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79 彼の為の影の活動
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リッターホルムに戻った僕ら。ユーリウスは冬の備えに忙しい。
荘園の管理を任せた差配人にアレクシさんが指示を与える。
収穫物の保存に農具の手入れ、春に向けての農地の手入れは僕特製のレシピ付きだ。
「保存食も広めてあげてね。食は…、食はホントに大事だから!」
様々な国の様々な保存食、惜しみなく披露した僕の知識はケインさんの奥さん、エルゼさんに広めてもらおう。もちろん!諸材料も持たせたうえで。こういうことは村人同士の方が手っ取り早い。
こうした地道な活動が、ユーリの名誉回復へとつながるんだ。草の根活動って大切だよね。
その依頼に彼らの家を訪れた際、カイとダリ、二人の育成計画を提案したら2人からは大喜びで歓迎された。
まだ少しだけユーリに苦手意識がある二人。こうして少しずつでも、領主であるユーリに対して謝意とか敬意とか持ってくれたらいいんだけどな。そしてそれをいつかは他の村民に、領全体に伝えていってくれたら申し分無い…。
「そういう訳だから、カイもダリも、春からは王都で暮らすんだよ。兄弟一緒だから寂しくないよね。仕事は厳しいだろうけど、大公、いや、家令のベイルマンさんは非道な人じゃないから大丈夫。頑張って!」
「が、がんばる。それでアッシュの役にたつようりっぱになってくる」
「俺も!しっかり仕事覚えてアッシュの左腕になるんだから!」
「なにその左腕って?」
「オスモさんが言ったんだ。右腕にはエスターさんが居るから左腕だって。」
「エスターが右腕…、間違っては無いけど…なんかヤダ」
シーズニングフォレストの手入れをしながらだらだらと無駄話に花を咲かせる二人と僕。
ダリの背が僕を超えそうなことは…僕の気を焦らせるけど、まだ大丈夫。カイが居るから。
面白い話は無いかとせがむカイに根負けして、おとぎ話の体をとって王家の話をしてあげた。
実際おとぎ話みたいなものだし、良いよね、別に。
「そしてお姫様は魔女の呪いを受け倒れました。王様はお姫様を助ける方法を一生懸命探します。」
「お姫さまかわいそう…。たすかる?ねぇアッシュ、お姫さまたすかる?」
「お姫様は…た、たすか、」
「たすかるよね?」
うっ!無垢な瞳が刺さる!
「た、助かるよ~。勇者が、そうっ!勇者がちゃんと薬を持って帰ってくるから!」
「よかった…。お姫さまがたすかって。ゆうしゃがんばれ~!」
ごめん、カイ。勇者は…、勇者は来ない…。僕が世界の裏側に追っ払ったから…。
そもそも勇者は考えなしのチャラ男みたいだ。ヘンリックさんにも追加で聞いたがしょっちゅう酒場で見かけたようだし。その、…お、女の人の居る…、二階に宿のある酒場…。ふ、フシダラな奴め。
って言うかヘンリックさんまでなんでそこに?
それはおいといて、奴は宝の地図をガメている。あっさりエルフの国へと向かった勇者。ならルート的にもその次はドワーフの国で、その後ハーフリングの隠し里に寄って、賢者…は、小説では最初っから同行してたはずだけどどうなってる…?どちらにせよ女好きで頭の軽い、プータロー、つまり働きたくない勇者なら、国を救うとか、王家を救うとか、そんなの放棄して一攫千金狙うはず。こういう奴の考えることって大体いつも一緒だからね。
つまり…、お姫様に救いは来ない…。
なんか…、罪悪感が…。
し、仕方ない。これだけは責任をとるか…。
王家なんかどうなったって知ったこっちゃないけど、お姫さまだけは助けてあげよう。なんとかして。
子供たちと別れ、専用の仕事部屋で一人静かに策を練る。
この部屋にはオブジェが一つ。例の石板、すでにこの部屋のシンボルだ。
けど…だいたい何も効かない不治の病なんてどうすれば…、ユーリの血清どころじゃない。不老不死の薬でも無きゃそんな事…。
勇者はどうしたんだっけ?毒公爵が倒された後はすっかり興味を失って…、斜め読みしかしてないんだよね。
だけど何かしたはず。じゃなきゃ話が…、待てよ?勇者のスキルは…〝反転”
勇者は毒を無効化した…。毒を無効化…それなら呪いは?〝反転”は呪いを無効化できるんじゃないか⁉
古文書ー!!!
「エスター!あれっ!あれどこにしまった?」
「騒々しいな、いったい何だい?」
あわてふためき書庫に飛び込む僕。公共の図書館なら追い出されるとこだ。
「あああ、あれっ!朝顔の観察日記!」
「ああ、あれね。あれがどうしたって?」
「あれ、あれはっ!その、…仕方ない。この際正直に話すけど、あれはあるスキルを会得するための伝説の書だなんだ。そのスキルとはあらゆるスキルを無効化できる…〝反転”」
「〝反転”…」
「これこそがきっと鍵だ!呪いを解くための。」
思わず興奮してすっかり舞い上がった僕をエスターは冷静に落ち着かせてくれる。そ、そうだな。落ち着け僕。
「何にしたってそれ僕らには読めないよ。石板と同じ古代文字じゃないか。君は何故か知ってるみたいだけどね」
「あ、え、何のことカナ?」
そ、そうだった…。これは僕にしか…。そう言えばWEB小説の勇者となる生徒Aは初見から読んでたな…今思えばご都合主義だな…。まぁそうじゃないと話が進まないけど…。
「それで?確証は無いんだろう?スキルと呪いは似て非なるものだ。反転出来るとどうして言い切れる?それはそれとして二手三手は手を打つべきだと、僕は思うがね」
もちろんそうだ。保険は大事だ。転ばぬ先の杖、それは僕の専売特許だ。
「二手三手、エスターに何か考えがあるの?」
「まぁ、眉唾でいいなら」
「眉唾…、言い伝え的な…そういう感じ?」
「古い寓話や英雄譚には何度も出てくる〝黄金の林檎” これは不死の果実とされている。君知ってるかい?」
君知ってるかい…知ってるかい…知って…。僕を誰だと思ってるんだ!情報の溢れた現代社会で手に取った本の数ならエスターの比じゃ無い。
不死、黄金のリンゴ、そんなの世界各国の童話、至る所に出てくるじゃないか。特にヨーロッパ諸国では名を変え形を変え、ギリシャにロシアに北欧でも!
「もちろん知ってるよ。黄金のリンゴ、常に人心を惑わす魅惑の果実だね」
不老不死、黄金のリンゴ、エスターはそんな架空のリンゴをどう…、ああ、でもここは架空の世界だった。
ヘラクレスの11番目の冒険、彼は黄金のリンゴを手に入れるために冒険に出た。
ロシアの民話とグリム童話、名前は違うがあらすじは同じだ。黄金のリンゴを惜しんだ王が、火の鳥を捕まえろと言い出すんだ。
そして、ああ…、『北欧神話の浪漫』にも載ってたな。
悪戯なロキが命の林檎の番人である女神をさらって、後で命からがら取り返すっていうマッチポンプな話。
それにしても何故ろくでなしのロキが人気なのか…イケメンだからか?世の不条理を感じたものだよ…。
荘園の管理を任せた差配人にアレクシさんが指示を与える。
収穫物の保存に農具の手入れ、春に向けての農地の手入れは僕特製のレシピ付きだ。
「保存食も広めてあげてね。食は…、食はホントに大事だから!」
様々な国の様々な保存食、惜しみなく披露した僕の知識はケインさんの奥さん、エルゼさんに広めてもらおう。もちろん!諸材料も持たせたうえで。こういうことは村人同士の方が手っ取り早い。
こうした地道な活動が、ユーリの名誉回復へとつながるんだ。草の根活動って大切だよね。
その依頼に彼らの家を訪れた際、カイとダリ、二人の育成計画を提案したら2人からは大喜びで歓迎された。
まだ少しだけユーリに苦手意識がある二人。こうして少しずつでも、領主であるユーリに対して謝意とか敬意とか持ってくれたらいいんだけどな。そしてそれをいつかは他の村民に、領全体に伝えていってくれたら申し分無い…。
「そういう訳だから、カイもダリも、春からは王都で暮らすんだよ。兄弟一緒だから寂しくないよね。仕事は厳しいだろうけど、大公、いや、家令のベイルマンさんは非道な人じゃないから大丈夫。頑張って!」
「が、がんばる。それでアッシュの役にたつようりっぱになってくる」
「俺も!しっかり仕事覚えてアッシュの左腕になるんだから!」
「なにその左腕って?」
「オスモさんが言ったんだ。右腕にはエスターさんが居るから左腕だって。」
「エスターが右腕…、間違っては無いけど…なんかヤダ」
シーズニングフォレストの手入れをしながらだらだらと無駄話に花を咲かせる二人と僕。
ダリの背が僕を超えそうなことは…僕の気を焦らせるけど、まだ大丈夫。カイが居るから。
面白い話は無いかとせがむカイに根負けして、おとぎ話の体をとって王家の話をしてあげた。
実際おとぎ話みたいなものだし、良いよね、別に。
「そしてお姫様は魔女の呪いを受け倒れました。王様はお姫様を助ける方法を一生懸命探します。」
「お姫さまかわいそう…。たすかる?ねぇアッシュ、お姫さまたすかる?」
「お姫様は…た、たすか、」
「たすかるよね?」
うっ!無垢な瞳が刺さる!
「た、助かるよ~。勇者が、そうっ!勇者がちゃんと薬を持って帰ってくるから!」
「よかった…。お姫さまがたすかって。ゆうしゃがんばれ~!」
ごめん、カイ。勇者は…、勇者は来ない…。僕が世界の裏側に追っ払ったから…。
そもそも勇者は考えなしのチャラ男みたいだ。ヘンリックさんにも追加で聞いたがしょっちゅう酒場で見かけたようだし。その、…お、女の人の居る…、二階に宿のある酒場…。ふ、フシダラな奴め。
って言うかヘンリックさんまでなんでそこに?
それはおいといて、奴は宝の地図をガメている。あっさりエルフの国へと向かった勇者。ならルート的にもその次はドワーフの国で、その後ハーフリングの隠し里に寄って、賢者…は、小説では最初っから同行してたはずだけどどうなってる…?どちらにせよ女好きで頭の軽い、プータロー、つまり働きたくない勇者なら、国を救うとか、王家を救うとか、そんなの放棄して一攫千金狙うはず。こういう奴の考えることって大体いつも一緒だからね。
つまり…、お姫様に救いは来ない…。
なんか…、罪悪感が…。
し、仕方ない。これだけは責任をとるか…。
王家なんかどうなったって知ったこっちゃないけど、お姫さまだけは助けてあげよう。なんとかして。
子供たちと別れ、専用の仕事部屋で一人静かに策を練る。
この部屋にはオブジェが一つ。例の石板、すでにこの部屋のシンボルだ。
けど…だいたい何も効かない不治の病なんてどうすれば…、ユーリの血清どころじゃない。不老不死の薬でも無きゃそんな事…。
勇者はどうしたんだっけ?毒公爵が倒された後はすっかり興味を失って…、斜め読みしかしてないんだよね。
だけど何かしたはず。じゃなきゃ話が…、待てよ?勇者のスキルは…〝反転”
勇者は毒を無効化した…。毒を無効化…それなら呪いは?〝反転”は呪いを無効化できるんじゃないか⁉
古文書ー!!!
「エスター!あれっ!あれどこにしまった?」
「騒々しいな、いったい何だい?」
あわてふためき書庫に飛び込む僕。公共の図書館なら追い出されるとこだ。
「あああ、あれっ!朝顔の観察日記!」
「ああ、あれね。あれがどうしたって?」
「あれ、あれはっ!その、…仕方ない。この際正直に話すけど、あれはあるスキルを会得するための伝説の書だなんだ。そのスキルとはあらゆるスキルを無効化できる…〝反転”」
「〝反転”…」
「これこそがきっと鍵だ!呪いを解くための。」
思わず興奮してすっかり舞い上がった僕をエスターは冷静に落ち着かせてくれる。そ、そうだな。落ち着け僕。
「何にしたってそれ僕らには読めないよ。石板と同じ古代文字じゃないか。君は何故か知ってるみたいだけどね」
「あ、え、何のことカナ?」
そ、そうだった…。これは僕にしか…。そう言えばWEB小説の勇者となる生徒Aは初見から読んでたな…今思えばご都合主義だな…。まぁそうじゃないと話が進まないけど…。
「それで?確証は無いんだろう?スキルと呪いは似て非なるものだ。反転出来るとどうして言い切れる?それはそれとして二手三手は手を打つべきだと、僕は思うがね」
もちろんそうだ。保険は大事だ。転ばぬ先の杖、それは僕の専売特許だ。
「二手三手、エスターに何か考えがあるの?」
「まぁ、眉唾でいいなら」
「眉唾…、言い伝え的な…そういう感じ?」
「古い寓話や英雄譚には何度も出てくる〝黄金の林檎” これは不死の果実とされている。君知ってるかい?」
君知ってるかい…知ってるかい…知って…。僕を誰だと思ってるんだ!情報の溢れた現代社会で手に取った本の数ならエスターの比じゃ無い。
不死、黄金のリンゴ、そんなの世界各国の童話、至る所に出てくるじゃないか。特にヨーロッパ諸国では名を変え形を変え、ギリシャにロシアに北欧でも!
「もちろん知ってるよ。黄金のリンゴ、常に人心を惑わす魅惑の果実だね」
不老不死、黄金のリンゴ、エスターはそんな架空のリンゴをどう…、ああ、でもここは架空の世界だった。
ヘラクレスの11番目の冒険、彼は黄金のリンゴを手に入れるために冒険に出た。
ロシアの民話とグリム童話、名前は違うがあらすじは同じだ。黄金のリンゴを惜しんだ王が、火の鳥を捕まえろと言い出すんだ。
そして、ああ…、『北欧神話の浪漫』にも載ってたな。
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