118 / 277
連載
145 彼の行き先
しおりを挟む
どこまでも続く滑落の跡…、軽傷では済まないだろう…助けに降りるべきなのだろうか?
何をバカな!甘い考えは捨てるんだ。彼は私を連れ去ろうとした罪人。もしも彼が無事ならまた私を捕まえようと追いかけてくるだろう…。そうして万が一捕まれば切羽詰まった彼は私をどうするかわからないのに…
逃げなければ!今のうちに少しでも遠くへ!
なんとかして下山しなければ…。耳に届くのはどこかから微かに流れるせせらぎの音…。そうだ、水は上流から下流へと流れる。沢伝いに沿って歩けばきっと平地に着く。それに水辺であればのどを潤すことも出来る…、ああ…陽のあるうちにドロドロになった身体を清めたいものだ…。
『いい?遭難時は頂上を目指すんだよ。大体みんな下に降りようとするんだけどそれ悪手だから。てっぺんまで行けば視界が広がって進むべき状況が分かるから。沢なんか目指したら危険だらけだから。それに沢の水なんかそのまま飲んだら寄生虫とか大変だから!こんなのクライマーなら常識だから!!』
「はっ!いけない忘れてた。もう少しで沢を探してしまうところだった…。アッシュさんはあれほど上を目指せと言っていたじゃないか…」
頂上を目指しながら日が暮れる前に安全な場所を確保する。アッシュさんは確かそう言った。そして安全な場所で体力を温存して助けを待てと。
常識だと言っていた。それは…彼の故郷では当たり前に行なわれている事だと?つまりすべて経験からの助言⁉ならば あんな小さなアッシュさんに出来た事なら歳は2つ下と言え彼より体格の良い私にも可能なはずだ!
「私の不在に気付けばいつかここにも必ず捜索が来るに違いない。アッシュさんは山の全てを掌握していた。よし!彼を信じて上に進もう。この布と麻袋は持っていくとしよう。私の救世主だ。救援のために目印は必要だろうか…。マツリカの花を…。いや、もしも御者が追いかけてきたら気付かれてしまう…。それより方角を…父上に頂いた懐中時計…良かった。壊れていない」
時計の短針を太陽に向ける。
『12時の文字と短針の真ん中が南にあたる。豆知識、覚えといて』
「もちろん覚えてますよアッシュさん。…でもなんて凄い予測行動だ。転ばぬ先の杖、アッシュさんは何度もそう言っていた…。あの時聞いた話が早くも役に立つなんて彼こそ尊敬すべきお方…あっ、そうだ!」
あの時教えてもらったもう一つの豆知識…私は手元に小石を集めた。
--------------------------------------
ボーイたちも隊を組んで西南東の三方を無理のない範囲で捜索してもらう事になった。念には念をだ。一つとして見落としは許されない!
頭から引っ張り出したのは引退した元山岳警備隊長の手記。そこには事細かに捜索の流れが書かれている。
僕はその中から今この場で役に立つ部分だけをピックアップし、この場の全員に絶対厳守だとくどいくらい何度も繰り返す。
「いい?横に並んでローラー作戦だ。何か発見したら現場は保存して誰かを大声で呼ぶんだよ!遺留品等はむやみに触らないで。常に隣の人を意識をして単独行動にならないよう注意をしてね。絶対勝手に隊から離れないで!絶対だよ‼」
「「「「はい!」」」」
「アッシュ、私は君と…」
「聞かないよ!何も言わないで!ユーリとヘンリックさんはここで待ってて。人には立場っていうものがある。何を言われても二人を山には入れられない!僕は独りで北にいく!」
「アッシュ君、だが君は体格だって十分とは言えないのだよ?」
「小柄だからいい場合もある。特にこんな鬱蒼とした山ではね。それに僕は山歩きには自信がある。タピオ兄さんのスパルタは伊達じゃない。僕のスキルは山向きだし、おまけにここに居る誰より豊富な知識がある!登山の心得、山の天気、野生の獣の生息区域に、なんならブッシュクラフトで家だって作れる!この中で一番最適なのがこの僕だ!」
「アッシュ…」
険しい顔でユーリが僕を見据える…。だからと言って公爵閣下であるユーリを危険しかない山中に同行することは出来ない。絶対に!
「…お義母様が言った。あの子は言い出したら絶対聞かないと…。アッシュ、だからといって単独では行かせられない。わかるね?…ならばヴェストとアレクシを同行させよう。アレクシ、何かあればスキルを使って構わない。ロビンを、そしてアッシュを頼む。何があろうと必ず無事で戻すんだ!いいな」
「ええ必ず。」
アレクシさんのスキル。決して誰にも見せてはいけないと言われた鍵となるスキル。それを使って構わないだなんて…、ユーリの気持ち、それこそが僕の勇気となる!
「大丈夫!絶対見つけて全員元気で戻るから!行こう!アレクシさん、ヴェストさん!」
そうして歩く事かれこれ2時間。閉ざされた山中ではヴェストさんのスキルが冴えに冴える。木々の乱れや土のめくれなど、見つけたわずかな痕跡から、さらに僕の洞察力で進行方向を選択していく。
そしてその場所…、滑りやすい粘土質な土に残された大きな足跡。
この北側に分け入ったのはやはり間違いない。真新しい跡がそれを示している。
「大人一人分よりも深さがあります。恐らく担いでいるのでしょう。危険極まりない」
「こんな山中を担いで歩くだと…?馬鹿な…」
「それすら指示かもね。でも今それを言っても仕方ない。さぁ進むよ」
直接危害など加えなくてもその状況さえ用意すれば人を危険にさらすことは容易だ。
いままでも何かあるたびこうしてきたのだろう…。疑惑を自分へと向けさせぬよう自分自身のアリバイは抜け目なく確保しながら。
魔女め…
それにしてもヴェストさんには負けてられないな。僕はスキルを駆使し木々や草花を両脇へと移動させて獣道ならぬアッシュ道を作ってゆく。こうしておけば帰りはずいぶん楽になる。これもまた転ばぬ先の杖。
暫く進むと徐々に急峻さを増していくケモノ道、…道?見ただけでわかるかなりの傾斜、そこは様々な草木に覆われ、その草木さえ傾斜に耐えられず傾いている。滑りやすい地質と言い…危険な場所だ。
直感通り、その先にあったのは…見るも無残な滑落の跡…。
何をバカな!甘い考えは捨てるんだ。彼は私を連れ去ろうとした罪人。もしも彼が無事ならまた私を捕まえようと追いかけてくるだろう…。そうして万が一捕まれば切羽詰まった彼は私をどうするかわからないのに…
逃げなければ!今のうちに少しでも遠くへ!
なんとかして下山しなければ…。耳に届くのはどこかから微かに流れるせせらぎの音…。そうだ、水は上流から下流へと流れる。沢伝いに沿って歩けばきっと平地に着く。それに水辺であればのどを潤すことも出来る…、ああ…陽のあるうちにドロドロになった身体を清めたいものだ…。
『いい?遭難時は頂上を目指すんだよ。大体みんな下に降りようとするんだけどそれ悪手だから。てっぺんまで行けば視界が広がって進むべき状況が分かるから。沢なんか目指したら危険だらけだから。それに沢の水なんかそのまま飲んだら寄生虫とか大変だから!こんなのクライマーなら常識だから!!』
「はっ!いけない忘れてた。もう少しで沢を探してしまうところだった…。アッシュさんはあれほど上を目指せと言っていたじゃないか…」
頂上を目指しながら日が暮れる前に安全な場所を確保する。アッシュさんは確かそう言った。そして安全な場所で体力を温存して助けを待てと。
常識だと言っていた。それは…彼の故郷では当たり前に行なわれている事だと?つまりすべて経験からの助言⁉ならば あんな小さなアッシュさんに出来た事なら歳は2つ下と言え彼より体格の良い私にも可能なはずだ!
「私の不在に気付けばいつかここにも必ず捜索が来るに違いない。アッシュさんは山の全てを掌握していた。よし!彼を信じて上に進もう。この布と麻袋は持っていくとしよう。私の救世主だ。救援のために目印は必要だろうか…。マツリカの花を…。いや、もしも御者が追いかけてきたら気付かれてしまう…。それより方角を…父上に頂いた懐中時計…良かった。壊れていない」
時計の短針を太陽に向ける。
『12時の文字と短針の真ん中が南にあたる。豆知識、覚えといて』
「もちろん覚えてますよアッシュさん。…でもなんて凄い予測行動だ。転ばぬ先の杖、アッシュさんは何度もそう言っていた…。あの時聞いた話が早くも役に立つなんて彼こそ尊敬すべきお方…あっ、そうだ!」
あの時教えてもらったもう一つの豆知識…私は手元に小石を集めた。
--------------------------------------
ボーイたちも隊を組んで西南東の三方を無理のない範囲で捜索してもらう事になった。念には念をだ。一つとして見落としは許されない!
頭から引っ張り出したのは引退した元山岳警備隊長の手記。そこには事細かに捜索の流れが書かれている。
僕はその中から今この場で役に立つ部分だけをピックアップし、この場の全員に絶対厳守だとくどいくらい何度も繰り返す。
「いい?横に並んでローラー作戦だ。何か発見したら現場は保存して誰かを大声で呼ぶんだよ!遺留品等はむやみに触らないで。常に隣の人を意識をして単独行動にならないよう注意をしてね。絶対勝手に隊から離れないで!絶対だよ‼」
「「「「はい!」」」」
「アッシュ、私は君と…」
「聞かないよ!何も言わないで!ユーリとヘンリックさんはここで待ってて。人には立場っていうものがある。何を言われても二人を山には入れられない!僕は独りで北にいく!」
「アッシュ君、だが君は体格だって十分とは言えないのだよ?」
「小柄だからいい場合もある。特にこんな鬱蒼とした山ではね。それに僕は山歩きには自信がある。タピオ兄さんのスパルタは伊達じゃない。僕のスキルは山向きだし、おまけにここに居る誰より豊富な知識がある!登山の心得、山の天気、野生の獣の生息区域に、なんならブッシュクラフトで家だって作れる!この中で一番最適なのがこの僕だ!」
「アッシュ…」
険しい顔でユーリが僕を見据える…。だからと言って公爵閣下であるユーリを危険しかない山中に同行することは出来ない。絶対に!
「…お義母様が言った。あの子は言い出したら絶対聞かないと…。アッシュ、だからといって単独では行かせられない。わかるね?…ならばヴェストとアレクシを同行させよう。アレクシ、何かあればスキルを使って構わない。ロビンを、そしてアッシュを頼む。何があろうと必ず無事で戻すんだ!いいな」
「ええ必ず。」
アレクシさんのスキル。決して誰にも見せてはいけないと言われた鍵となるスキル。それを使って構わないだなんて…、ユーリの気持ち、それこそが僕の勇気となる!
「大丈夫!絶対見つけて全員元気で戻るから!行こう!アレクシさん、ヴェストさん!」
そうして歩く事かれこれ2時間。閉ざされた山中ではヴェストさんのスキルが冴えに冴える。木々の乱れや土のめくれなど、見つけたわずかな痕跡から、さらに僕の洞察力で進行方向を選択していく。
そしてその場所…、滑りやすい粘土質な土に残された大きな足跡。
この北側に分け入ったのはやはり間違いない。真新しい跡がそれを示している。
「大人一人分よりも深さがあります。恐らく担いでいるのでしょう。危険極まりない」
「こんな山中を担いで歩くだと…?馬鹿な…」
「それすら指示かもね。でも今それを言っても仕方ない。さぁ進むよ」
直接危害など加えなくてもその状況さえ用意すれば人を危険にさらすことは容易だ。
いままでも何かあるたびこうしてきたのだろう…。疑惑を自分へと向けさせぬよう自分自身のアリバイは抜け目なく確保しながら。
魔女め…
それにしてもヴェストさんには負けてられないな。僕はスキルを駆使し木々や草花を両脇へと移動させて獣道ならぬアッシュ道を作ってゆく。こうしておけば帰りはずいぶん楽になる。これもまた転ばぬ先の杖。
暫く進むと徐々に急峻さを増していくケモノ道、…道?見ただけでわかるかなりの傾斜、そこは様々な草木に覆われ、その草木さえ傾斜に耐えられず傾いている。滑りやすい地質と言い…危険な場所だ。
直感通り、その先にあったのは…見るも無残な滑落の跡…。
412
あなたにおすすめの小説
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
余命僅かの悪役令息に転生したけど、攻略対象者達が何やら離してくれない
上総啓
BL
ある日トラックに轢かれて死んだ成瀬は、前世のめり込んでいたBLゲームの悪役令息フェリアルに転生した。
フェリアルはゲーム内の悪役として15歳で断罪される運命。
前世で周囲からの愛情に恵まれなかった成瀬は、今世でも誰にも愛されない事実に絶望し、転生直後にゲーム通りの人生を受け入れようと諦観する。
声すら発さず、家族に対しても無反応を貫き人形のように接するフェリアル。そんなフェリアルに周囲の過保護と溺愛は予想外に増していき、いつの間にかゲームのシナリオとズレた展開が巻き起こっていく。
気付けば兄達は勿論、妖艶な魔塔主や最恐の暗殺者、次期大公に皇太子…ゲームの攻略対象者達がフェリアルに執着するようになり…――?
周囲の愛に疎い悪役令息の無自覚総愛されライフ。
※最終的に固定カプ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。