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205 アデリーナの帰郷
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「いいか。伯爵夫人に聞こえるようにうまく立ち回るのだ。北の地リッターホルムでは異変が起きている。最愛の妻を失った領主は前後不覚になり領内に毒素を撒いたと。」
「わかってますよ。あの美貌の夫人の耳に入るようにすりゃぁいいんだろ。あの堅牢なリッターホルムの関所が今なら緩んでるってな」
「彼女は戻らぬ斥候に気をもんでいるはずだ。だからこうも言うのだ。無謀にも領主を探ろうとした新参者は公爵邸から戻って来ないと。想像を掻き立てるよう、劇的にだ。」
「得意だぜ、そういうのは」
「お前たちには殿下による強い〝制約”がかかっている。私の庇護下でのみお前たちは自由が許される。子飼いの悪党、それがお前たちに唯一許された生存の道だ。愉快に暮らしたければせいぜい上手くやれ、いいな」
「身に染みてますって。ここにゃぁ恐ろしい悪魔がゴロゴロしてる…。逆らっていい事なんかひとつもないってな」
「へへっ、その代わり逆らわなきゃぁそこそこいい暮らしが出来るってもんだ。」
「悪党も賢ければ益を得るのは容易い。そのためには誰に阿るのか、その相手を見誤らない事だ…」
そうして奴らは久々の領外、南西のオーケソン侯爵領へと向かっていった。
王都での騒乱、その鎮圧と共にオーケソン家当主である侯爵は収監されている。
今はオーケソン夫人と令嬢が差配しているのであろうがそんな場所でいつまでも滞在を続けは出来ないだろう。ましてや伯爵夫人は例えどう繕ったとて、封蝋環の一件でその信用は揺らいでいる。
庇護を失った彼女…。この地の雪解けとともに必ず夫人はここへ来る。
雪解けの始まりを待ってようやく来訪の叶ったこのリッターホルム。
毒を恐れて役人の逃げ出した関所は問題なくわたくしたちを招き入れた。
驚いたこと…。あの男どもの話が本当だったとは…。
しかし…、あの封蝋環が偽物だったなどと…?一体何故…?聖王が愚かな真似を…?
よくもやってくれたわ…。あの男だけはユーリウスを待たずわたくしの手で始末をつけてやろうかしら…。それにしてもこの地、リッターホルム、最後にここへ来たのは数百年前…
その時わたくしの隣にはあの人がいた…
「ようやくここに…。…いったいどれ程ぶりかしら…。もう何の面影も残っていないのね…」
「あら、奥様リッターホルムへ来たことがおありでしたかしら?」
「昔少しね…」
「旦那様との出会いとか…?」
「まぁ羨ましい…今でもハンサムな旦那様ですもの。お若い頃はさぞかし…」
軽口とは言えいい気分では無いわ。
この地はひと時とは言えあの人と過ごした思い出の地。マテアスなどと…ふっ、今頃はあれも収監されているのかしら?わたくしの公爵夫人への行い、その責を問われて。ふふ、愉快だこと。
こうなってみればあの初冬の日、アルパを養母である元子爵夫人に預けたのは正解だった。
貴族の諍いになど無縁の養母。あとはその時までにアルパをこの国から出しさえすれば…。そうだわ、その時はあの養母に供をさせても良いわね。小間使いの代わりにくらいはなるのではないかしら…。
「あなた方、もうそれくらいでよしてちょうだい。それにしてもこれほどのものとは…、無様なものね。領民は全て逃げ出したのかしら…。無理も無いわね。ご覧なさいなクレメル夫人。この広大な荘園が全て腐り落ちていてよ。収穫を待つはずだった恵みまでもが腐敗しているわ…」
「ええ本当に酷い有様。臭いにおい…、土の腐った匂いでございますわ。こんな場所に居たいものなどいるものですか。本当に嫌だこと。」
「先ほど人気の無い領都の端の方で地中に穴を掘る農奴を見かけましたわ。地中に逃げ込もうとでもしているのかしら。いやだわ、これが毒公爵の力…あの幼いながらも不気味だった姿を思い出しますわ。おお怖い怖い…」
下賤な農奴が無駄な真似を。どうせもうこの地は終わりだと言いうのに。でもそうね…、せっかくここまで来たのですもの…。最期にあの小屋を少しだけ見ておきたい…。
壁画…あの人が描いた最後の画…。思えば初めて出会った時からわたくしは筆を持つあの人の横顔をいつも見ていた。だけど…それもあの小屋が最後…。あの人はあれ以来筆を持つことを止めてしまったから…
「奥様?何処においでになりますの?私どももお供を…」
「いいえ。あなた方は歩いて先に関所の館へ戻って頂戴。わたくし最愛の夫とともに何度かこの地を訪れているの。案内は不要よ。少しだけ思い出の地を散策してすぐに戻るわ」
「ですが奥様…」
「見なさいな。人気のない荘園。馬車道も農道も…誰一人歩いていなくてよ。無人の領に危険など無いわ」
カラカラと車輪の音ががらんどうの農地に響く。先ずは領主の屋敷へと入ってユーリウスに会わなくては…。
閉ざされた冬のリッターホルムに訪れる者などそう多くはなかったはず。あれは王都の状況を知りたがるだろう。
そこにほんの少しの毒を混ぜてやればいい。これよりもっと、さらなる深淵へと誘う為の餌となる毒を…。
あの小屋へはその後、敷地の中にある地下を通っていけばいい…。公爵邸はもとは女指導者である母の住まう小さな屋敷だったのだ。あの敷地には地下への入り口がある。あの森林は何代目かの公爵によって朽ちたと聞いた…。だがその入り口が消えたわけではないだろう…。
公爵邸の重厚な壁が視界に入るところまやって来た時、そこには一つの人影がこちらの様子を伺っていた…。
それを見た臨時雇いの御者は怯えてそこから先へは進もうとしない。
…ここで御者に逃げられるわけにはいかないわね。公爵邸にどれほどの馬車が残っているのかもわからないのですもの…。
「仕方ないわ…。ここで待ってて頂戴。門まで少しですもの。歩いて行くわ」「
「で、でも奥様、大丈夫なんですかい?その、戻った方が…」
「構わないわ。様子を見るだけですもの。いいこと、何があろうここに居るのよ。」
欲深い御者は残りの金貨を受け取るまでは従うはず…、これでいい。…それにしても門番かしら?面倒ね…
「おやこれは伯爵夫人。此処で会うとは奇遇ですな」
「ブッケ教授…。あ、あなたここで何をしていらっしゃるの⁉」
「貴女が言った呪いの壁画、この腐敗騒ぎに関係するかと思いましてな。ところで夫人は何用かな?ここは公爵の毒素が蔓延した地。危険ですぞ」
「教授と同じですわ。わたくしもこの地に些かの興味がございますの。ですが時間がありませんわ。ごめんあそばせ」
『どこへ行くつもりだエイダよ。あの頃と寸分たがわぬとは恐れ入る。だがここから先へは通さぬ。諦めよ!』
「だ、誰‼」
「わかってますよ。あの美貌の夫人の耳に入るようにすりゃぁいいんだろ。あの堅牢なリッターホルムの関所が今なら緩んでるってな」
「彼女は戻らぬ斥候に気をもんでいるはずだ。だからこうも言うのだ。無謀にも領主を探ろうとした新参者は公爵邸から戻って来ないと。想像を掻き立てるよう、劇的にだ。」
「得意だぜ、そういうのは」
「お前たちには殿下による強い〝制約”がかかっている。私の庇護下でのみお前たちは自由が許される。子飼いの悪党、それがお前たちに唯一許された生存の道だ。愉快に暮らしたければせいぜい上手くやれ、いいな」
「身に染みてますって。ここにゃぁ恐ろしい悪魔がゴロゴロしてる…。逆らっていい事なんかひとつもないってな」
「へへっ、その代わり逆らわなきゃぁそこそこいい暮らしが出来るってもんだ。」
「悪党も賢ければ益を得るのは容易い。そのためには誰に阿るのか、その相手を見誤らない事だ…」
そうして奴らは久々の領外、南西のオーケソン侯爵領へと向かっていった。
王都での騒乱、その鎮圧と共にオーケソン家当主である侯爵は収監されている。
今はオーケソン夫人と令嬢が差配しているのであろうがそんな場所でいつまでも滞在を続けは出来ないだろう。ましてや伯爵夫人は例えどう繕ったとて、封蝋環の一件でその信用は揺らいでいる。
庇護を失った彼女…。この地の雪解けとともに必ず夫人はここへ来る。
雪解けの始まりを待ってようやく来訪の叶ったこのリッターホルム。
毒を恐れて役人の逃げ出した関所は問題なくわたくしたちを招き入れた。
驚いたこと…。あの男どもの話が本当だったとは…。
しかし…、あの封蝋環が偽物だったなどと…?一体何故…?聖王が愚かな真似を…?
よくもやってくれたわ…。あの男だけはユーリウスを待たずわたくしの手で始末をつけてやろうかしら…。それにしてもこの地、リッターホルム、最後にここへ来たのは数百年前…
その時わたくしの隣にはあの人がいた…
「ようやくここに…。…いったいどれ程ぶりかしら…。もう何の面影も残っていないのね…」
「あら、奥様リッターホルムへ来たことがおありでしたかしら?」
「昔少しね…」
「旦那様との出会いとか…?」
「まぁ羨ましい…今でもハンサムな旦那様ですもの。お若い頃はさぞかし…」
軽口とは言えいい気分では無いわ。
この地はひと時とは言えあの人と過ごした思い出の地。マテアスなどと…ふっ、今頃はあれも収監されているのかしら?わたくしの公爵夫人への行い、その責を問われて。ふふ、愉快だこと。
こうなってみればあの初冬の日、アルパを養母である元子爵夫人に預けたのは正解だった。
貴族の諍いになど無縁の養母。あとはその時までにアルパをこの国から出しさえすれば…。そうだわ、その時はあの養母に供をさせても良いわね。小間使いの代わりにくらいはなるのではないかしら…。
「あなた方、もうそれくらいでよしてちょうだい。それにしてもこれほどのものとは…、無様なものね。領民は全て逃げ出したのかしら…。無理も無いわね。ご覧なさいなクレメル夫人。この広大な荘園が全て腐り落ちていてよ。収穫を待つはずだった恵みまでもが腐敗しているわ…」
「ええ本当に酷い有様。臭いにおい…、土の腐った匂いでございますわ。こんな場所に居たいものなどいるものですか。本当に嫌だこと。」
「先ほど人気の無い領都の端の方で地中に穴を掘る農奴を見かけましたわ。地中に逃げ込もうとでもしているのかしら。いやだわ、これが毒公爵の力…あの幼いながらも不気味だった姿を思い出しますわ。おお怖い怖い…」
下賤な農奴が無駄な真似を。どうせもうこの地は終わりだと言いうのに。でもそうね…、せっかくここまで来たのですもの…。最期にあの小屋を少しだけ見ておきたい…。
壁画…あの人が描いた最後の画…。思えば初めて出会った時からわたくしは筆を持つあの人の横顔をいつも見ていた。だけど…それもあの小屋が最後…。あの人はあれ以来筆を持つことを止めてしまったから…
「奥様?何処においでになりますの?私どももお供を…」
「いいえ。あなた方は歩いて先に関所の館へ戻って頂戴。わたくし最愛の夫とともに何度かこの地を訪れているの。案内は不要よ。少しだけ思い出の地を散策してすぐに戻るわ」
「ですが奥様…」
「見なさいな。人気のない荘園。馬車道も農道も…誰一人歩いていなくてよ。無人の領に危険など無いわ」
カラカラと車輪の音ががらんどうの農地に響く。先ずは領主の屋敷へと入ってユーリウスに会わなくては…。
閉ざされた冬のリッターホルムに訪れる者などそう多くはなかったはず。あれは王都の状況を知りたがるだろう。
そこにほんの少しの毒を混ぜてやればいい。これよりもっと、さらなる深淵へと誘う為の餌となる毒を…。
あの小屋へはその後、敷地の中にある地下を通っていけばいい…。公爵邸はもとは女指導者である母の住まう小さな屋敷だったのだ。あの敷地には地下への入り口がある。あの森林は何代目かの公爵によって朽ちたと聞いた…。だがその入り口が消えたわけではないだろう…。
公爵邸の重厚な壁が視界に入るところまやって来た時、そこには一つの人影がこちらの様子を伺っていた…。
それを見た臨時雇いの御者は怯えてそこから先へは進もうとしない。
…ここで御者に逃げられるわけにはいかないわね。公爵邸にどれほどの馬車が残っているのかもわからないのですもの…。
「仕方ないわ…。ここで待ってて頂戴。門まで少しですもの。歩いて行くわ」「
「で、でも奥様、大丈夫なんですかい?その、戻った方が…」
「構わないわ。様子を見るだけですもの。いいこと、何があろうここに居るのよ。」
欲深い御者は残りの金貨を受け取るまでは従うはず…、これでいい。…それにしても門番かしら?面倒ね…
「おやこれは伯爵夫人。此処で会うとは奇遇ですな」
「ブッケ教授…。あ、あなたここで何をしていらっしゃるの⁉」
「貴女が言った呪いの壁画、この腐敗騒ぎに関係するかと思いましてな。ところで夫人は何用かな?ここは公爵の毒素が蔓延した地。危険ですぞ」
「教授と同じですわ。わたくしもこの地に些かの興味がございますの。ですが時間がありませんわ。ごめんあそばせ」
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―――
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※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
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