チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する

kozzy

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201 アデリーナの戯れ

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これは一体どういう事かしら⁉

手間取った辺境伯領への到着。だがあの古びた神殿は既にもぬけの殻だった…。
神殿に残った養蜂の為の修道女たち、彼女らは前王が罪を犯し王都に引き立てられたと言った…。

まさかわたくしとの取引が露見したと言うの?何故?
あの愚かな王が口をすべらせたとでも言うの?馬鹿な!
大慌てで王都へと戻る帰路、途中の関所では不穏な空気が流れていた。何かがおかしい…。
嫌な予感を裏付けるように、念のためとわたくしの身代わりを乗せた伯爵家の馬車は王都に入る関所で引き立てられて行った…。

困った事になったとクレメル夫人は狼狽えるばかり。それに追従するのはあの子供に熱湯を差し出し泣きじゃくったあのメイド。
 

「それもこれも全てあの粗暴な平民の子供が悪いのですわ!」
「そうよ!泉に沈んでせいせいしましたわ!」


こんな時でも悪意を忘れぬこの二人は本当に出来がいい。この二人を手元に残しておいたのは正解だったわね。


「仕方が無い…。いいわ、貸馬車で参りましょう。良い事、わたくしたちは当分ペルクリット伯爵夫人とその侍女ではなくてよ。そうね…、お嬢様とでも呼んでもらおうかしら。ホホホホホ」


そして快くわたくしを受け入れてくれたのはオーケソン侯爵家のビルギッタ嬢。
本当に…、彼女は本当に良い友人だわ。ふふ、賢いとは言えないけれどね。


「何が公爵夫人を害した疑いだと言うの!アデリーナ様がお可哀そうですわ。これでは今の王にはとても従えないわ。父もそう申しておりますの。大公閣下は確かに重鎮であられましたけど、やはり統治を担うには余りに足りぬと。ヴェッティ王は才があれば下位貴族であっても取り立てると、そう元老院で宣言なさったそうですのよ。嘆かわしいですわ。これを我々高位貴族に対する冒とくと言わず何だと言うの!」

「王がそのような事を…、これほど立派なオーケソン家と下位貴族を同列で語るなどと…無礼にも程がありますわ」

「そうでございましょう。そこで父は志を同じくする貴族家たちと王位奪還の計画を進めてございますの。聖王が退位されたのはあの子供と毒公爵の差し金でしたのでしょう?あの子供がいないが好機なのですって。聖王は王都の王家専用収監塔に幽閉されてしまいましたわ。それをお助けするのよ」

「まあ!それは結構な事でございますわね。ではこれをお貸しいたしましょう」

「何かしら?こ、これは聖王の封蝋環!どうなさったのアデリーナ様!」

「これは聖王様がわたくしに貸し与えて下さったわたくしの潔白の証。聖王はこれを以て王家を毒公爵から守って欲しいと申されましたの。これをオーケソン侯爵様に。反旗を翻すにしても大儀は必要でございましょう?」


リッターホルムに大雪が降り始めた以上どうせ暫く身動きはとれまい。
そして聖王が捕らえられたいま、封蝋擐に使い道は失くなった。
オーケソン侯爵、彼にヴェッティが出し抜けるとは思えないが…、ひと傷でもつけば儲け物だわ。

雪のないこの南の地でリッターホルムの雪解けを待つ間、せいぜい彼らに暴れてもらうのも悪くないわね。


ふふ、ほんの戯れよ…最期のね…







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