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209 彼は語らう
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「ノールさーん!ここー!ここだよー!」
隣村にある翼竜便の停留所。そこには会いたかったもう一人、ノールさんの姿があった。フラフラで…
「う…うぅ…アッシュ君…、げ、元気そうで良かった…」
「ノールさんは元気無さそうだね…」
「空がちょっと…高いな…なんて…」
高所が苦手らしいノールさんは恨めしそうに僕を見る。
仕方ないじゃないか!アデリーナを出し抜くには一足先に到着しなきゃならないんだから。
「よく来たノール。関所は閉じたか」
「ええユーリウス様。全て問題なく。あの後アデリーナを頼って幾人もやって参りましたが全てスヴァルト様が捕らえて下さいました。今も教授と関所の館に詰めております。」
「そうか。教授とスヴァルト殿にも感謝をしなければな」
頼って…聞かなくても想像はつくけどね…。
多分伯爵邸の下働きたちだ。主人が王都を追われて途方にくれたんだろう。
後を追って来たのか、呼び寄せられたのか、いずれにしてもポイ捨てされたって訳だ。1ミリも同情出来ないけど…。
「王都の伯爵邸は接収されたようだからね。今の王都で紹介状も無い使用人なんて雇い入れては貰えないだろうし…」
「彼女の甘言に騙された使用人たちなんだろう?暮らしに困っているのだろうか…」
「アレクシさん!人の心配してる時じゃないって!僕らだって今が正念場なんだから!無害かどうか調べるまでは絶対出すなって言っとかなくちゃ。」
相変わらずだなぁ、アレクシさん…。まぁそこが良いとこでもあるんだけど。
空の疲れに初春の寒さ、なかなか顔色の戻らないノールさんのために母さんはたくさんの料理を用意してくれた。
もちろんあの素朴な我が家で、って言う訳にはいかないから、ユーリが入村してからは専ら公爵家の別荘だけどね。
そのダイニングには似つかわしくない、けれど心からの家庭料理が所狭しと並べられている。
ジャガイモとアンチョビのグラタンにジャガイモとベーコンのお団子、それからそれからジャガイモとソーセージを細かく刻んで目玉焼きを乗せた……って、ジャガイモばっかじゃん!
「美味しい!このグラタン?とても美味しいね。」
「何だいこれは?」
「魚の塩漬け、アンチョビもどきね。良いアクセントになってるでしょ?今朝獲ってきた新鮮な川魚だから安心してね」
ま、まぁみんな喜んでるみたいだしいいか…。なにしろ久しぶりにいつもの顔ぶれ揃ったわけだし…ん?あれ?
誰かが足りない…
思い思いの時間を過ごす食休みの間。
肌寒い夜空の下をイチャイt、…散策する僕とユーリの耳に、気の置けない友人同士のたわいもない会話が聞こえてきた。
それは特にどうと言う事も無い、離れていた間の互いの報告だったんだけど…。
アレクシさんは道中の襲撃やここに着いてから兄さんに鍛えられたあれやこれや、ノールさんは馬ゾリの話や王都で眼にした騒乱について。
特にノールさんの語るヘンリックさんの活躍は、それはもうエモーショナルで…、それに相槌をうつアレクシさんが少しだけ寂しそうだったのは…きっと気のせいなんかじゃない…。
「ねぇユーリ、アレクシさんってもしかして…」
「アッシュ…、驚いたな。君は人のことなら気付くんだね。では私の気持ちにも気付いてくれないか」
「え?何のこと?今さらユーリの気持ちって…」
「…ほらこれだ。分かってないのか。君はここのところやたら兄さん兄さんとタピオ君にベタベタして…、昨日など私を置いて行ってしまったじゃないか!」
「行ってしまったって、農作業にユーリを連れてける訳ないじゃないか」
「それだけじゃない!今朝だって君は」
…兄弟が仲良しなのは良い事なのに。ユーリが何を怒っているのかさっぱり分からない。
分からない事にしておこう…。
終わりの見えない戦略会議は何度も何度も繰り返される。このチャンスは唯一にして無二のチャンス。失敗したら…次は無い。
「油断してる魔女を塀際まで呼びよせるのは殿下なんですよね?どうやって呼びよせるんでしょうか?」
「封蝋環の件で問い詰める、そう言っていたが…」
「そもそもアデリーナは本当に来るのかい?誰かを動かしてどこかで待つなんて言う事は…」
「来るよ!これは向こうにとってもミスが許されない場面なんだよ?アデリーナは僕やユーリが先回りしてるなんて知らない。それに王子のことも舐め切ってる。絶対自分で来るよ!」
「私もアッシュに同感だ。でなければ初めから殿下を自由にしてはおかないだろう」
「アデリーナが集めてる悪党だけどね、そいつらは兄さんたちが押さえてくれるって。やぐらはあと少しで組み上がる。それでノールさん例の件だけど打ち合わせ通りに。頼んだよ。」
「大丈夫、なんとか頑張ってみる。」
「ユーリはアデリーナが村の門をくぐるまでは絶対姿を出さないで。僕もあのでっかいやぐらの上で柱の陰に隠れてる。いい?僕が死角に入る位置までうまく誘導して。逃げられてまた次世代まで潜られるとか…めんどうだ」
「随分大きなやぐらだね…、あの中に魔女を…。その、アッシュ君、マァの篝火はいつもあんなに大きいの?」
時代時代の賢者たちは魔女を捕まえる度いつだって火炙りにしてきた。アデリーナが不死だと分かってからも…
神殿の書に記された一文、いつの間にかまた現れた。あれは再生までに時間がかかるってことじゃないだろうか。
ルチア様に呪力を封じられるまで、魔女は術を操る本物の魔女だったんだ。
もし瞬時に復活を遂げるのならばあのアデリーナが何の報復もしないなんて…ちょっと考えられない…
「磔にして見世物にするよりいいよ…。それよりアレクシさんなんだけど…」
今は亡き家令の言葉。転移のスキルを持つものが鍵になる…。
頭に浮かんでは消えるいろんな可能性…。一周回ってやっぱりあれは〝転移”そのものが鍵だとしか考えられない。
アデリーナは過去何度も何度も転移によって逃げ延びてきたんだ。
戦乱の中を南から北へ。そして封じられたマァの塀を超えて外界へと。
アレクシさんよりもはるかに強力な転移を持った共謀者の手によって。
「本当はアレクシさんのスキルでおびき寄せたアデリーナを村に閉じ込めてしまえれば早かったんだけどね」
「面目ない…」
「まぁそれはアデリーナにとっても同じことが言えるわけだし痛み分けってことで。」
「同じこと?」
「一度村に閉じ込めてしまえば今度こそ転移で逃げ出すことは出来ないってこと。」
耳の下がった犬みたいなアレクシさん。
でもアレクシさんの声の転移にはこの何か月間ずっと助けられてきた。落ち込む必要なんて少しもないのに。
過去のスキルは過去のスキル。王子のスキルだって生きる姿勢で変わってきた。アレクシさんの〝転移”だってアレクシさんらしく変わっただけ、それはむしろいい事だよね?
それはアレクシさんが自分の人生を歩み始めたっていう証なんだから。
「ないものとして考えてるけど万が一気付かれて誤解されてもめんどうだから一応目立たないところに居てくれる?えっと、教会の道挟んだ向かい側当たりとかどう?あそこは門に近いわりに木が多くて見つかりにくいから丁度いいよ」
「分かった、そうしよう」
人事は尽くした。あとは天命を待つのみ。やり残したことは無いだろうか…。
なんだか足りないな?と思う人物は一人居るけどね…
隣村にある翼竜便の停留所。そこには会いたかったもう一人、ノールさんの姿があった。フラフラで…
「う…うぅ…アッシュ君…、げ、元気そうで良かった…」
「ノールさんは元気無さそうだね…」
「空がちょっと…高いな…なんて…」
高所が苦手らしいノールさんは恨めしそうに僕を見る。
仕方ないじゃないか!アデリーナを出し抜くには一足先に到着しなきゃならないんだから。
「よく来たノール。関所は閉じたか」
「ええユーリウス様。全て問題なく。あの後アデリーナを頼って幾人もやって参りましたが全てスヴァルト様が捕らえて下さいました。今も教授と関所の館に詰めております。」
「そうか。教授とスヴァルト殿にも感謝をしなければな」
頼って…聞かなくても想像はつくけどね…。
多分伯爵邸の下働きたちだ。主人が王都を追われて途方にくれたんだろう。
後を追って来たのか、呼び寄せられたのか、いずれにしてもポイ捨てされたって訳だ。1ミリも同情出来ないけど…。
「王都の伯爵邸は接収されたようだからね。今の王都で紹介状も無い使用人なんて雇い入れては貰えないだろうし…」
「彼女の甘言に騙された使用人たちなんだろう?暮らしに困っているのだろうか…」
「アレクシさん!人の心配してる時じゃないって!僕らだって今が正念場なんだから!無害かどうか調べるまでは絶対出すなって言っとかなくちゃ。」
相変わらずだなぁ、アレクシさん…。まぁそこが良いとこでもあるんだけど。
空の疲れに初春の寒さ、なかなか顔色の戻らないノールさんのために母さんはたくさんの料理を用意してくれた。
もちろんあの素朴な我が家で、って言う訳にはいかないから、ユーリが入村してからは専ら公爵家の別荘だけどね。
そのダイニングには似つかわしくない、けれど心からの家庭料理が所狭しと並べられている。
ジャガイモとアンチョビのグラタンにジャガイモとベーコンのお団子、それからそれからジャガイモとソーセージを細かく刻んで目玉焼きを乗せた……って、ジャガイモばっかじゃん!
「美味しい!このグラタン?とても美味しいね。」
「何だいこれは?」
「魚の塩漬け、アンチョビもどきね。良いアクセントになってるでしょ?今朝獲ってきた新鮮な川魚だから安心してね」
ま、まぁみんな喜んでるみたいだしいいか…。なにしろ久しぶりにいつもの顔ぶれ揃ったわけだし…ん?あれ?
誰かが足りない…
思い思いの時間を過ごす食休みの間。
肌寒い夜空の下をイチャイt、…散策する僕とユーリの耳に、気の置けない友人同士のたわいもない会話が聞こえてきた。
それは特にどうと言う事も無い、離れていた間の互いの報告だったんだけど…。
アレクシさんは道中の襲撃やここに着いてから兄さんに鍛えられたあれやこれや、ノールさんは馬ゾリの話や王都で眼にした騒乱について。
特にノールさんの語るヘンリックさんの活躍は、それはもうエモーショナルで…、それに相槌をうつアレクシさんが少しだけ寂しそうだったのは…きっと気のせいなんかじゃない…。
「ねぇユーリ、アレクシさんってもしかして…」
「アッシュ…、驚いたな。君は人のことなら気付くんだね。では私の気持ちにも気付いてくれないか」
「え?何のこと?今さらユーリの気持ちって…」
「…ほらこれだ。分かってないのか。君はここのところやたら兄さん兄さんとタピオ君にベタベタして…、昨日など私を置いて行ってしまったじゃないか!」
「行ってしまったって、農作業にユーリを連れてける訳ないじゃないか」
「それだけじゃない!今朝だって君は」
…兄弟が仲良しなのは良い事なのに。ユーリが何を怒っているのかさっぱり分からない。
分からない事にしておこう…。
終わりの見えない戦略会議は何度も何度も繰り返される。このチャンスは唯一にして無二のチャンス。失敗したら…次は無い。
「油断してる魔女を塀際まで呼びよせるのは殿下なんですよね?どうやって呼びよせるんでしょうか?」
「封蝋環の件で問い詰める、そう言っていたが…」
「そもそもアデリーナは本当に来るのかい?誰かを動かしてどこかで待つなんて言う事は…」
「来るよ!これは向こうにとってもミスが許されない場面なんだよ?アデリーナは僕やユーリが先回りしてるなんて知らない。それに王子のことも舐め切ってる。絶対自分で来るよ!」
「私もアッシュに同感だ。でなければ初めから殿下を自由にしてはおかないだろう」
「アデリーナが集めてる悪党だけどね、そいつらは兄さんたちが押さえてくれるって。やぐらはあと少しで組み上がる。それでノールさん例の件だけど打ち合わせ通りに。頼んだよ。」
「大丈夫、なんとか頑張ってみる。」
「ユーリはアデリーナが村の門をくぐるまでは絶対姿を出さないで。僕もあのでっかいやぐらの上で柱の陰に隠れてる。いい?僕が死角に入る位置までうまく誘導して。逃げられてまた次世代まで潜られるとか…めんどうだ」
「随分大きなやぐらだね…、あの中に魔女を…。その、アッシュ君、マァの篝火はいつもあんなに大きいの?」
時代時代の賢者たちは魔女を捕まえる度いつだって火炙りにしてきた。アデリーナが不死だと分かってからも…
神殿の書に記された一文、いつの間にかまた現れた。あれは再生までに時間がかかるってことじゃないだろうか。
ルチア様に呪力を封じられるまで、魔女は術を操る本物の魔女だったんだ。
もし瞬時に復活を遂げるのならばあのアデリーナが何の報復もしないなんて…ちょっと考えられない…
「磔にして見世物にするよりいいよ…。それよりアレクシさんなんだけど…」
今は亡き家令の言葉。転移のスキルを持つものが鍵になる…。
頭に浮かんでは消えるいろんな可能性…。一周回ってやっぱりあれは〝転移”そのものが鍵だとしか考えられない。
アデリーナは過去何度も何度も転移によって逃げ延びてきたんだ。
戦乱の中を南から北へ。そして封じられたマァの塀を超えて外界へと。
アレクシさんよりもはるかに強力な転移を持った共謀者の手によって。
「本当はアレクシさんのスキルでおびき寄せたアデリーナを村に閉じ込めてしまえれば早かったんだけどね」
「面目ない…」
「まぁそれはアデリーナにとっても同じことが言えるわけだし痛み分けってことで。」
「同じこと?」
「一度村に閉じ込めてしまえば今度こそ転移で逃げ出すことは出来ないってこと。」
耳の下がった犬みたいなアレクシさん。
でもアレクシさんの声の転移にはこの何か月間ずっと助けられてきた。落ち込む必要なんて少しもないのに。
過去のスキルは過去のスキル。王子のスキルだって生きる姿勢で変わってきた。アレクシさんの〝転移”だってアレクシさんらしく変わっただけ、それはむしろいい事だよね?
それはアレクシさんが自分の人生を歩み始めたっていう証なんだから。
「ないものとして考えてるけど万が一気付かれて誤解されてもめんどうだから一応目立たないところに居てくれる?えっと、教会の道挟んだ向かい側当たりとかどう?あそこは門に近いわりに木が多くて見つかりにくいから丁度いいよ」
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