236 / 277
連載
おまけ ⑧
しおりを挟む
ついにその日が来てしまった…。アルパ君の合同お見合いの日が…っ!
顔だけは良かったアデリーナとマテアスの因子はアルパ君に余すとこなく受け継がれ、その存在感の無さや覇気の無さで失われていた輝きさえこのリッターホルムで開花した。
今彼はまるで『人形愛の世界』で見たビスクドール、それもちょっと不気味なアンティークじゃなく、現代作家のドールのようだ。
一人だけ世界観が違う…
ってイヤイヤ、僕だって負けてないから。とってもチャーミングだから。僕だっていつもユーリから花の精って言われてて…
「何の花?」って聞いたら「君と私の愛のシンボル。どんぐりだ」って。
どんぐり花じゃないからね…
って、そんなことはいいんだけど、お見合いの前にアルパ君にはもう一度ちゃんと意思確認をしておきたい。無理強いなんて…、そんなの僕は絶対嫌だから。
「アルパ君はどこだ…。すっかり屋敷に馴染んで…おかげで所在が…ん?あれは…」
そこは従士たちの宿舎横、皆が思い思いに過ごすパティオみたいな場所だ。そこのベンチに探していたアルパ君、そして…隣にはビョルンさんが居る…え…?修羅場?
「アルパ様、その…お見合いなさると聞きまして…。」
「ええ。ユーリウス様はじめ、皆様が良き方をお選びくださいまして。6人ほどの女性と…、少し多いと思うのですけど、でも仕方ありませんね。色々な貴族家との駆け引きもありますし」
「良いのですか…?」
「何がですか?」
「アルパ様はその…、アレクシ様を…。あの方を慕っておられるのではないのですか?」
「ビョルン…」
ド直球ー!マジかビョルンさん!皆その件にはなるべく触れないようにしてたのに…躊躇ないな!男らしい男らしいとは思ってたけど…
「このまま気持ちを押し隠してお見合いなどなさっても良いのですか?せめてお気持ちだけでも伝えられては…後悔なさいますよ?」
ビョルンさん…、彼は意外なことにアルパ君の背中を押そうとしている。恋敵の背中を押すなんて…ああ、彼はやっぱりしっかり者のお兄ちゃんだ。タピオ兄さんにはジェラシー全開だけど…
「ビョルン…、ふふ。そんな風に思ってらしたんですね。でも違うのですよ。そうではないのです。」
「アルパ様…」
「確かに私はアレクシ様にほのかな想いを抱いておりました。でもそれは…愛とか恋とか、そう言ったものではないと思うのです。」
「とてもそうは思えません…」
「…あの時の私には他に誰も頼る者がいなかった…。父方のペルクリット家は爵位はく奪により散りじりになり…、あの時共に居た母方の祖母も心労がたたり倒れてしまいました。私を見る周囲の眼は王家に仇を成した稀代の悪女の息子にけっして優しくはなかった…」
そうだろうとも…。アレクシさんから聞いたあの時の彼は収監される寸前だった。
そこへ現れたのがアレクシさんだ。彼がアルパ君の為にどれほどあの時骨折ったか…。
「ふふ。騎士様のように見えたのです。私を守る騎士様に…。実際アレクシ様が居なければ私は今ここにはいなかった。」
「分かります。アレクシ様は誰よりも騎士道をお持ちの方です」
「でもこうして自分の人生を生きられるようになり、悩みながらも模索するうちにこれではいけないと思ったのです」
「いけないとは…?」
いけないとは?
「私は今まで誰かに頼り誰かの言う通りになって生きるだけでした。でも今はそうではありません。私もアレクシ様のように、ノール様のように、そしてアッシュ様のように誰かを護れる人になりたい。」
「護れる人に…」
「2年前のあの頃、私はアレクシ様にいつまでも守られたいと思った。それは恋ではなくきっと依存だったのです。けれど私はもう成長しなくてはならない。その為にむしろ婚姻を望んでさえいるのですよ。両親とは違う…温かさに満ちた家庭を誰かと築き、両親とは違う独りよがりでない愛情を子供に注ぐ…。その時初めて私は呪縛から逃れられる気がするのです」
「アルパ様…!」
アルパ君…!
「私が言うのもおかしな話ですが…、ビョルン、アレクシ様をよろしくお願いしますね。あの方は人のために自分の気持ちを押し隠してしまわれる方だから…。私と居て複雑でない訳がなかったのに…」
「そんなことありません。アレクシ様は心からアルパ様を思い遣っておられました。でも…お任せください。アレクシ様はきっと私が幸せにして見せます!」
いやビョルンさん…、まだその想いは一方通行だからね?
「それからアルパ様。アルパ様の想いは依存などではなくやはり恋だったと思います。その想いは大切になさいませ。それも人生の彩りですから」
いやぁ~、いいこというなビョルンさん。人生の彩りか…。本当にね。
でも思いがけぬ形でアルパ君の気持ちは分かった。ならば尚のこと、彼が温かな家庭を持つにふさわしい令嬢を見極めなければ!
「あのアッシュ様…。お見合いに同席なさるのですか?」
あー!そのキョトン、いつも思うけど反則だから!
「同席するよ。僕は義理の兄だし。令嬢方、この僕のお眼鏡に叶わない限りアルパ君へはたどり着けないと思ってもらおう。準備は良いかな?」
「結構ですわ!このわたくし、ユングリング侯爵家の娘として必ずやアッシュ様を倒して見せます!」
いや倒しちゃダメだから…
「アルツフェルト家の二女として最善を尽くしはしますが…ふぅ…面倒な小姑だこと」
否定はしない!
「兄オトマールからファークランツ家の為にと言われて来ましたが…家に帰って静かに思想に耽りたいですわ…」
さすがインテリ系オトマールさんの妹…
「ルステンソン家の名誉にかけて…というのは建前で、ヴェスト様を眺めに来ましたの。ああ美しい…」
問題外。
「あーこれこれ、これが食べたかったの~。ケーニマルク領では食べられない焼き菓子、最高ですわぁ」
……
こ、こいつら…!6家のご息女は曲者ぞろいか!さすが高貴なる一族の血筋…、癖が強いっ!
おやぁ?彼女は…?
「あ、あの…。わたくしのような新参がこの様な場所に申し訳ございません。場違いでございますわね…」
そこに居たのは静かにチョコンと座っている、水色のドレスとカチューシャがどこはかとなくアリスを思わせる、そんな美少女。ああっ!コルトバ侯のお孫さんかっ!じじバカ全開でねじこんできた…っていう…
彼女は言うなればセレブ美女に囲まれた甘ロリータ。確かにある意味場違いではある。だがそこがいい!
「わたくし静かにお茶をして静かに帰ります。どうぞお気になさらないでくださいまし。それからこれを」
「これは?」
「アルパ様にお近づきの印にと思いまして。白うさぎの帽子、わたくしの手編みですの。せめてこれだけはアルパ様に…」
「アリスインワンダーランド…」
鉄壁のアッシュゾーンを通過したのはなんと、超絶過保護なおじいちゃんに徹底して社交界から切り離され、田舎で浮世離れした生活を続けていた素朴な、そして穢れ無き美少女だった…。
コルトバ侯グッジョブ!
顔だけは良かったアデリーナとマテアスの因子はアルパ君に余すとこなく受け継がれ、その存在感の無さや覇気の無さで失われていた輝きさえこのリッターホルムで開花した。
今彼はまるで『人形愛の世界』で見たビスクドール、それもちょっと不気味なアンティークじゃなく、現代作家のドールのようだ。
一人だけ世界観が違う…
ってイヤイヤ、僕だって負けてないから。とってもチャーミングだから。僕だっていつもユーリから花の精って言われてて…
「何の花?」って聞いたら「君と私の愛のシンボル。どんぐりだ」って。
どんぐり花じゃないからね…
って、そんなことはいいんだけど、お見合いの前にアルパ君にはもう一度ちゃんと意思確認をしておきたい。無理強いなんて…、そんなの僕は絶対嫌だから。
「アルパ君はどこだ…。すっかり屋敷に馴染んで…おかげで所在が…ん?あれは…」
そこは従士たちの宿舎横、皆が思い思いに過ごすパティオみたいな場所だ。そこのベンチに探していたアルパ君、そして…隣にはビョルンさんが居る…え…?修羅場?
「アルパ様、その…お見合いなさると聞きまして…。」
「ええ。ユーリウス様はじめ、皆様が良き方をお選びくださいまして。6人ほどの女性と…、少し多いと思うのですけど、でも仕方ありませんね。色々な貴族家との駆け引きもありますし」
「良いのですか…?」
「何がですか?」
「アルパ様はその…、アレクシ様を…。あの方を慕っておられるのではないのですか?」
「ビョルン…」
ド直球ー!マジかビョルンさん!皆その件にはなるべく触れないようにしてたのに…躊躇ないな!男らしい男らしいとは思ってたけど…
「このまま気持ちを押し隠してお見合いなどなさっても良いのですか?せめてお気持ちだけでも伝えられては…後悔なさいますよ?」
ビョルンさん…、彼は意外なことにアルパ君の背中を押そうとしている。恋敵の背中を押すなんて…ああ、彼はやっぱりしっかり者のお兄ちゃんだ。タピオ兄さんにはジェラシー全開だけど…
「ビョルン…、ふふ。そんな風に思ってらしたんですね。でも違うのですよ。そうではないのです。」
「アルパ様…」
「確かに私はアレクシ様にほのかな想いを抱いておりました。でもそれは…愛とか恋とか、そう言ったものではないと思うのです。」
「とてもそうは思えません…」
「…あの時の私には他に誰も頼る者がいなかった…。父方のペルクリット家は爵位はく奪により散りじりになり…、あの時共に居た母方の祖母も心労がたたり倒れてしまいました。私を見る周囲の眼は王家に仇を成した稀代の悪女の息子にけっして優しくはなかった…」
そうだろうとも…。アレクシさんから聞いたあの時の彼は収監される寸前だった。
そこへ現れたのがアレクシさんだ。彼がアルパ君の為にどれほどあの時骨折ったか…。
「ふふ。騎士様のように見えたのです。私を守る騎士様に…。実際アレクシ様が居なければ私は今ここにはいなかった。」
「分かります。アレクシ様は誰よりも騎士道をお持ちの方です」
「でもこうして自分の人生を生きられるようになり、悩みながらも模索するうちにこれではいけないと思ったのです」
「いけないとは…?」
いけないとは?
「私は今まで誰かに頼り誰かの言う通りになって生きるだけでした。でも今はそうではありません。私もアレクシ様のように、ノール様のように、そしてアッシュ様のように誰かを護れる人になりたい。」
「護れる人に…」
「2年前のあの頃、私はアレクシ様にいつまでも守られたいと思った。それは恋ではなくきっと依存だったのです。けれど私はもう成長しなくてはならない。その為にむしろ婚姻を望んでさえいるのですよ。両親とは違う…温かさに満ちた家庭を誰かと築き、両親とは違う独りよがりでない愛情を子供に注ぐ…。その時初めて私は呪縛から逃れられる気がするのです」
「アルパ様…!」
アルパ君…!
「私が言うのもおかしな話ですが…、ビョルン、アレクシ様をよろしくお願いしますね。あの方は人のために自分の気持ちを押し隠してしまわれる方だから…。私と居て複雑でない訳がなかったのに…」
「そんなことありません。アレクシ様は心からアルパ様を思い遣っておられました。でも…お任せください。アレクシ様はきっと私が幸せにして見せます!」
いやビョルンさん…、まだその想いは一方通行だからね?
「それからアルパ様。アルパ様の想いは依存などではなくやはり恋だったと思います。その想いは大切になさいませ。それも人生の彩りですから」
いやぁ~、いいこというなビョルンさん。人生の彩りか…。本当にね。
でも思いがけぬ形でアルパ君の気持ちは分かった。ならば尚のこと、彼が温かな家庭を持つにふさわしい令嬢を見極めなければ!
「あのアッシュ様…。お見合いに同席なさるのですか?」
あー!そのキョトン、いつも思うけど反則だから!
「同席するよ。僕は義理の兄だし。令嬢方、この僕のお眼鏡に叶わない限りアルパ君へはたどり着けないと思ってもらおう。準備は良いかな?」
「結構ですわ!このわたくし、ユングリング侯爵家の娘として必ずやアッシュ様を倒して見せます!」
いや倒しちゃダメだから…
「アルツフェルト家の二女として最善を尽くしはしますが…ふぅ…面倒な小姑だこと」
否定はしない!
「兄オトマールからファークランツ家の為にと言われて来ましたが…家に帰って静かに思想に耽りたいですわ…」
さすがインテリ系オトマールさんの妹…
「ルステンソン家の名誉にかけて…というのは建前で、ヴェスト様を眺めに来ましたの。ああ美しい…」
問題外。
「あーこれこれ、これが食べたかったの~。ケーニマルク領では食べられない焼き菓子、最高ですわぁ」
……
こ、こいつら…!6家のご息女は曲者ぞろいか!さすが高貴なる一族の血筋…、癖が強いっ!
おやぁ?彼女は…?
「あ、あの…。わたくしのような新参がこの様な場所に申し訳ございません。場違いでございますわね…」
そこに居たのは静かにチョコンと座っている、水色のドレスとカチューシャがどこはかとなくアリスを思わせる、そんな美少女。ああっ!コルトバ侯のお孫さんかっ!じじバカ全開でねじこんできた…っていう…
彼女は言うなればセレブ美女に囲まれた甘ロリータ。確かにある意味場違いではある。だがそこがいい!
「わたくし静かにお茶をして静かに帰ります。どうぞお気になさらないでくださいまし。それからこれを」
「これは?」
「アルパ様にお近づきの印にと思いまして。白うさぎの帽子、わたくしの手編みですの。せめてこれだけはアルパ様に…」
「アリスインワンダーランド…」
鉄壁のアッシュゾーンを通過したのはなんと、超絶過保護なおじいちゃんに徹底して社交界から切り離され、田舎で浮世離れした生活を続けていた素朴な、そして穢れ無き美少女だった…。
コルトバ侯グッジョブ!
342
あなたにおすすめの小説
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。