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ミチュペチュへの旅 ⑦
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10日ほどを予定していたこの東部での滞在。それを1週間でお暇するのには止むを得ない理由がある。
「いやぁ、アッシュ殿は実に可愛らしい。こう…ぎゅぅぅっ!と、したくなるような…」
「え…そのガタイでされたら僕死んじゃうから…」
「だが、そこの出窓に飾っておきたい可愛さだ。」
「出窓…?」
「そこのサイドチェストでもいいかもしれない。あなたが人妻でさえなければ。うーん、惜しいな…」
「いや何にも惜しくな」
「私の妻に秋波を送るのは止めていただこうか。ご嫡子オスカー殿。」
「いやいや、誤解召されるなユーリウス公爵閣下。私はただ小さきものを傍に置くのが好きなのですよ。例えば我が家の犬はこの領で人気のドゴ・アルヘンティーノ ではなくテチチです。」
「テチチ…、あっ!チワワか…」
「温室に居るのはコンドルではなく数羽のハチドリです。この腕にとまったハチドリは可愛いですよ。」
「後ほど見せて頂こう…」
「別室にはナキウサギもいるのですよ。彼らのために専属の冷室を作ったのですが、侮るなかれ。彼らは小さいのにタフなのです」
「…それは興味深い。まるで私の妻のようだ」
「ユーリ?」
「なにしろ私はこの体格ですのでね。それだけでなくこの領の女性は大きな者が多いのですよ。いやぁ親子は好みが似るものです。それゆえ父も母の小柄なところに一目惚れをしたのだとか。おかげで妹たちは程よい高さになりました。はっはっは」
確かにここの女性たちはやたらでかい…辺境伯、でかしたと言うべき…?
「小型種が好きなのは理解しました。なおのこと妻に近づくのは遠慮願いたい」
「小型種って?」
「そうですか…。いや実に残念…いや全く…せめて持ち上げてみても?」
といったセクハラに耐えかね、夫夫揃ってスケジュールの前倒しを決定したのだ。
そんなわけで今夜はお別れの晩餐会。
と言ってもここに居るのは役人ばかり。納会みたいな雰囲気なのもご愛敬だ。
ちなみに教授はこの辺境伯別邸に泊まったことは無いのだとか。
現地の人に混ざってこそ真の理解がなんとかかんとか…そう言っていつも村落にお邪魔するのだとか。
確かにあの気の良い現地の人は快く泊めてくれそうだった。
その教授は一足先にリッターホルムへと帰っていった。新学期があるからね。むしろ僕たちが来るのをギリギリまで滞在を伸ばして待っててくれたんだよね。
おかげでとても楽しい観光が出来た。二人には感謝だ。
さて。当主代理オスカーさんには三人の妹がいる。その一人が…言うまでもない、マチルダさんだ。
つまりあと二人妹がいる訳で、そのお二人はここ東部に居る。お兄さんの手助けをしているらしい。
「ヒルダさん、アルミナさん。短い間でしたがお世話になりました。」
「機会があればお二方にもリッターホルムへ来ていただきたい。北の大自然もなかなかなものだ。ぜひ見比べていただければ」
「まぁ公爵閣下。そのような対抗心をお持ちでしたの?ほほほ、北…ようございますわね」キラリ
「うふふ。わたくし南から出たことがありませんの。…それ…ご招待…と思って構いませんわね?」ギラリ
「「…北にスラリとした美形の殿方は居るかしら?」」
2人とも目がマジである…。
そうか…。この二人はスラリとした美形が好きなのか…。でもここにはイケメンでもがっちりしたマッチョイケメンしか居ない…。
だから二人とも独身なんだな…。
因みにヒルダさんの名前もアルミナさんの名前も意味は戦士である…。南って…
「ユーリ!厩舎にリャマが居る!」
明日ここを発つというその前日。僕とユーリはお土産を買いに小さな広場へ行く事にした。
そして玄関に向かおうとしたところ、何故か厩舎へと案内されそこで目にしたのがリャマだった。
「せっかくですからこれに乗って行ってはいかがです?閣下は馬に…」
「無論乗れるとも」
「アッシュ殿は…」
「妻が乗るのは私の」
「何言ってんのユーリ!あー、んん!気にしないで今のは!」
「私の前と言おうとしたのだが…」
「あ…」
墓穴である。
そこは小さなマーケット。狭い場所いっぱいにぎゅうぎゅうとお土産屋さんがひしめいている。
とてもカラフルな織物や編み物。木の皮を編んで作った工芸品もある。
凄く綺麗な石を使ったアクセサリーや、やっぱりすごくカラフルに着色したお守りなど。盛りだくさんだ。
一番人気は勿論アルパカ製品。暖かそうなそれはリッターホルムでも使えそうだ。
僕は宣言通りアルパ君にアルパカのミニチュアを、他の人達には工芸品やお守りなどをたくさん買い込み、そろそろ帰ろうかと思ったときそれを目にする…、あ、あれは…!
「ユーリ、チェス盤だ。すごく珍しいチェス盤があるよ。大公のお土産にしよう!」
「これは…、すべて古代の戦士やリャマなのか…、歴史の再現!素晴らしい!」
とっておきのお土産も手に入れ、僕達は翌日、なんの心残りもなくミチュペチュを後にした。
「いやぁ、アッシュ殿は実に可愛らしい。こう…ぎゅぅぅっ!と、したくなるような…」
「え…そのガタイでされたら僕死んじゃうから…」
「だが、そこの出窓に飾っておきたい可愛さだ。」
「出窓…?」
「そこのサイドチェストでもいいかもしれない。あなたが人妻でさえなければ。うーん、惜しいな…」
「いや何にも惜しくな」
「私の妻に秋波を送るのは止めていただこうか。ご嫡子オスカー殿。」
「いやいや、誤解召されるなユーリウス公爵閣下。私はただ小さきものを傍に置くのが好きなのですよ。例えば我が家の犬はこの領で人気のドゴ・アルヘンティーノ ではなくテチチです。」
「テチチ…、あっ!チワワか…」
「温室に居るのはコンドルではなく数羽のハチドリです。この腕にとまったハチドリは可愛いですよ。」
「後ほど見せて頂こう…」
「別室にはナキウサギもいるのですよ。彼らのために専属の冷室を作ったのですが、侮るなかれ。彼らは小さいのにタフなのです」
「…それは興味深い。まるで私の妻のようだ」
「ユーリ?」
「なにしろ私はこの体格ですのでね。それだけでなくこの領の女性は大きな者が多いのですよ。いやぁ親子は好みが似るものです。それゆえ父も母の小柄なところに一目惚れをしたのだとか。おかげで妹たちは程よい高さになりました。はっはっは」
確かにここの女性たちはやたらでかい…辺境伯、でかしたと言うべき…?
「小型種が好きなのは理解しました。なおのこと妻に近づくのは遠慮願いたい」
「小型種って?」
「そうですか…。いや実に残念…いや全く…せめて持ち上げてみても?」
といったセクハラに耐えかね、夫夫揃ってスケジュールの前倒しを決定したのだ。
そんなわけで今夜はお別れの晩餐会。
と言ってもここに居るのは役人ばかり。納会みたいな雰囲気なのもご愛敬だ。
ちなみに教授はこの辺境伯別邸に泊まったことは無いのだとか。
現地の人に混ざってこそ真の理解がなんとかかんとか…そう言っていつも村落にお邪魔するのだとか。
確かにあの気の良い現地の人は快く泊めてくれそうだった。
その教授は一足先にリッターホルムへと帰っていった。新学期があるからね。むしろ僕たちが来るのをギリギリまで滞在を伸ばして待っててくれたんだよね。
おかげでとても楽しい観光が出来た。二人には感謝だ。
さて。当主代理オスカーさんには三人の妹がいる。その一人が…言うまでもない、マチルダさんだ。
つまりあと二人妹がいる訳で、そのお二人はここ東部に居る。お兄さんの手助けをしているらしい。
「ヒルダさん、アルミナさん。短い間でしたがお世話になりました。」
「機会があればお二方にもリッターホルムへ来ていただきたい。北の大自然もなかなかなものだ。ぜひ見比べていただければ」
「まぁ公爵閣下。そのような対抗心をお持ちでしたの?ほほほ、北…ようございますわね」キラリ
「うふふ。わたくし南から出たことがありませんの。…それ…ご招待…と思って構いませんわね?」ギラリ
「「…北にスラリとした美形の殿方は居るかしら?」」
2人とも目がマジである…。
そうか…。この二人はスラリとした美形が好きなのか…。でもここにはイケメンでもがっちりしたマッチョイケメンしか居ない…。
だから二人とも独身なんだな…。
因みにヒルダさんの名前もアルミナさんの名前も意味は戦士である…。南って…
「ユーリ!厩舎にリャマが居る!」
明日ここを発つというその前日。僕とユーリはお土産を買いに小さな広場へ行く事にした。
そして玄関に向かおうとしたところ、何故か厩舎へと案内されそこで目にしたのがリャマだった。
「せっかくですからこれに乗って行ってはいかがです?閣下は馬に…」
「無論乗れるとも」
「アッシュ殿は…」
「妻が乗るのは私の」
「何言ってんのユーリ!あー、んん!気にしないで今のは!」
「私の前と言おうとしたのだが…」
「あ…」
墓穴である。
そこは小さなマーケット。狭い場所いっぱいにぎゅうぎゅうとお土産屋さんがひしめいている。
とてもカラフルな織物や編み物。木の皮を編んで作った工芸品もある。
凄く綺麗な石を使ったアクセサリーや、やっぱりすごくカラフルに着色したお守りなど。盛りだくさんだ。
一番人気は勿論アルパカ製品。暖かそうなそれはリッターホルムでも使えそうだ。
僕は宣言通りアルパ君にアルパカのミニチュアを、他の人達には工芸品やお守りなどをたくさん買い込み、そろそろ帰ろうかと思ったときそれを目にする…、あ、あれは…!
「ユーリ、チェス盤だ。すごく珍しいチェス盤があるよ。大公のお土産にしよう!」
「これは…、すべて古代の戦士やリャマなのか…、歴史の再現!素晴らしい!」
とっておきのお土産も手に入れ、僕達は翌日、なんの心残りもなくミチュペチュを後にした。
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