約者候補ではない…
ては、何の為にジェイデン殿下はトラネスタ家の令嬢を調べさせたのか?》
どれだけ考えてみても、頭の中で考えが纏まらず、政務に関わる身として政治に絡めてみるも、彼女を調べる意図が二人には分からなかった。
まるで、国の重大な問題にでも直面しているかの様に、未だ黙りこくって考えている二人。
その様子を側で見ているジェイデンは、考える二人に対しニコニコと笑顔で告げた。
「ところで、父上…
いったい何をしたのですか?」と。
そしてジェイデンは、スンッ…と表情を消すと、刺す様な視線で国王である父を見据えた。
息子の鋭い視線を前に、突如あわあわと慌てだす国王はもはや威厳など全くなかった。
そんな父を見てジェイデンは悟った。
______また、余計なことをしてくれたな、と。
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