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おまけ ②
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「僕もやりたい!」
「やりたいって…」
「シェフとしたい~‼」
「だからナッツが言うと全部おかしな意味に聞こえるんだって…」
「アッシュも姫も王さまだってしたんだもん!僕も結婚式を挙げたい~!」
「いいけど…、もう色々続いて疲れたし…春まで待ってよ」
「待てない~‼」
フォレストでの作業も終わり昼食へと戻った僕を待っていたのは、ここのところナッツとの間で繰り広げられている日課の様な押し問答。
屋敷中に響き渡るナッツの必死な叫びを皮切りに、ユーリ以外のデザートはこの日から全てビーナッツバターになってしまった。ええ…
それをスプーンで掬って舐めること3日目のある日、ついに僕は音をあげた…。
「だーっ!ピーナッツバターは嫌いじゃないけどもういいっ!分かった!今すぐ準備する!」
連日のピーナッツバターには食傷気味だ。ナッツの結婚式なら列席するのは屋敷の人間だけだろう。そうしたらそれを聞いてたアレクシさんが「大して手間もかかるまい」と協力を申し出てくれた。
「私も手伝おう。教会への連絡他は私が請け負う。君はナッツとサーダの衣装を。」
「ごめんねアレクシさん。冬支度で忙しい所を…。でもそれならそれで大雪が降る前にやらなくっちゃ」
そうしてバタバタと用意されたその婚礼衣装は、ナッツの可愛らしさをよく引き立てる、レースと花で飾られた、とても急ごしらえとは思えないものだった。
「よくこの短期間で…どうやったんだい?」
「あー…、ヴェストさんがカルロッタさんの婚礼衣装を解体して使えって…それが最善だって…」
「それは…、最善かもしれないがどうなんだ…」
「どうせ男しか居ないのにこれ以上置いておくのはむしろ最悪だって…」
「…確かに最悪だ…」
しっかりした体躯のサーダさんには3代前の当主の婚礼衣装がとてもよく似合っていた。
サーダさんと言えば彼の足に装着された義足。
それはこの数年間に僕の助言で進化を遂げ、棒のようだった義足が今では膝継手によりとても自然な動きを再現している。素晴らしいことだ。そしてそれらもカレッジ内ではさらなる研究が進められているという…。
一週間ほどで支度されたナッツとサーダさんの結婚式。
そこにはこの上なく幸せそうなナッツと、いつもと変わらず、だけどどことなくまんざらでもなさそうに見えるサーダさんが居た。
それを祝福するのは屋敷中の使用人。
ユーリの御出席はさすがに憚られたので、代わりに僕は介添えを務めた。
「おめでとうナッツ!」
「スーシェフ、おめでとうございます!」
「お似合いだよ二人とも」
「ありがとうみんな!僕とシェフはずっと幸せだけどもっと幸せになります‼」
割れんばかりの喝采に小さな愚痴をこぼすのは反則だろうか。
「僕の時はすごく微妙な拍手だったのに…。」
けど…、懐かしいな。ざわめきと困惑と苦笑いに彩られた僕の婚礼の儀。それとはまた違う、気の置けない仲間たちの笑顔に満たされた温かな結婚式。いいお式だ…。
そして教会から一歩外へ出るとそこには…
ナッツとサーダさんを祝福する多くの領民たちが!
そうか。ナッツのあの甘い菓子は領民たちにも人気だもんね。
だけど気になるのはこの…泣きじゃくる男たち…あっ…
「あーあ、屍累々か…気の毒に…」
「アッシュ君、これは…」
「アレクシさん初耳?ナッツのファンクラブ会員たちだよ」
「そんなのがあったの?な、なんなのそれは!?」
「あれ?ノールさんも知らなかった?おかしいな…カレッジ内にも会員は多いはずなのに…」
「カレッジ内…?」
「領都の男どもがガチ恋勢で、カレッジの男どもはアルパ君との百合萌えってやつ。ほら?ナッツ時々アルパ君に差し入れ持って行くでしょう?あれで。末期だよねぇ…」
「知らなかった…」
「そんなことになってたなんて…」
ナッツとサーダさんを乗せたオープン馬車は、僕の発案で後ろにたくさんのブリキのカンが付けられた。
ノールさんには意味が解らない…と言われたけどそういうものとしか答えられない。
嬉しそうに手を振りながら領内を回りに行ってしまったナッツ。ナッツ…残されたこの惨状どうする気…?
その後屋敷の厨房には、僕からの「推しの幸せを喜んでこそ真のファンだろうがっ!」と言う叱咤激励に立ち直った男どもの祝いのポインセチアが続々届けられたという…。クリスマス前だからいいんだけどね。お屋敷が真っ赤だよ…
またさらにその後、領主の許可のもと同性の婚姻が行われたという噂が何故か国中を駆け巡り、同性の恋人を持つカップルたちの移住が急激に増加し…、領民の管理をするアレクシさんの仕事を圧迫したとういうのもささやかなおまけだ。
それにしても…
同性婚といい姫の秘め事と言い…、リッターホルムがどんどん自由恋愛推奨領になっていくじゃないか!ま、まぁこの世界観のベースは北欧だけに?良いっちゃ良いんだけど…まぁ…まぁね…ま…う~ん…い、いいのか?…まぁいいか。
以降、孤児を養子に迎える同性カップルが増えたことで不幸な子供が減ったという棚ぼたな喜ばしい事実も、…ここに記しておこう…。
「やりたいって…」
「シェフとしたい~‼」
「だからナッツが言うと全部おかしな意味に聞こえるんだって…」
「アッシュも姫も王さまだってしたんだもん!僕も結婚式を挙げたい~!」
「いいけど…、もう色々続いて疲れたし…春まで待ってよ」
「待てない~‼」
フォレストでの作業も終わり昼食へと戻った僕を待っていたのは、ここのところナッツとの間で繰り広げられている日課の様な押し問答。
屋敷中に響き渡るナッツの必死な叫びを皮切りに、ユーリ以外のデザートはこの日から全てビーナッツバターになってしまった。ええ…
それをスプーンで掬って舐めること3日目のある日、ついに僕は音をあげた…。
「だーっ!ピーナッツバターは嫌いじゃないけどもういいっ!分かった!今すぐ準備する!」
連日のピーナッツバターには食傷気味だ。ナッツの結婚式なら列席するのは屋敷の人間だけだろう。そうしたらそれを聞いてたアレクシさんが「大して手間もかかるまい」と協力を申し出てくれた。
「私も手伝おう。教会への連絡他は私が請け負う。君はナッツとサーダの衣装を。」
「ごめんねアレクシさん。冬支度で忙しい所を…。でもそれならそれで大雪が降る前にやらなくっちゃ」
そうしてバタバタと用意されたその婚礼衣装は、ナッツの可愛らしさをよく引き立てる、レースと花で飾られた、とても急ごしらえとは思えないものだった。
「よくこの短期間で…どうやったんだい?」
「あー…、ヴェストさんがカルロッタさんの婚礼衣装を解体して使えって…それが最善だって…」
「それは…、最善かもしれないがどうなんだ…」
「どうせ男しか居ないのにこれ以上置いておくのはむしろ最悪だって…」
「…確かに最悪だ…」
しっかりした体躯のサーダさんには3代前の当主の婚礼衣装がとてもよく似合っていた。
サーダさんと言えば彼の足に装着された義足。
それはこの数年間に僕の助言で進化を遂げ、棒のようだった義足が今では膝継手によりとても自然な動きを再現している。素晴らしいことだ。そしてそれらもカレッジ内ではさらなる研究が進められているという…。
一週間ほどで支度されたナッツとサーダさんの結婚式。
そこにはこの上なく幸せそうなナッツと、いつもと変わらず、だけどどことなくまんざらでもなさそうに見えるサーダさんが居た。
それを祝福するのは屋敷中の使用人。
ユーリの御出席はさすがに憚られたので、代わりに僕は介添えを務めた。
「おめでとうナッツ!」
「スーシェフ、おめでとうございます!」
「お似合いだよ二人とも」
「ありがとうみんな!僕とシェフはずっと幸せだけどもっと幸せになります‼」
割れんばかりの喝采に小さな愚痴をこぼすのは反則だろうか。
「僕の時はすごく微妙な拍手だったのに…。」
けど…、懐かしいな。ざわめきと困惑と苦笑いに彩られた僕の婚礼の儀。それとはまた違う、気の置けない仲間たちの笑顔に満たされた温かな結婚式。いいお式だ…。
そして教会から一歩外へ出るとそこには…
ナッツとサーダさんを祝福する多くの領民たちが!
そうか。ナッツのあの甘い菓子は領民たちにも人気だもんね。
だけど気になるのはこの…泣きじゃくる男たち…あっ…
「あーあ、屍累々か…気の毒に…」
「アッシュ君、これは…」
「アレクシさん初耳?ナッツのファンクラブ会員たちだよ」
「そんなのがあったの?な、なんなのそれは!?」
「あれ?ノールさんも知らなかった?おかしいな…カレッジ内にも会員は多いはずなのに…」
「カレッジ内…?」
「領都の男どもがガチ恋勢で、カレッジの男どもはアルパ君との百合萌えってやつ。ほら?ナッツ時々アルパ君に差し入れ持って行くでしょう?あれで。末期だよねぇ…」
「知らなかった…」
「そんなことになってたなんて…」
ナッツとサーダさんを乗せたオープン馬車は、僕の発案で後ろにたくさんのブリキのカンが付けられた。
ノールさんには意味が解らない…と言われたけどそういうものとしか答えられない。
嬉しそうに手を振りながら領内を回りに行ってしまったナッツ。ナッツ…残されたこの惨状どうする気…?
その後屋敷の厨房には、僕からの「推しの幸せを喜んでこそ真のファンだろうがっ!」と言う叱咤激励に立ち直った男どもの祝いのポインセチアが続々届けられたという…。クリスマス前だからいいんだけどね。お屋敷が真っ赤だよ…
またさらにその後、領主の許可のもと同性の婚姻が行われたという噂が何故か国中を駆け巡り、同性の恋人を持つカップルたちの移住が急激に増加し…、領民の管理をするアレクシさんの仕事を圧迫したとういうのもささやかなおまけだ。
それにしても…
同性婚といい姫の秘め事と言い…、リッターホルムがどんどん自由恋愛推奨領になっていくじゃないか!ま、まぁこの世界観のベースは北欧だけに?良いっちゃ良いんだけど…まぁ…まぁね…ま…う~ん…い、いいのか?…まぁいいか。
以降、孤児を養子に迎える同性カップルが増えたことで不幸な子供が減ったという棚ぼたな喜ばしい事実も、…ここに記しておこう…。
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