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58.真相が知りたい
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___君が好きだ。
今、アリスティアの頭の中はジェイデンが放ったこの言葉で埋め尽くされていた。
そして、現在は帰路に着く馬車の中である。
一緒に馬車に乗っているのは、サフィーナとセルジオの妻になったライラだ。
サフィーナとライラは、どこか上の空状態のアリスティアを見て首を傾げていた。
そして、二人は同じことを思っていた。
"ジェイデンと何かあったのだ"と。
アリスティアが庭に向かったと聞き、サフィーナが探し回って見つけた時、何故かアリスティアはジェイデンと共に戻ってきた。
その時は、普通にジェイデンがアリスティアをエスコートして戻ってきた様に見えたのだが、挨拶を交わして馬車に乗り込んでからアリスティアはどこか上の空だった。
ライラと一緒に、お茶会での様子を投げ掛けても返ってくるのは『楽しかったわよ』『美味しかったわ』と言った、当たり障りのない返事だけだった。
普段のアリスティアであれば、もっと詳しく感想を述べるはずだ。
その様子から、サフィーナとライラは何らかの進展があったのではないかと予測を立てていた。
「…ティア!…ティア!!」
ボーっと窓の外を眺めていたアリスティアは、何度も声をかけられていた事に気づかなかった。
「もう、ティア!」
サフィーナに、揺さぶられるようにして声を掛けられたアリスティアはハッとする。
「あ、ごめんなさい…少し考え事をしていて」
「ティア、お兄様と何かあったの?」
ライラの言葉は確信をつく様に、アリスティアへと問いかけられた。
アリスティアは、少し迷いながらも「少しだけね…」と答える。
「ねぇ、今晩は久しぶりに三人でお話ししましょうよ!」
「ええ!そうね!ティア、その時にまた教えてちょうだい♪」
「…わかったわ」
______そして、湯浴みを終えた三人はサフィーナの自室へと集まった。
「「さぁ!ティア!何があったの!?」」
部屋に入って早々、サフィーナとライラからの質問攻めが始まった。
そこで、アリスティアはジェイデンから"想いを告げられた"ことは、ぼかしながら世間話をした事と自分がジェイデンに惹かれ始めたことを伝えた。
「ジェイデン殿下は、とても素敵な方だと思うわ。私にも優しく接して下さるし…。
だから、その…っ、少し気になり始めてるの。でも、本気にしてはいけないことも分かってるわ…」
「え?どうして?」
「だって、ジェイデン殿下はこの国の第三王子じゃない。私なんて、一度婚約破棄してる身よ…。もう、あの頃と違って簡単に夢を見ようとは思えないの…
それに…
もう、叶わぬ恋に振り回されたくないの」
「ティア…」
二人は、アリスティアの気持ちを嫌という程よく知っていた。
レオンハルトとの関係を、何度も黙認してきた二人にとってアリスティアの『叶わぬ恋に振り回されたくない』と、言った気持ちがどんなものか良く分かっている。
「ティア、これは身内贔屓になるかも知れないけれど…
ジェイデンお兄様は、事を曖昧にするタイプではないわ。
…本当に、お兄様とは世間話をしただけ?」
ライラの問い掛けに、アリスティアは正直に話すか迷っていた。
そして、更にアリスティアへとこう話す。
「うちの国は、何度婚約破棄していようとも王族に嫁ぐことはできるし、それに対する反感も特にないわ。
それに、これはティア自身の問題だと思うけど…
お兄様とあの王子を一緒にして考えないでほしいの。
お兄様だけを見て考えてあげて欲しい!」
今、アリスティアの頭の中はジェイデンが放ったこの言葉で埋め尽くされていた。
そして、現在は帰路に着く馬車の中である。
一緒に馬車に乗っているのは、サフィーナとセルジオの妻になったライラだ。
サフィーナとライラは、どこか上の空状態のアリスティアを見て首を傾げていた。
そして、二人は同じことを思っていた。
"ジェイデンと何かあったのだ"と。
アリスティアが庭に向かったと聞き、サフィーナが探し回って見つけた時、何故かアリスティアはジェイデンと共に戻ってきた。
その時は、普通にジェイデンがアリスティアをエスコートして戻ってきた様に見えたのだが、挨拶を交わして馬車に乗り込んでからアリスティアはどこか上の空だった。
ライラと一緒に、お茶会での様子を投げ掛けても返ってくるのは『楽しかったわよ』『美味しかったわ』と言った、当たり障りのない返事だけだった。
普段のアリスティアであれば、もっと詳しく感想を述べるはずだ。
その様子から、サフィーナとライラは何らかの進展があったのではないかと予測を立てていた。
「…ティア!…ティア!!」
ボーっと窓の外を眺めていたアリスティアは、何度も声をかけられていた事に気づかなかった。
「もう、ティア!」
サフィーナに、揺さぶられるようにして声を掛けられたアリスティアはハッとする。
「あ、ごめんなさい…少し考え事をしていて」
「ティア、お兄様と何かあったの?」
ライラの言葉は確信をつく様に、アリスティアへと問いかけられた。
アリスティアは、少し迷いながらも「少しだけね…」と答える。
「ねぇ、今晩は久しぶりに三人でお話ししましょうよ!」
「ええ!そうね!ティア、その時にまた教えてちょうだい♪」
「…わかったわ」
______そして、湯浴みを終えた三人はサフィーナの自室へと集まった。
「「さぁ!ティア!何があったの!?」」
部屋に入って早々、サフィーナとライラからの質問攻めが始まった。
そこで、アリスティアはジェイデンから"想いを告げられた"ことは、ぼかしながら世間話をした事と自分がジェイデンに惹かれ始めたことを伝えた。
「ジェイデン殿下は、とても素敵な方だと思うわ。私にも優しく接して下さるし…。
だから、その…っ、少し気になり始めてるの。でも、本気にしてはいけないことも分かってるわ…」
「え?どうして?」
「だって、ジェイデン殿下はこの国の第三王子じゃない。私なんて、一度婚約破棄してる身よ…。もう、あの頃と違って簡単に夢を見ようとは思えないの…
それに…
もう、叶わぬ恋に振り回されたくないの」
「ティア…」
二人は、アリスティアの気持ちを嫌という程よく知っていた。
レオンハルトとの関係を、何度も黙認してきた二人にとってアリスティアの『叶わぬ恋に振り回されたくない』と、言った気持ちがどんなものか良く分かっている。
「ティア、これは身内贔屓になるかも知れないけれど…
ジェイデンお兄様は、事を曖昧にするタイプではないわ。
…本当に、お兄様とは世間話をしただけ?」
ライラの問い掛けに、アリスティアは正直に話すか迷っていた。
そして、更にアリスティアへとこう話す。
「うちの国は、何度婚約破棄していようとも王族に嫁ぐことはできるし、それに対する反感も特にないわ。
それに、これはティア自身の問題だと思うけど…
お兄様とあの王子を一緒にして考えないでほしいの。
お兄様だけを見て考えてあげて欲しい!」
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