愛に縛られ、愛に溺れる

箕田 悠

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 わざと見せつけるように、鳴河は何度も角度を変えては、舌を絡ませる。濡れた音が耳に触れ、水瀬の頬はすでに熱くなっていた。
 口端から零れた唾液を掬うように、鳴河が舌を這わせていく。

「だめだってば……ッ」

 水瀬は涙にかすむ目で睨むも、鳴河はひるむ様子もない。さらにバスローブをはだけさせ、胸の突起に唇を寄せる。

「あっ……やだッ」

 強く吸われ、水瀬は背を反らす。途端に目から快楽による涙が零れていく。

「理玖さん、好きですよね。ここ。舐めるとピンク色になって、すごく固くなる」

 鳴河は言うなり、突起を指でぐりぐりと弄ぶ。それだけで水瀬は嬌声をあげ、逃れようと身体を捩る。

「逃げちゃ駄目です」

 そう言って腕を引かれ、鳴河の膝に跨がらせられる。腰を支えられ、水瀬は鳴河を見下ろす。欲に濡れた鳴河と目が合い、水瀬は熱い息を吐いた。

「もう二度と、逃がしませんから」

 上目遣いで宣言され、水瀬の背筋がゾクリと泡立つ。

「水瀬」

 はっとして横を向くと、途端に唇が重なる。頭を抱え込まれ、熱い舌がねじ込まれる。

「んっ……ぁ……」

 久賀らしくない荒っぽい口づけに、水瀬は頭の中が白く染まる。加えて鳴河に胸を責められたことで、二つの快楽に身悶えた。

「水瀬が望むなら、俺もそれで構わない」

 久賀が覚悟を決めたように、水瀬の目を見つめて告げる。

「久賀さん、でも――」
「俺は水瀬を手放すぐらいなら、こうする方がマシだ」

 どうしてそこまでと思うも、反論を封じるように再び久賀が唇を重ねてくる。
 鳴河が胸の突起を蹂躙しつつ、手が水瀬の下着にかかった。ずらされると、ぐっしょりと濡れた昂ぶりが晒される。

「まさか胸を舐められたぐらいで、イったんですか?」
「ち、がう」

 濡れた先端を鳴河が指先で撫でる。それだけで、勝手に起立が震えてしまう。下着を脱がされると、鳴河の指が水瀬の後ろに触れる。臀部を撫で回された後、指が後孔をなぞった。
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