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205のその時に ささやかな準備
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「アッシュ、篝火へ誘導するのはお前なんだな。」
アレクシさんによるユーリとの会話。その終了を待って、神妙な顔をした兄さんはそう声をかけてきた。心配かけるつもりはさらさら無いんだけどな…。
「誘導って言うか…、ユーリと挟み撃ちにしてなんとか。最悪まぁ蔓で引っ張って無理やり…。でも…」
「でもなんだ」
「魔女だって分かってても見た目人間だと思うと気が引けるよね…だってこれって火あぶり…」
「アッシュ…。お前のそういうとこ兄さんは良いと思う。けどな、今はダメだ」
「分かってるって。…ビビ…らない。ビビったりしない!」
だって現代人としてはちょっとね…。いろんな意味で覚悟はしてるんだけど。実際目の前で見たらビビり倒すかもしれない…。
「そんな顔すんな、そん時は兄さんの背に隠れてろ。…それよりアッシュ、お前篝火の台作るのにナナカマド作ったろ?あれ御神木に似てるよな」
「うん?まあね葉とか花とか似てるよね。縁起担ぎって言っても御神木は使えないからね。ナナカマドも魔除けや招福の木なんだよ。少しでもご利益あるかと思って。篝火…、ホントは朴の木とかが良いんだろうけど…、ナナカマドもよく燃えるしね。」
「へぇ…。なら逆に燃えにくい木は知ってるか?」
知ってるか…知ってる…知って…、もちろん知っているとも!
『美しき寺社仏閣』あれにはちゃんと記されていた。神社などに植樹された多くの木が、その建造物を火災から守るために植えられた〝火伏の木”なのだと。
〝火伏の木”…、それは水分が多く油が少ない、着火の遅い防炎の樹。それだけじゃない。熱を遮断し拡散を抑え、一説には熱を浴びるとと葉が水を放出するとも言われている、とんでもないお役立ち植物だ。
「もちろん知ってるよ。銀杏とか珊瑚樹とか…、名前からして火に強そうだよね。」
「珊瑚ってなんだ?」
「それは刺胞動物門の…だー!めんどくさい!限りなく植物みたいな生物だよ!ペガサスの血とか厄除けとか魔除けとか言われるキレイな…生、植物?」
魔除け、魔除け、魔除け…小さなことからコツコツと。塵も積もれば山と…ならないか?
魔女との戦いに際し、片っ端から引っ張り出した(頭から)対魔女のあんな本やこんな本。その中の一冊、『世界のお守り 魔除けの秘石』そこには珊瑚は魔除けの石だと間違いなくそう書かれていた。
僕はしみじみ思ったもんだ。あれは厳密には石でなく海洋生物のカルシウムなのに…、藻が絡んでる分まだ『スピリチュアル植物大全』のほうがしっくりくるのにな、と…。
「魔除け…、それって泉の底にはないのか?」
「ないよ。綺麗で温暖な海にしか居ない。」
「そうか。残念だな」
「え?兄さん欲しいの?厄除けだから?兄さんがそういうのに頼るとは意外だったな。あー、ならさ、御神木の森でヤドリギ探したら?あれも強力な魔除けだよ。悪霊や幽霊から守ってもらうために一年中吊るしてる国だってあるんだから」
「そうなのか?」
「そうそう。悪霊に幽霊、それから魔女を追い払ってくれるんだって。こんなに何でも祓ってくれるなんて気前良いよね」
「そうか。行ってみるか。おい、母さんにはナイショだぞ。禁足地に入ったなんて言ったらげんこつが落ちる」
「分かってるって!」
そんな風に笑い合う僕と兄さん。兄弟水入らずもあと少し。あと数日もしたら…
ユーリに会える!
アレクシさんによるユーリとの会話。その終了を待って、神妙な顔をした兄さんはそう声をかけてきた。心配かけるつもりはさらさら無いんだけどな…。
「誘導って言うか…、ユーリと挟み撃ちにしてなんとか。最悪まぁ蔓で引っ張って無理やり…。でも…」
「でもなんだ」
「魔女だって分かってても見た目人間だと思うと気が引けるよね…だってこれって火あぶり…」
「アッシュ…。お前のそういうとこ兄さんは良いと思う。けどな、今はダメだ」
「分かってるって。…ビビ…らない。ビビったりしない!」
だって現代人としてはちょっとね…。いろんな意味で覚悟はしてるんだけど。実際目の前で見たらビビり倒すかもしれない…。
「そんな顔すんな、そん時は兄さんの背に隠れてろ。…それよりアッシュ、お前篝火の台作るのにナナカマド作ったろ?あれ御神木に似てるよな」
「うん?まあね葉とか花とか似てるよね。縁起担ぎって言っても御神木は使えないからね。ナナカマドも魔除けや招福の木なんだよ。少しでもご利益あるかと思って。篝火…、ホントは朴の木とかが良いんだろうけど…、ナナカマドもよく燃えるしね。」
「へぇ…。なら逆に燃えにくい木は知ってるか?」
知ってるか…知ってる…知って…、もちろん知っているとも!
『美しき寺社仏閣』あれにはちゃんと記されていた。神社などに植樹された多くの木が、その建造物を火災から守るために植えられた〝火伏の木”なのだと。
〝火伏の木”…、それは水分が多く油が少ない、着火の遅い防炎の樹。それだけじゃない。熱を遮断し拡散を抑え、一説には熱を浴びるとと葉が水を放出するとも言われている、とんでもないお役立ち植物だ。
「もちろん知ってるよ。銀杏とか珊瑚樹とか…、名前からして火に強そうだよね。」
「珊瑚ってなんだ?」
「それは刺胞動物門の…だー!めんどくさい!限りなく植物みたいな生物だよ!ペガサスの血とか厄除けとか魔除けとか言われるキレイな…生、植物?」
魔除け、魔除け、魔除け…小さなことからコツコツと。塵も積もれば山と…ならないか?
魔女との戦いに際し、片っ端から引っ張り出した(頭から)対魔女のあんな本やこんな本。その中の一冊、『世界のお守り 魔除けの秘石』そこには珊瑚は魔除けの石だと間違いなくそう書かれていた。
僕はしみじみ思ったもんだ。あれは厳密には石でなく海洋生物のカルシウムなのに…、藻が絡んでる分まだ『スピリチュアル植物大全』のほうがしっくりくるのにな、と…。
「魔除け…、それって泉の底にはないのか?」
「ないよ。綺麗で温暖な海にしか居ない。」
「そうか。残念だな」
「え?兄さん欲しいの?厄除けだから?兄さんがそういうのに頼るとは意外だったな。あー、ならさ、御神木の森でヤドリギ探したら?あれも強力な魔除けだよ。悪霊や幽霊から守ってもらうために一年中吊るしてる国だってあるんだから」
「そうなのか?」
「そうそう。悪霊に幽霊、それから魔女を追い払ってくれるんだって。こんなに何でも祓ってくれるなんて気前良いよね」
「そうか。行ってみるか。おい、母さんにはナイショだぞ。禁足地に入ったなんて言ったらげんこつが落ちる」
「分かってるって!」
そんな風に笑い合う僕と兄さん。兄弟水入らずもあと少し。あと数日もしたら…
ユーリに会える!
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