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リッターホルムへの帰路 ①
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さて、東の気球乗り場を有するルステンソン侯爵領。そこでお出迎えに現れたのは、アルパ君のお見合いの日にヴェストさんを眺めたおしていたあの面食い令嬢、マーゴット嬢だった。
公爵閣下が入領したと言うのにこのまま素通りさせては名家の名折れ、当然のごとく宿泊の準備は万端である。
「辺境を横断するのは大変でございましたでしょう?どうぞゆっくりなさって下さいませね。」
「…ありがとうマーゴットさん。その心遣いがあるならついでに夜会とかもパスさせて貰えたら…」
「辺境ではいかがでしたの?」
「え?」
「辺境領で歓迎の夜会はございませんでしたの?」
「ありました…」
「で、ございましょう?」
問答無用ってことか…
僕がこのルステンソン侯爵家の夜会をパスしたかったのには理由がある。
ひとつは単純に疲れているから。パーティーというのはたまに参加するから良いんだな…と凄く実感した今日この頃だ。前世のパリピってすごいバイタリティー…。感心するよ…。
そしてもう一つは僕がこの地でモテモテだからだ。
何しろ南の農作物は僕の『種子創造』による種や苗の再現で一足飛びに進化を遂げてしまったのだ。
コーヒー…ココナッツ…バナナ…、それから綿も。
カカオだけはフォレストで死守したけどホントはあれだって南の作物。羨ましい…南ばっかり!
とにかくそれらはリッターホルムと懇意にしている6家を中心に栽培を広げてきた為、ここのところこの辺りの当主から我が領も!と要請、要望が激しいのだ…。
そんな時に僕が南に。それも物理的距離があり滅多に行き来出来ない南東の地に。これってまさに、飛んで火にいる夏の虫…。
思った通りだ。今僕は自領の更なる発展を願う領主たちによりかごめかごめの鬼さんみたいになっている。そして頼みの綱のユーリもあちらでルステンソン侯爵親子とそのご友人に捕まっている。う~ん…助けは来ない…。
「分かった!分かったから!マンゴー!とっておきのマンゴー出すから!」
「それはどういったものであるか?」
「美味いのか⁉」
「見本は無いのか!」
「最高に美味しい!保証する!そうだな…、あっ!マーゴットさん!ちょ、ああっ!」
目あったよね?絶対合ったよね?面倒事の気配を察知してガン無視された…
「あの…、姉がすみません…。僕で代わりになりますでしょうか?」
「あなたは…?」
「双子の弟、パトリックと申します。どうぞお見知りおきを」
なんとマーゴット嬢は二卵性の双子だった。
二卵性とは言っても性別が違うだけで顔はそっくり。マーゴット嬢も美人だけど男の彼はまるでデビュー作のブラピみたいだ。イッケメーン!
そのパトリックさんからマンゴーのサンプルを10日後受け取るよう話をつけて、僕はようやくその集団から解放された。因みに10日後に意味など無い。どこからか運んだ、と思わせるためだけのブラフだ。
それにしても…、あのマーゴットさんと双子とはとても思えないな…。彼はとても如才なさげな人物に見える。
「いえいえ、僕など所詮4男ですし、ああ。だからそう見えるのかも知れませんね。自分の進路は自分で切り開かなければなりませんので。それでどこか抜け目がないのかも」
「目端が利くって言うんだよ、それ。」
4男か…、それはとっても大変なことだ。
貴族家で安泰なのなんて嫡子とせいぜいが次男まで。幸いルステンソン家の三男は官吏として王宮に出仕が決まっているのだとか。
パトリックさん、彼もいずれはどこかでお役人になるか教鞭をとるか、だけどこの口ぶり…まだ去就は決まって無いっぽい。それってつまり、彼はまだフリー…。キラリン…
「あのパトリックさ」
「あのアッシュ様、お願いなのですが僕をリッターホルムへ同行させてはいただけませんか?目覚ましい発展を遂げているリッターホルムに僕の居場所はないでしょうか?」
カモがネギー!渡りに船ってこういう事ー!え?これってやっぱり普段の行い…?
「さ、ユーリとルステンソン侯爵に話しをつけに行こうか」
10日後配布する分だ!って言ってるのに「これは弟を取られた賠償金代わり」などと訳の分からない事を言って、マンゴー食べつくす勢いのマーゴットさんと二男ウルマスさん、そして三男トピアスさんには参った…。なんてよく似た兄妹なんだ…。
「ちょ、美味しいのは分ったけど残しとかないと困るから…」
「あら。わたくしは特に困りませんわ。誰がお困りになるのかしら」
「マーゴットさん…あのね、僕が困るから…」
「実に豊潤な果実だ…。これぐらいよかろう。予備はお持ちでないのですか?」
「いやあの…トピアスさん、試食はそれぐらいで…」
「この果実を他家にまわすと…?アッシュ殿は当家をないがしろになさるおつもりか」
「…ウルマスさん…分かりました…何とかします…」
昨夜こっそり裏庭で収穫したマンゴーはほとんど没収されてしまった…。仕方ないのでもう少しだけ収穫を追加して、それらは美食家たちの目に留まらないようこっそり当主である侯爵の手に委ねておいた。
その時うっかり嫌みを添えてしまったのは僕のせいだけじゃないだろう。
「お宅のお子さんたち躾はどうなってるんですかね?」
公爵閣下が入領したと言うのにこのまま素通りさせては名家の名折れ、当然のごとく宿泊の準備は万端である。
「辺境を横断するのは大変でございましたでしょう?どうぞゆっくりなさって下さいませね。」
「…ありがとうマーゴットさん。その心遣いがあるならついでに夜会とかもパスさせて貰えたら…」
「辺境ではいかがでしたの?」
「え?」
「辺境領で歓迎の夜会はございませんでしたの?」
「ありました…」
「で、ございましょう?」
問答無用ってことか…
僕がこのルステンソン侯爵家の夜会をパスしたかったのには理由がある。
ひとつは単純に疲れているから。パーティーというのはたまに参加するから良いんだな…と凄く実感した今日この頃だ。前世のパリピってすごいバイタリティー…。感心するよ…。
そしてもう一つは僕がこの地でモテモテだからだ。
何しろ南の農作物は僕の『種子創造』による種や苗の再現で一足飛びに進化を遂げてしまったのだ。
コーヒー…ココナッツ…バナナ…、それから綿も。
カカオだけはフォレストで死守したけどホントはあれだって南の作物。羨ましい…南ばっかり!
とにかくそれらはリッターホルムと懇意にしている6家を中心に栽培を広げてきた為、ここのところこの辺りの当主から我が領も!と要請、要望が激しいのだ…。
そんな時に僕が南に。それも物理的距離があり滅多に行き来出来ない南東の地に。これってまさに、飛んで火にいる夏の虫…。
思った通りだ。今僕は自領の更なる発展を願う領主たちによりかごめかごめの鬼さんみたいになっている。そして頼みの綱のユーリもあちらでルステンソン侯爵親子とそのご友人に捕まっている。う~ん…助けは来ない…。
「分かった!分かったから!マンゴー!とっておきのマンゴー出すから!」
「それはどういったものであるか?」
「美味いのか⁉」
「見本は無いのか!」
「最高に美味しい!保証する!そうだな…、あっ!マーゴットさん!ちょ、ああっ!」
目あったよね?絶対合ったよね?面倒事の気配を察知してガン無視された…
「あの…、姉がすみません…。僕で代わりになりますでしょうか?」
「あなたは…?」
「双子の弟、パトリックと申します。どうぞお見知りおきを」
なんとマーゴット嬢は二卵性の双子だった。
二卵性とは言っても性別が違うだけで顔はそっくり。マーゴット嬢も美人だけど男の彼はまるでデビュー作のブラピみたいだ。イッケメーン!
そのパトリックさんからマンゴーのサンプルを10日後受け取るよう話をつけて、僕はようやくその集団から解放された。因みに10日後に意味など無い。どこからか運んだ、と思わせるためだけのブラフだ。
それにしても…、あのマーゴットさんと双子とはとても思えないな…。彼はとても如才なさげな人物に見える。
「いえいえ、僕など所詮4男ですし、ああ。だからそう見えるのかも知れませんね。自分の進路は自分で切り開かなければなりませんので。それでどこか抜け目がないのかも」
「目端が利くって言うんだよ、それ。」
4男か…、それはとっても大変なことだ。
貴族家で安泰なのなんて嫡子とせいぜいが次男まで。幸いルステンソン家の三男は官吏として王宮に出仕が決まっているのだとか。
パトリックさん、彼もいずれはどこかでお役人になるか教鞭をとるか、だけどこの口ぶり…まだ去就は決まって無いっぽい。それってつまり、彼はまだフリー…。キラリン…
「あのパトリックさ」
「あのアッシュ様、お願いなのですが僕をリッターホルムへ同行させてはいただけませんか?目覚ましい発展を遂げているリッターホルムに僕の居場所はないでしょうか?」
カモがネギー!渡りに船ってこういう事ー!え?これってやっぱり普段の行い…?
「さ、ユーリとルステンソン侯爵に話しをつけに行こうか」
10日後配布する分だ!って言ってるのに「これは弟を取られた賠償金代わり」などと訳の分からない事を言って、マンゴー食べつくす勢いのマーゴットさんと二男ウルマスさん、そして三男トピアスさんには参った…。なんてよく似た兄妹なんだ…。
「ちょ、美味しいのは分ったけど残しとかないと困るから…」
「あら。わたくしは特に困りませんわ。誰がお困りになるのかしら」
「マーゴットさん…あのね、僕が困るから…」
「実に豊潤な果実だ…。これぐらいよかろう。予備はお持ちでないのですか?」
「いやあの…トピアスさん、試食はそれぐらいで…」
「この果実を他家にまわすと…?アッシュ殿は当家をないがしろになさるおつもりか」
「…ウルマスさん…分かりました…何とかします…」
昨夜こっそり裏庭で収穫したマンゴーはほとんど没収されてしまった…。仕方ないのでもう少しだけ収穫を追加して、それらは美食家たちの目に留まらないようこっそり当主である侯爵の手に委ねておいた。
その時うっかり嫌みを添えてしまったのは僕のせいだけじゃないだろう。
「お宅のお子さんたち躾はどうなってるんですかね?」
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